楽天全世界債券は、バンガードの債券ファンドに投資するインデックスファンドです。円で為替ヘッジさるため、為替変動の影響が低減されます。僕がインデックス投資の出口戦略として探している債券インデックスとして期待しましたが、現状では不人気で落選です。
更新情報
参照しているデータを最新版に更新ています。
楽天全世界債券(ヘッジあり)
正式名称は「楽天・全世界債券インデックス(為替ヘッジ)ファンド」です。楽天全世界株式、楽天全米株式と同じ、楽天バンガードシリーズに属します。でも投信ブログでもほとんど話題にされることがなく、その存在にすら気付いていない人も多いと思われます。
ヘッジありしかないので、以降単に「楽天全世界債券」とだけ書きます。楽天全世界債券のベンチマークはブルームバーグ・バークレイズ・グローバル総合浮動調整インデックスです。楽天全世界債券の99%以上はバンガード・グローバル・ボンド・インデックス・ファンドで構成されています。
そんなファンド知らない?不人気ですが楽天バランス3姉妹の債券部分はこれです。
なお、楽天全世界債券(ヘッジあり)は主たる投資対象に株式が入っていないため、つみたてNISA適格にはなれません。
投資対象ファンドの管理報酬引き下げ
楽天全世界債券の投資対象ファンドの「投資シェアクラス」が変更(2021年3月23日発表)され、管理報酬が0.15%から0.10%に引き下げられました。
先進国債券(ヘッジあり)インデックスとの違い
僕が候補に残した先進国債券(ヘッジあり)インデックスのベンチマークは「FTSE世界国債インデックス(除く日本 )」です。このベンチマークのヘッジありを採用している商品で、選択肢に残ったのはたわら先進国債券(ヘッジあり)でした。
楽天全世界債券の目論見書や月次レポートを見ても、国別投資比率は上位5カ国しか載っていませんでした。
日本を含むかどうかが大きな違いだと思われますが、それだけではないようです。
リターン比較
楽天全世界債券の設定日直後を避けた2019年3月1日から2022年5月13日までの、たわら先進国債券(ヘッジあり)との比較です。
赤のラインがたわら先進国債券(ヘッジあり)、緑のラインが楽天全世界債券です。青のラインはリターン差で、たわら先進国債券(ヘッジあり)ー楽天全世界債券です。
そもそもベンチマークが異なるので、同じ土俵では比較できませんが、たわら先進国債券(ヘッジあり)の方がリターンが高かったです。が、2021年は互角で推移しています。この様子だと、どちらがいいかは判断するにはもっと長い期間が必要ですね。
楽天全世界債券は高コスト
次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。たわら先進国債券(ヘッジあり)と比較しています。
トータルコストは同じ水準です。楽天全世界債券の第一期決算期間は隠れコストが高かったのですが、第二期決算期間で改善されました。
これは異様に高かった「印刷費用」が大幅に削減されたためです。
なお債券ファンドの場合、売買委託手数料と有価証券取引税を記載しなくて良いそうです。そのため、多くの運用報告書ではそれらはゼロか"ー"になっています。楽天全世界債券とたわら先進国債券(ヘッジあり)もそうです。
不人気です
次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は4.27億円しかありません。
資金流入は続いていますが、その額が小さいです。
たわら先進国債券(ヘッジあり)もプロットすると厳しさが良く分かります。純資産総額は101億円です。
楽天全世界債券は明らかに人気の獲得に失敗しています。どうしてこんなに不人気なのか不思議なくらいです。
結論:落選です
楽天全世界債券は(現在は)低コストですが、現状投資する意味がほとんどない国内債券の比率が9%近くあります。印象悪いです。
でもたわら先進国債券(ヘッジあり)とのリターン比較では、どちらが有利か判断できないです。国内債券への投資を無視すれば、悪くない選択肢かも知れません。
が、設定されてから3年経過したのに純資産総額が4億円しかなく、明らかに不人気です。繰上償還リスクを考えると怖いですね。
よって厳しいですが、落選とします。