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【債券研究】Funds-i 米国ハイ・イールド債券(ヘッジあり)は低評価で落選

不老不死の秘薬を飲んでいないインデックス投資家のみなさん、インデックス投資の出口戦略を考えていますか?

僕は資産形成期の投資対象は株式100%のインデックスファンドが良いと考える「債券不要論者」です。資産形成期には株式100%のボラティリティー(変動率)の高さを許容する代わりに、高い期待リターンが生み出す複利効果を活かすという考え方です。

が、いずれ資産形成期は終わり、資産を取り崩しながら生活する時が来ます。不老不死ではないからです。その時にはポートフォリオのリスクを下げるため、株式100%から債券への大胆なシフトを考えています。そのため、債券について勉強中です。

この記事で取り上げるのはインデックスファンドですが、論外レベルでの落選です。

Funds-i 米国ハイ・イールド債券(ヘッジあり)

Funds-i 米国ハイ・イールド債券(ヘッジあり)は「ブルームバーグ・バークレイズ米国ハイイールド社債高流動性インデックス」をベンチマークにしています。ハイ・イールド債券とは信用度が低い代わりに利回りが高いもので、ジャンク債とも呼ばれます。

税抜き信託報酬は0.80%です。2016年7月に設定されたにしては高額です。おそらく意図的に高めに設定したのでしょう。足元を見られた感じです。また、解約時信託財産留保額が0.2%かかります。

このインデックスファンドには為替ヘッジなしもありますが、僕の目的にはあいません。

次はFunds-i 米国ハイ・イールド債券の為替ヘッジあり、なしのリターン比較です。設定直後を避けた、2016年8月1日から2020年9月18日までです。

Funds-i 米国ハイ・イールド債券の為替ヘッジあり、なしのリターン比較グラフ

赤のラインがヘッジなし、緑のラインがヘッジありです。ヘッジなしは変動率が高すぎて論外です。ヘッジありは変動率は低く抑えられていましたが、2020年2月の暴落では大きく下落してしまいました。これは為替ヘッジの有無ではなくて、ハイ・イールド債券の暴落によるものです。

為替ヘッジの効果

次はFunds-i 米国ハイ・イールド債券(ヘッジなし)とドル円のTTM(仲値)の推移の比較です。

Funds-i 米国ハイ・イールド債券(ヘッジなし)とドル円のTTM(仲値)の推移の比較グラフ

赤のラインがヘッジなし、緑のラインがドル円の推移です。ここで見られる相関関係は、為替変動が基準価額に与えている影響を示しています。

次はヘッジありのデータにドル円の変化を乗じた合成結果と、ヘッジありの比較です。

ヘッジありのデータにドル円の変化を乗じた合成結果と、ヘッジありの比較グラフ

赤のラインが本物のヘッジあり、緑のラインが合成結果です。合成結果の方が本物よりリターンが高い理由は、為替ヘッジに必要なコスト(ヘッジコスト)かも知れません。少なくとも、本物のヘッジありは合成結果に近い値動きをしているので、ヘッジありが為替の変動を抑えようとしていることは確かです。

iシェアーズ米国債7-10年ETF(ヘッジあり)と比較

次は出口戦略の選択肢として有望な、iシェアーズ米国債7-10年ETF(ヘッジあり)との比較です。

iシェアーズ米国債7-10年ETF(ヘッジあり)とFunds-i 米国ハイ・イールド債券(ヘッジあり)の比較グラフ

赤のラインがFunds-i 米国ハイ・イールド債券(ヘッジあり)、緑のラインがiシェアーズ米国債7-10年ETF(ヘッジあり)です。

iシェアーズ米国債7-10年ETF(ヘッジあり)は米国長期金利を反映しているので、現在の取引価格が高いのか安いのか判断できます。が、これと動きが全く異なるFunds-i 米国ハイ・イールド債券(ヘッジあり)は、僕には同様の判断ができません。

僕が思い描いている出口戦略は、債券の金利が高く、取引価格(基準価額)が低い時にリスク資産(スリム先進国株式のことです)を売却し、その売却代金で対象の債券ETF(またはインデックスファンド)を買うというものです。その目的に合いません。

また、Funds-i 米国ハイ・イールド債券(ヘッジあり)はコロナショックによる株価暴落で、最高値から22.8%下落しました。その後急速に回復しましたが、僕は高いリターンを求めない代わりに、ボラティリティーを抑えたいのです。その観点でも好ましくありません。

JNK

「ブルームバーグ・バークレイズ米国ハイイールド社債高流動性インデックス」をベンチマークにしているETFに、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズのJNKがあります。次は2008年年初からのトータルリターンの推移です。(円換算後、配当金を再投資しています。)

JNKのトータルリターンの推移グラフ

JNKのトータルリターンはリーマンショック後に急伸長しますが、チャイナショック以降は伸び悩んでいます。

次は配当金を再投資していない、JNKの取引価格の推移です。円換算後です。

JNKの取引価格の推移グラフ

リーマンショックの暴落から回復し切れていません。トータルリターンとの違いから分かる通り、JNKは配当金利率が高いです。直近では年率6%程度(税引前)もあります。

次は2008年からの配当金の利率(米国10%課税後)の推移です。

JNKの配当金の利率の推移グラフ

JNKは年12回、配当金を出しますので、1回あたり0.45%とすると年率5.4%に相当します。(米国10%課税後)確かにハイ・イールド債券というだけのことはありますね。

高コストです

次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。

運用報告書から計算したトータルコスト表

隠れコストは小さいですが、債券ファンドなので売買委託手数料と有価証券取引税が計上されていません。また、ヘッジコストが計上されることはありません。それらのコストは計上されなくても、ファンドの運用過程で発生しています。受益者から見えないだけです。

売れていません

次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。ヘッジなしもプロットしています。純資産総額はヘッジありが3.36億円、ヘッジなしが7.17億円です。

設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

緑のラインがヘッジありです。左端が浮いているのは、設定日にそれだけの資産があったからなのですが、そのうちいくらかは運営側の初期投資かも知れません。

明らかに不人気ですね。これだと掃いて捨てるほどある、売れなくて早期償還のリスクが高い残念なファンドに分類されそうです。

評価:出口戦略に使えません

Funds-i 米国ハイ・イールド債券(ヘッジあり)は高コストでボラティリティーが高く、僕が思い描く出口戦略向きではありません。また、不人気すぎて繰上償還のリスクが高く、通常の資産形成目的でも不安があります。総じて論外レベルの低評価です。

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