近年、国内リートインデックスは絶好調でした。2019年10月まではそうだったのですが、その後乱高下を繰り返しています。
次はeMAXIS国内リートの2017年以降のリターンの推移です。
黄色の丸で囲ったところで近年見なかった乱高下をしています。次は2019年7月以降を切り出したものです。
10%を超える下落と上昇が観測されました。こういうことは他の資産クラスでも普通に見られます。(国内リートインデックスは好調が長く続きました。)次はeMAXIS Slim先進国株式の、2019年年初から10月末までのリターンの推移です。
でもその期間の総口数の推移に、大きな変化は見られません。
これは、eMAXIS Slim先進国株式の受益者の多くは、基準価額が乱高下してもバイ&ホールドを継続できたことを示唆しています。
ところが、多くの国内リートインデックスの受益者は、おかしな行動を見せたのです。「お前らいったい何考えとるねん」と言いたくなりました。
総口数の推移
登場するグラフはどれも、2019年年初からの、そのインデックスファンドの総口数の推移です。右端は2020年1月24日ですが、余白を追加してあります。
三井住友DC日本リートインデックス
ビビって売り、直後に買い戻したようです。でも増えなくなりました。
Smart-i Jリート
ビビって売り、直後に買い戻し、その後また売りが続いているようです。
ニッセイJリート
ビビって売り、直後にいくらか買い戻し、その後また売りが続いているようです。
One DC 国内リート
ビビって売り、直後に買い戻し、その後また売り、その後変化なしです。
たわら国内リート
ビビって売り、直後に買い戻し、その後また売り、その後微増です。
eMAXIS国内リート
ビビって売り、直後に買い戻し、その後また売り、その後変化なしです。
DC・ダイワJ-REITオープン
幅は小さめですが、右往左往しています。
Funds-i J-REIT
これも同じ傾向です。
違うパターン
iFree J-REITは違っていました。次はiFree J-REITの設定来の総口数の推移です。
どうしてなのかは分かりません。
理解不能な行動をするのは信念がないからか
基準価額が永遠に上がり続ける資産クラスは存在しません。あれば誰もがそれに投資しますよね。しばらく上昇傾向だけだったので、これはおいしいと思って(誰かに踊らされて)投資したけど、急落にビビって売却したのでしょうか。でもその後買い戻しているようで「信念ないのか」と言いたくなります。
売却組が多く出ると、売買委託手数料と有価証券取引税の両方で、バイ&ホールドをしている受益者に迷惑をかける可能性があります。そこの事情はファンドごとに異なると思われますが、同じ船に乗っている人にとっては、相場がどうなろうと買い持ちを継続できる人ばかりの方がありがたいはずです。でも、国内リートインデックスの受益者は、近年パフォーマンスが絶好調だったことからでしょう、あまりうれしくない人が一定数いたようです。
それにしても、こんなに多くの商品で似たような行動が観測されるとはびっくりでした。
基準価額の変動をどうやって知ったのか
国内リートインデックスの基準価額の変動を、それら信念のなさそうな行動を見せた受益者はどうやって知ったのでしょうか。まさか毎日チェックしているとは思えません。もしかしたら、YouTubeに国内リートインデックス教の布教に熱心な教祖がいて、その教祖が信者に売買の指示を出していて、哀れな信者はそれに従っただけなのかも知れません。
それはどうか分かりませんが、最後に一言。「その程度の下落でビビってんじゃねぇよ」