最近NASDAQ100の注目度が上がっています。今回の株価暴落での下落率が低く、回復も速いから、と言うのが理由です。次は2020年年初からの、QQQトータルリターン(NASDAQ100指数に連動)とVOOトータルリターン(S&P500種指数に連動)の比較です。右端は4月30日で、円換算、配当金を再投資しています。
赤のラインがQQQトータルリターン、緑のラインがVOOトータルリターンです。QQQの圧勝です。QQQは株価暴落前の上昇が素晴らしかったですし、株価暴落による最大下落率が31.6%と、VOOの34.7%より小さかったです。でもこれは最近ハイテクが絶好調だからでしょうか。
2013年以降のNASDAQ100は素晴らしい
次はVOOが設定された2011年からの比較です。2013年以降はQQQの圧勝です。
こういうグラフを見ると、S&P500じゃなくてNASDAQ100でいいような気がする人もたくさんいることでしょう。でも、NASDAQ100の投資対象はたった100銘柄、それもハイテク偏重なので、NASDAQ100への全力投資は避けた方がいいと思います。S&P500は名前が示す通り500銘柄に投資しますし、幅広いセクターに分散しています。
ではS&P500には、NASDAQ100の投資対象がどれぐらい含まれているでしょうか。調べてみたら、ほぼ丸ごと入っていました。
以下、S&P500の投資対象はこちらから、NASDAQ100の投資対象はこちらから取得しました。
S&P500から見たNASDAQ100
次の表はS&P500とNASDAQ100が共に投資している銘柄を、S&P500の投資比率順に並べたものです。表が長いので3分割しています。
「順位」はS&P500の順位です。不連続になっているところは、NASDAQ100に含まれないものに投資している、ということです。
まとめるとこうなります。
- S&P500にはNASDAQ100の93.49%が含まれています。ほぼ丸ごと入っていると言ってもいいでしょう。
- S&P500のうち、NASDAQ100の投資対象は38.45%です。つまり、S&P500に投資するということは、NASDAQ100のほとんどに投資した上でさらに、62%程度の異なる銘柄に投資することを意味します。
S&P500の4割近くはNASDAQ100だと言うと、厳密な方から怒られそうですが、S&P500のパフォーマンスはNASDAQ100にかなわなかったと言え非常に素晴らしいので、S&P500で十分ではないでしょうか。さらにリターンを高めたい場合は、無理のない範囲でS&P500に加えてNASDAQ100に投資するのはどうでしょうか。
と、すっかりS&P500を推していますが、僕自信はeMAXIS Slim先進国株式に集中投資しています。
NASDAQ100から見たS&P500
上の表とは逆で、NASDAQ100の投資比率が高い順に並んでいます。マニアの方を除いて飛ばしてもらって結構です。
S&P500が採用していないNASDAQ100対象銘柄
S&P500にはNASDAQ100の93.49%が含まれています。残り6.5%は何なの?を表にしました。20銘柄あります。
テスラを除くとNASDAQ100の上位39銘柄はもれなくS&P500にあります。
セクター比率
S&P500にはNASDAQ100がほぼ丸ごと入っているわけですが、投資対象セクターは当然偏っています。
グラフにすると良くわかります。
NASDAQ100はハイテク偏重です。でも、NASDAQ100の投資対象セクターには、S&P500も高めの比率で投資しています。
上位銘柄が支配的
次はS&P500とNASDAQ100が共に投資している銘柄の、S&P500の投資比率の合計をプロットしたものです。
横軸はS&P500の順位です。上位銘柄の影響力が高いことが分かります。
次はS&P500とNASDAQ100が共に投資している銘柄の、NASDAQ100の投資比率の合計をプロットしたものです。
順位50番目で85%になります。でも下位53銘柄(残り15%)の存在が大切なんでしょうね。
ネタばらし
この記事に出てきた表をどうやって作ったか気になる稀な方にネタばらしをします。
- 元データを参照サイトからテキストエディターにコピペして加工、csvにします。
- 所望のデータをcsvで出力するプログラムを書きます。(過去に似たようなことをしているので、そのプログラムの改造で済みました。)
- 出力したcsvをエクセルに読ませて整形します。
それでもNASDAQ100が魅力的なら
主力ファンドはeMAXIS Slim米国株式(S&P500)だけど、NASDAQ100の素晴らしすぎるパフォーマンスが魅力的なので、つみたてNISA適格ではないけれども、iFree NEXT NASDAQ100にも投資する、というのは良い選択肢になると思います。その場合、投資比率をどうするかに正解はありませんが、基本的にはつみたてNISAの非課税枠を埋めてなお資金に余裕がある場合に、自分が追うリスクを考慮して決めればいいでしょう。