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【債券研究】上場インデックスファンド米国債券 ETF(ヘッジあり)は低評価で落選

不老不死でないインデックス投資家のみなさん、インデックス投資の出口戦略を考えていますか?

インデックス投資に出口戦略は不必要と断言する人もいますが、その人は不老不死かも知れません。僕には寿命があるし、いずれ資産形成期から資産を取り崩して生活に変わるので、出口戦略は必須です。もし出口戦略を採用しない場合、死ぬまでスリム先進国株式に集中投資することになってしまいますが、それだとリスクの高さに耐えられません。

死ぬまでリスクの高いポートフォリオを維持するという人もいるようですが、僕には無理です。

そこで、資産を取り崩しながら生活するようになったら次の暴落を恐れなくていいように、リスク資産の多くをスリム先進国株式からリスクの低い債券に移すことを考えています。この記事で取り上げるのは国内ETFですが、残念ながら落選です。

更新情報

参照しているデータを最新版に更新しました。また、比較方法に間違いがありリターン差に謎のトゲがあったのを修正しています。

上場インデックスファンド米国債券 ETF(ヘッジあり)

上場インデックスファンド米国債券 ETF(ヘッジあり)は「S&P 米国債7-10年指数(TTM、円建て)」をベンチマークにしています。投資対象は満期までの残存期間が7年から10年の米国債です。

税抜き信託報酬は0.16%です。このETFには為替ヘッジなしもありますが、僕の目的にはあいません。

次は上場インデックスファンド米国債券 ETFの為替ヘッジあり、なしのリターン比較です。2016年9月15日から2020年9月18日までです。

上場インデックスファンド米国債券 ETFの為替ヘッジあり、なしのリターン比較グラフ

赤のラインがヘッジなし、緑のラインがヘッジありです。ヘッジありの方が値動きの幅が狭いです。

為替ヘッジの効果

次は上場インデックスファンド米国債券 ETF(ヘッジなし)とドル円のTTM(仲値)の推移の比較です。

上場インデックスファンド米国債券 ETF(ヘッジなし)とドル円のTTM(仲値)の推移の比較グラフ

赤のラインが上場インデックスファンド米国債券 ETF(ヘッジなし)、緑のラインがドル円の推移です。

次はヘッジなしのデータにドル円の変化を乗じた合成結果と、ヘッジありの比較です。

ヘッジなしのデータにドル円の変化を乗じた合成結果と、ヘッジありの比較グラフ

赤のラインが本物のヘッジあり、緑のラインが合成結果です。合成結果は為替ヘッジがロスなく行えた理想的な状態を示しています。合成結果の方が本物よりリターンが高い理由は、為替ヘッジに必要なコスト(ヘッジコスト)かも知れません。少なくとも、本物のヘッジありは合成結果に近い値動きをしているので、ヘッジありが為替の変動を抑えようとしていることは確かです。

米国長期債の利回りの推移

次は2016年10月以降の米国10年国債の利回りの推移です。

2016年10月以降の米国10年国債の利回りの推移グラフ

引用:投資の森

上場インデックスファンド米国債券 ETF(ヘッジあり)と並べてみます。下が利回りの推移です。

上場インデックスファンド米国債券 ETF(ヘッジあり)と米国10年国債の利回りの推移を並べて表示

金利が上がると債券価格は下がるという理屈通りの動きをしています。米国債(特に長期債)の金利の動向さえ把握すれば、このETFの取引価格が安い時期なのか高い時期なのか見当が付くので都合がいいです。

iシェアーズ米国債7-10年 ETF(ヘッジあり)との比較

高評価のiシェアーズ米国債7-10年 ETF(ヘッジあり)とどちらがいいでしょうか。

リターン比較

iシェアーズ米国債7-10年 ETF(ヘッジあり)のベンチマークは「FTSE米国債7-10年セレクト・インデックス(国内投信用 円ヘッジ円ベース)」です。投資対象は上場インデックスファンド米国債券 ETF(ヘッジあり)に似ていますが、同じではありません。

次は2016年9月15日から2020年9月18日までの、上場インデックスファンド米国債券 ETF(ヘッジあり)とiシェアーズ米国債7-10年 ETF(ヘッジあり)の比較です。

上場インデックスファンド米国債券 ETF(ヘッジあり)とiシェアーズ米国債7-10年 ETF(ヘッジあり)の比較グラフ

ほとんど同じですね。なお、税抜き信託報酬はiシェアーズ米国債7-10年 ETF(ヘッジあり)の方が0.02%ポイント安いです。

配当金実績

iシェアーズ米国債7-10年 ETF(ヘッジあり)は年4回分配、上場インデックスファンド米国債券 ETF(ヘッジあり)は年2回分配です。決算期が違うので同列では比較できませんが、直近の配当金実績(国内課税前)はほぼ同じでした。

  • iシェアーズ米国債7-10年 ETF(ヘッジあり):1.91%
  • 上場インデックスファンド米国債券 ETF(ヘッジあり):1.99%

なおどちらも国内籍ETFなので、配当金への二重課税が自動的に調整される(米国での10%課税を相殺してくれる)のは、海外ETFに比べて大きなメリットです。

売買手数料

楽天証券ならiシェアーズ米国債7-10年 ETF(ヘッジあり)の売買手数料は無料です。が、上場インデックスファンド米国債券 ETF(ヘッジあり)は無料ではありません。そのため気軽に売買できないです。(実際の負担よりも無料でないことによる精神的な影響ですね。)

次は楽天証券で国内ETFを売買した時の手数料です。

楽天証券で国内ETFを売買した時の手数料の表

引用:楽天証券

十分安いとは思います。出口戦略用に買う時は最低でも100万円以上買うでしょうから大して気にならないとも思いますが、売る時(=資産を取り崩す時)は10万円、20万円という少額で売りたいです。10万円だと手数料は0.099%なので、無視するには大きく感じます。

これはiシェアーズ米国債7-10年 ETF(ヘッジあり)と比べて大きなデメリットです。

なお、現在はおおむね次の金額の倍数で売買できます。

  • iシェアーズ米国債7-10年 ETF(ヘッジあり):2,500円
  • 上場インデックスファンド米国債券 ETF(ヘッジあり):19,700円

どちらも出口戦略で利用するのに問題になる金額ではありません。

純資産総額と流動性

純資産総額はiシェアーズ米国債7-10年 ETF(ヘッジあり)の方が倍程度あります。

  • iシェアーズ米国債7-10年 ETF(ヘッジあり):149億円
  • 上場インデックスファンド米国債券 ETF(ヘッジあり):77億円

問題は出来高です。次は2020年7月以降の出来高を比較したものです。出来高(株数)を参照し、取引価格で補正しています。

iシェアーズ米国債7-10年 ETF(ヘッジあり)と上場インデックスファンド米国債券 ETF(ヘッジあり)の出来高比較グラフ

出典:みんなの株式

オレンジのラインの上場インデックスファンド米国債券 ETF(ヘッジあり)は、出来高が極端に少ないです。これだと売買時にストレスを感じてしまいますね。

評価:iシェアーズ米国債7-10年 ETF(ヘッジあり)の方がいいです

明らかにiシェアーズ米国債7-10年 ETF(ヘッジあり)の方が有利です。iシェアーズ米国債7-10年 ETF(ヘッジあり)ではなくて上場インデックスファンド米国債券 ETF(ヘッジあり)を選択する理由が見当たりません。特に出来高の極端な少なさは致命的です。

よって、上場インデックスファンド米国債券 ETF(ヘッジあり)が我が家の出口戦略に採用されることはありません。

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