現在の気持ち悪いぐらいの強気相場は、完全に予想外でした。そもそも僕には予知能力がないことが証明されているので、予想は外れて当然ですが、著名なアナリストですら大きく外しました。その道のプロでさえ、相場の予想は難しいということです。
次はeMAXIS Slim先進国株式の、2018年以降の基準価額の推移です。2018年を黄色に塗ってあります。
2018年10月に世界同時株安が始まり、クリスマスに急落したことから、ビビってしまった受益者もいるかも知れません。逆に、絶好の買い場が到来したと追加投資を行った人もいることでしょう。
ここで2018年年初からeMAXIS Slim先進国株式に積立投資していた二人に登場して頂きます。
- Aさん:積立設定を解除しませんでした。
- Bさん:2019年3月から積立設定を解除しました。
Bさんは、2019年は弱気相場になり、暴落が近いはずだから、暴落してから積立投資を再開すれば良いと考えたのでした。
積み立てシミュレーション
次はAさんの積み立てシミュレーションです。毎月初に5万円積み立てています。
次はBさんの積み立てシミュレーションです。
元本を示す灰色のラインが、2019年3月から増えなくなっています。
結果はこうでした。
利益率はBさんの方が高いですが、評価額は(当然ですが)Aさんの方が多いです。これは利益率を競うゲームではありませんし、ふたり共、インデックス投資の目的は資産形成ですから、評価額が重要です。
強気相場がいつまで続くか分からない
いくらなんでも現在の強気相場が、2020年を通してずっと続くとは思えないのですが、これまた2019年同様に外れるかも知れません。Aさんは積立設定を解除していないので、そのまま何もしなくていいのですが、問題はBさんです。Bさんの予想に反した強気相場が続く限り、積み立てを再開するのは心理的に困難です。なぜなら、暴落してから再開すれば良いとの判断が間違いだったことを認めて、渋々積み立てを再開することになるからです。
そうとは限らないだろうと思いますか。確かにそういう人もいるでしょう。それなら、自分の予想が外れたと分かった時点で再開できますね。
よく言われるのは、安くなってから買えば良いと考えると、いつまでたっても買うことができず(安くならないから)、機会損失につながるという話です。相場は読めないし、売買のタイミングを見計らうのは困難なので、普通に積立投資を継続するのが最も無難だと言われます。僕もそう思います。
もしも2020年がこうだったら
もし2020年の3月に暴落が始まるものの、急速に回復して年末には最高値を更新するとしたらどうでしょうか。
Aさんは何もしません。問題はBさんです。どのタイミングで積立投資を再開できるでしょうか。暴落の底を狙うのはまず無理なので、どこかで買い始めるしかありません。
ではほぼ底値の5月から再開できたとしましょう。結果です。
利益率はBさんの方が高いですが、評価額は(当然ですが)Aさんの方が多いです。
結論:相場を気にせず積立投資を継続した方が賢明です
インデックス投資の期待リターンは高くても6%程度、7%以上あると言われたら詐欺の可能性が高いです。(そうすると最近流行りのレバレッジ型は詐欺ってことになりますが、それは脇に置いておきます。)ならば、資産形成のためには元本を増やすことが重要です。つまり、買わないと資産は増やせないということです。いわゆる「買い持ち」が最良の手段です。
一括投資できるまとまった資金が手元にない場合は、積立投資するしかありません。たまに積立投資を馬鹿にする人がいるようですが、そういう意見は無視しましょう。長期間積立投資を継続できた人は報われる可能性が高いです。