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iFreeレバレッジS&P500の運用コストと評価

iFreeレバレッジS&P500は、S&P500種指数の日々の値動きの2倍程度を目指す、ブル型のファンドです。公式にはベンチマークがないので、インデックスファンドではありません。

レバレッジをかけると変動率(ボラティリティー)が跳ね上がります。特性を良く理解した上で利用しないとやけどしてしまいます。

iFreeレバレッジS&P500

2018年8月31日に税抜き信託報酬0.9%で設定されました。高いですね。レバレッジのかかっていないiFree S&P500の税抜き信託報酬は0.225%ですからぴったり4倍です。

また購入時手数料税抜き2.0%が設定可能で、証券会社を選ばないとしれっと徴収されます。

もちろん、つみたてNISA適格ではありません。

運用コスト

次は運用報告書から計算したトータルコストです。

iFreeレバレッジS&P500のトータルコスト表

運用報告書にある数値を信じるなら隠れコストは0.0662%と低廉です。売買手数料や保管費用が高額で、隠れコストを見てびっくりすることも少なくないわけですが、iFreeレバレッジS&P500は優秀でした。(なお、レバレッジをかけることで生じる金利は運用報告書には出てこないものと思われます。)

でも税抜き信託報酬が0.9%なのでトータルコストが高いことは確かです。が、なんでもかんでもスリムシリーズ並みでないとダメと言うことではありません。その資産クラスの特性、事情、他社商品との競争を含めて判断すべきです。それでも僕は税抜き0.9%は高額で、せいぜい0.6%程度なら良かったのにと思います。

SPUUとVOOのトータルリターン比較

S&P500でブル型と言えばSPXL(Direxion社のETF)が超有名です。これは3倍です。2倍はSPUUですが、SPUUは楽天証券、SBI証券、マネックス証券では買えません。

SPUUの経費率は0.64%と安くはありません。

次はSPUUトータルリターンと、レバレッジのかかっていないVOOトータルリターンの比較です。SPUUが設定直後を避けた2014年6月10日から2020年9月30日までです。

SPUUとVOOのトータルリターン比較グラフ

赤のラインがSPUU、緑のラインがVOOです。青のラインはリターン差で、SPUUーVOOです。

株価が上昇できなかった2017年より前はVOOに負けることもありました。2017年以降の強気相場では凄まじい上昇率ですが、下落率も同様に凄まじいです。赤の矢印のブラッククリスマスではVOOよりわずかにプラスでしたが、青の矢印のコロナショックによる株価暴落ではVOOに負けました。

この乱高下に耐えられない人はレバレッジ型に手を出してはいけません。

このグラフから、S&P500の上昇局面では高いリターンが期待できるものの、下降局面では含み益を急速に溶かしてしまうことが分かります。僕には長期保有向きの資産とは思えません。

SPUUトータルリターンとiFreeレバレッジS&P500のリターン比較

次はSPUUトータルリターンとiFreeレバレッジS&P500の比較です。iFreeレバレッジS&P500の設定日直後を避けた2018年9月18日から、2020年9月30日までです。

SPUUトータルリターンとiFreeレバレッジS&P500のリターン比較グラフ

赤のラインがiFreeレバレッジS&P500です。青のラインはiFreeレバレッジS&P500ーSPUUトータルリターンです。レバレッジ型であることを考えると、両者にほとんど差はないと言っていいでしょう。

よって、iFreeレバレッジS&P500の運用は期待通りであると判断します。

iFreeレバレッジS&P500とiFree S&P500の比較

次はレバレッジのかかっていないiFree S&P500とのリターン比較です。

iFreeレバレッジS&P500とiFree S&P500の比較グラフ

iFreeレバレッジS&P500は強気相場ではiFree S&P500を突き放しますが、株価下落時には泣きたくなるほど下がります。精神的に相当タフでないと耐えられないでしょうね。

次はリスク比較です。日々の値動きの2倍を目指すのでリスクは高くなります。

iFreeレバレッジS&P500とiFree S&P500のリスク比較グラフ

結局、この比較期間だとiFreeレバレッジS&P500の良さを感じることができません。日々の値動きの2倍程度を目指すのに、どうしてこういう結果になるのか疑問に思う人も多いことと思います。それについてはiFreeレバレッジS&P500の目論見書にとても丁寧な説明があります。

でも話はこれで終わりません。

積み立てシミュレーション

ボラティリティーが高い商品は、低い商品よりも積立投資が有利に働くことがあります。基準価額が下落した時により多くの口数を買うことができるからなのですが、条件がひとつあります。解約時の基準価額が比較対象より低くないこと、です。

次はiFree S&P500とiFreeレバレッジS&P500に、2018年9月から毎月初5万円、積み立て投資をしたシミュレーション結果です。購入時手数料が無料の証券会社を利用している場合です。

iFree S&P500とiFreeレバレッジS&P500の積み立て投資シミュレーションのグラフ

緑のラインがiFreeレバレッジS&P500です。2020年9月30日における税引き前利益率は、iFree S&P500が12.4%、iFreeレバレッジS&P500が21.7%でした。

でも、これからもこのようにうまく行く保証はありません。

不人気です

次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は23.55億円です。

左端が浮いているのは、設定時の純資産総額がぴったり3億円あったためです。おそらく運用側による初期投資と思われます。

iFreeレバレッジS&P500は不人気ですね。でも2ヶ月遅れて設定されたiFreeレバレッジNASDAQ100は人気急上昇中です。

iFreeレバレッジNASDAQ100もプロットしたグラフ

iFree NEXT NASDAQ100の純資産総額は310億円です。これは2019年12月からNASDAQ100が、S&P500を凌駕する驚異的なパフォーマンスを見せていることに起因していると思われますが、逆にそんなにリスクを取って大丈夫なの、と心配になってしまいます。

評価:高コストで不人気ですが運用は期待通りです

iFreeレバレッジS&P500は高コストですが、それは高い信託報酬によるものです。隠れコストは低く、運用は期待通りです。目論見書通りで、僕は高く評価しています。

購入時手数料が税抜き2.0%もかかるというデメリットがありますが、現在では証券会社を選べば無料なので、これは気にしなくていいでしょう。

不人気なのが気になりますが、それはiFree NEXT NASDAQ100に資金が流れたからかも知れません。現在の経済状況ではやむを得ないでしょうね。

iFreeレバレッジS&P500はレバレッジ型ゆえ、投資するとしてもポートフォリオの一部にとどめた方がいいでしょう。レバレッジ型商品に興味があるけど、3倍ブル型のSPXLに挑戦するまでの気はない、2倍ブル型のSPUUは日本の証券会社で扱っていない、なら高コストだけど100円から気軽に投資できるiFreeレバレッジS&P500でハイリスク・ハイリターンの取引を楽しむのもいいかな、と思う人もいるでしょう。

うまく活用できれば、ポートフォリオの利益率を改善できると思います。でもリスクの取り過ぎには注意した方がいいですね。

なお僕はS&P500連動インデックスすら買っていないので、iFreeレバレッジS&P500に手を出すことはありません。

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