インデックス投資

2021年に毎営業日積み立てを選択した人は損しています

困ったことに、毎営業日積み立てが毎月初積み立てより有利だとミスリードする記事や、宣伝文句があります。どちらが有利かは基準価額の値動きによります。比較期間において強気相場が優勢なら毎月初積み立てが有利です。弱気相場またはボックス相場が優勢なら、毎営業日積み立てが有利です。これは理論上でも、実際のデータでもそうなることが実証されています。

2021年に毎営業日積み立てを選択した人は、半年が経過した時点だと、一部の例外を除いて、損しています。

以下、この記事は2021年の前半6ヶ月の実績に関するものです。

究極の時間分散投資ですと?

次の魅力的に思える言葉を鵜呑みにして「毎営業日積み立て」を優位誤認している人もいるかも知れません。

引用:SBI証券

「究極の時間分散投資」が真実だとしても、それが毎月初積み立てより得すると主張されてはいません。これは単なるセールストークです。

つみたてNISAの場合

楽天証券かSBI証券のつみたてNISAで、毎営業日積み立てを選択している人もそれなりにいると思われます。(楽天証券で毎営業日積み立てが選択できるのは、つみたてNISAだけです。)

つみたてNISAは非課税枠40万円ごとに、買い付けできる期間が限定されています。2021年を例にあげると、1年間の毎営業日積み立てと毎月初積み立てで生じた平均取得価額の差は、20年の非課税期間通して不変です。もし、2021年度最後の買い付けを終えた時の平均取得価額の差が0.4%だったとすると、その後基準価額がどう変化しようが、その非課税枠についてはリターン差0.4%が維持されます。

毎営業日積み立て vs 毎月初積み立て

営業日の数は月によって変化します。投資元本を同じにするため、次の方法で比較します。

  • 毎営業日に1,000円を積み立てます。
  • 毎月初営業日にその月の営業日日数×1,000円を積み立てます(月末時点で投資元本は同じになります。)
  • 毎月初積み立ての約定日は、海外資産を含む場合は翌営業日です。
  • 2021年1月4日から2021年6月30日を対象期間とします。
  • 2021年6月30日約定時点における利益率が高い方が、有利だったと判定します。

主な資産クラスに投資する商品と人気商品を僕の好みで選びました。つみたてNISA適格でないものもあります。

絶好調すぎる2021年

2021年の前半は株式相場がありえない程絶好調です。スリム米国株式(S&P500)のリターンは23.3%、オール・カントリーは20.6%もあります。まだ名前がないバブルなのかも知れません。

この半年間、毎営業日積み立てと毎月初積み立てのどちらが有利なのか、人気商品で確認します。

積み立て投資の結果のリターン差の数値は、赤枠で囲ったところにあります。

リターン差の見方

スリム全世界株式(オール・カントリー)

次はスリム全世界株式(オール・カントリー)の、2021年年初から6月末までのリターンの推移です。

スリム全世界株式(オール・カントリー)の、2021年年初から6月末までのリターンの推移グラフ

変動はあるものの、上昇し続けています。絶好調です。

次は積み立てシミュレーションです。6月末日の評価額を見ています。

スリム全世界株式(オール・カントリー)の積み立てシミュレーション結果のグラフ

青のラインは毎月初積み立てー毎営業日積み立てです。月末に算出しているので、初月(黄色で塗ったところ)は空白です。プラス圏にあれば毎月初積み立てが有利です。この場合はずっと毎月初積み立てが有利でした。

基準価額が右肩上がりで上昇しているなら、毎月初積み立てが有利です。1.67%ポイントもの差が生まれています。2021年前半は、その典型的な例です。

スリム米国株式(S&P500)

次はスリム米国株式(S&P500)の、2021年年初から6月末までのリターンの推移です。

スリム米国株式(S&P500)の、2021年年初から6月末までのリターンの推移グラフ

次は積み立てシミュレーションです。

スリム米国株式(S&P500)の積み立てシミュレーション結果のグラフ

毎月初積み立ては毎営業日積み立てより1.61%ポイントも有利でした。

ひふみプラス

次はひふみプラスの、2021年年初から6月末までのリターンの推移です。

ひふみプラスの、2021年年初から6月末までのリターンの推移グラフ

これはひどいですね。次は積み立てシミュレーションです。

ひふみプラスの積み立てシミュレーション結果のグラフ

値動きから想像できる通り、毎月初積み立てと毎営業日積み立てに大きな差はなく、毎月初積み立てがわずかに(0.45%ポイント)有利でした。

結果発表

数字は毎月初積み立ての利益率、毎営業日積み立ての利益率、利益率の差(毎月初ー毎営業日、単位は%ポイント)です。利益率の差がプラスなら、毎月初積み立ての方が有利です。

利益率の差が大きい順(毎月初積み立てがより有利な順)に並べています。

シミュレーション結果一覧表

毎営業日積み立てが有利なのは、一部の資産クラスに投資する商品だけです。人気の高い資産クラスだと、毎月積み立ての方が1%ポイント以上有利でした。

このリターン差(利益率の差)、どうでもいいと思いますか?信託報酬の0.1%の違いを大きく感じるなら、運用期間に関わらず固定の差であっても気になると思います。何しろ追うリスクは同じ、積み立て方だけで生まれた差なのですから。

なお、2021年はまだ半年あります。ここから弱気相場に転じて右肩下がりが続くと、毎営業日積み立てが有利でしたとなる可能性もあります。

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