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【徹底比較】S&P500とNASDAQ100の違いを教えて下さい

iFree NEXT NASDAQ100は2018年8月31日に設定されましたが、1年以上鳴かず飛ばずでした。不人気だったのです。ところが2020年になって急に売れ始めます。パフォーマンスの高さが目立つようになると、資金流入が増えるという単純な、良くある話です。

次は2020年年初からの、QQQトータルリターン(NASDAQ100指数に連動)とVOOトータルリターン(S&P500種指数に連動)の比較です。右端は2021年6月30日です。円換算、配当金を再投資しています。

QQQトータルリターンとVOOトータルリターンの比較グラフ

赤のラインがQQQトータルリターン、緑のラインがVOOトータルリターンです。QQQの圧勝です。でも青のラインを良く見ると、2020年9月以降は互角だと分かります。

更新情報

参照しているデータを最新版に更新しています。

2013年以降のNASDAQ100は素晴らしい

次はVOOが設定された2011年からの比較です。縦軸は対数です。2013年以降はQQQの圧勝です。

2011年からの、QQQトータルリターンとVOOトータルリターンの比較グラフ

こういうグラフを見ると、S&P500じゃなくてNASDAQ100でいいような気がする人もたくさんいることでしょう。でも、NASDAQ100の投資対象はたった100銘柄、それもハイテク偏重なので、NASDAQ100への全力投資は避けた方がいいと思います。S&P500は名前が示す通り500銘柄に投資しますし、幅広いセクターに分散しています。

ではS&P500には、NASDAQ100の投資対象がどれぐらい含まれているでしょうか。調べてみたら、ほぼ丸ごと入っていました。

以下、S&P500の投資対象はこちらから、NASDAQ100の投資対象はこちらから取得しました。

S&P500から見たNASDAQ100

次の表はS&P500とNASDAQ100が共に投資している銘柄を、S&P500の投資比率順に並べたものです。表が長いので3分割しています。

「順位」はS&P500の順位です。不連続になっているところは、NASDAQ100に含まれないものに投資している、ということです。

S&P500から見たNASDAQ100の表1

S&P500から見たNASDAQ100の表2

S&P500から見たNASDAQ100の表3

まとめるとこうなります。

  • S&P500にはNASDAQ100の93.63%が含まれています。ほぼ丸ごと入っていると言ってもいいでしょう。
  • S&P500のうち、NASDAQ100の投資対象は41.67%です。つまり、S&P500に投資するということは、NASDAQ100のほとんどに投資した上でさらに、58%程度の異なる銘柄に投資することを意味します。

S&P500の4割近くはNASDAQ100だと言うと、厳密な方から怒られそうですが、S&P500のパフォーマンスはNASDAQ100にかなわなかったと言え非常に素晴らしいので、S&P500で十分ではないでしょうか。さらにリターンを高めたい場合は、無理のない範囲でS&P500に加えてNASDAQ100に投資するのはどうでしょうか。

と、すっかりS&P500を推していますが、僕自信はスリム先進国株式に集中投資しており、S&P500には投資していません。

NASDAQ100から見たS&P500

上の表とは逆で、NASDAQ100の投資比率が高い順に並んでいます。マニアの方を除いて飛ばしてもらって結構です。

NASDAQ100から見たS&P500の表1

NASDAQ100から見たS&P500の表2

NASDAQ100から見たS&P500の表3

S&P500が採用していないNASDAQ100対象銘柄

S&P500にはNASDAQ100の93.63%が含まれています。残り6.4%は何なの?を表にしました。21銘柄あります。

S&P500が採用していないNASDAQ100対象銘柄の表

NASDAQ100の上位35銘柄はもれなくS&P500にあります。

セクター比率

S&P500にはNASDAQ100がほぼ丸ごと入っているわけですが、投資対象セクターは当然偏っています。

S&P500とNASDAQ100のセクター比率比較表

グラフにすると良くわかります。

S&P500とNASDAQ100のセクター比率比較のグラフ

NASDAQ100はハイテク偏重です。でも、NASDAQ100の投資対象セクターには、S&P500も高めの比率で投資しています。

上位銘柄が支配的

次はS&P500とNASDAQ100が共に投資している銘柄の、S&P500の投資比率の合計をプロットしたものです。

S&P500とNASDAQ100が共に投資している銘柄の、S&P500の投資比率の合計をプロットしたグラフ

横軸はS&P500の順位です。上位銘柄の影響力が高いことが分かります。

次はS&P500とNASDAQ100が共に投資している銘柄の、NASDAQ100の投資比率の合計をプロットしたものです。

S&P500とNASDAQ100が共に投資している銘柄の、NASDAQ100の投資比率の合計をプロットしたグラフ

順位50番目で約85%になります。でも下位52銘柄(残り15%)の存在が大切なんでしょうね。

ITバブル崩壊時はひどかった

次は1999年4月から2021年6月末までの、SPY(S&P500に連動するETF)とQQQのトータルリターン比較です。縦軸は対数です。

1993年4月から2021年6月末までの、SPY(S&P500に連動するETF)とQQQのトータルリターン比較グラフ

黄色の丸で囲ったところで、ITバブルが崩壊し、NASDAQ100は大暴落しました。

次はQQQトータルリターンの最大下落率をプロットしたものです。

QQQトータルリターンの最大下落率グラフ

ITバブル崩壊時の最大下落率はなんと80.5%でした。そして暴落前の高値を超えるのに、14年半もかかりました。

QQQは暴落からの回復に長期間を要した

ITバブルと同じことが再度起こるかどうかは誰にも分かりませんが、過去にそういうことがあったという事実は、忘れない方がいいですね。

それでもNASDAQ100が魅力的なら

主力ファンドはスリム米国株式(S&P500)だけど、NASDAQ100の素晴らしすぎるパフォーマンスが魅力的なので、つみたてNISA適格ではないけれども、iFree NEXT NASDAQ100にも投資する、というのは良い選択肢になると思います。その場合、投資比率をどうするかに正解はありませんが、基本的にはつみたてNISAの非課税枠を埋めてなお資金に余裕がある場合に、自分が追うリスクを考慮して決めればいいでしょう。

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