インデックス投資

株式に債券を混ぜるメリットを教えて下さい:VT+BND編

株式のみに投資するのではなくてある比率で債券も混ぜることで、リターンをあまり下げないで、リスクを下げられます、というような話を聞いたことがあるかも知れません。では、人気の高い米国籍ETFであるVT(全世界株式)とBND(米国債券)を組み合わせた場合、どのようなメリットが得られたでしょうか。

BNDとは

BNDはバンガード社が運用している米国籍ETFで、残存期間が1年から10年の米国債券に投資します。平均デュレーションは6年程度で、債券金利が1%変動すると債券価格は6%程度変動するのが期待値です。

シミュレーション方法

  • VT、BND共に配当金(米国で10%課税後)を再投資した、トータルリターンを参照します。円換算しています。
  • この記事では単にVT、BNDと書きますが、どちらもトータルリターンです。
  • VTとBNDを指定した比率で購入します。年1回の頻度でリバランスを行います。
  • 比較期間は2008年7月1日から2021年3月31日までです。

VTとBNDのリターン比較

次はVTとBNDのリターン比較です。

VTとBNDのリターン比較グラフ

赤のラインがVT、緑のラインがBNDです。BNDの値動きがとても小さいことが分かります。

VT+BND

VTとBNDを80:20で混ぜた場合

次はVTとBNDを80:20で混ぜたものと、VTの比較です。

VTとBNDを80:20で混ぜたものと、VTのリターン比較グラフ

赤のラインがVT、緑のラインがVT+BNDです。青のラインはリターン差で、VTーVT+BNDです。

青のラインが右肩下がりの期間は、BNDを混ぜたことでリターンが改善されたことを意味します。が、それは株価暴落時、株価調整時の限られた期間でしか観測されません。長い目で見れば、青のラインの傾向は右肩上がりで、BNDを混ぜたことによるリターンの改善効果はわずかでした。

が、この比率ならリターンに大きな差はなかったと言えるかも知れません。コロナショックによる株価暴落後のバブリーな強気相場により、現在では差が開いているものの、次の暴落か調整で差が縮まる気がします。

次は月次で求めたリスク(変動率)を年率換算したものの比較です。

月次で求めたリスクを年率換算したものの比較グラフ

値動きの小さいBNDを混ぜることで、変動率は下がります。

次はシャープレシオを比較したものです。

シャープレシオを比較したグラフ

VT+BNDの方が、シャープレシオが高いです。

VTとBNDを70:30で混ぜた場合

次はVTとBNDを70:30で混ぜたものと、VTの比較です。

VTとBNDを70:30で混ぜたものと、VTのリターン比較グラフ

青のラインの傾向は同じですが、振れ幅が大きくなりました。

VTとBNDを60:40で混ぜた場合

次はVTとBNDを60:40で混ぜたものと、VTの比較です。

VTとBNDを60:40で混ぜたものと、VTのリターン比較グラフ

青のラインの傾向は同じままで、さらに振れ幅が大きくなりました。

2019年年初からの比較

コロナショックによる株価暴落と、そこからの回復の様子を観察します。

VTとBNDを80:20で混ぜた場合

VT+BNDの方が暴落時の下落率は低いですが、すぐに追い抜かれてしまっています。

VTとBNDを80:20で混ぜたものと、VTのリターン比較グラフ、2019年年初から

VTとBNDを70:30で混ぜた場合

VT+BNDは確かにリスクを下げられるけど、リターンはVTにかなわないです。

VTとBNDを70:30で混ぜたものと、VTのリターン比較グラフ、2019年年初から

VTとBNDを60:40で混ぜた場合

BNDが4割もあるとVTのリターンの高さというメリットをかなり落としてしまいます。

VTとBNDを60:40で混ぜたものと、VTのリターン比較グラフ、2019年年初から

結論

VTにBNDを混ぜるメリットです。

  • リスク(変動率)が減ってシャープレシオが改善されます。
  • 暴落時の下落率が小さくなるので、(相対的に)精神的ダメージが小さくてすみます。

次はデメリットです。

  • リターンを改善できる効果はあってもその期間は限定的です。
  • 長期で見ると、リターンはVTに劣後すると思われます。

VTとBNDという、実在する商品のデータを使ったシミュレーションからは、僕はBNDを混ぜるメリットをあまり感じませんでした。確かにリスクが抑えられるので、暴落時の下落率の高さに慣れていない人にはいいかも知れませんが、そういう人はそもそもVTを買わないのでは?と思ってしまいます。

また、VTにBNDを混ぜることでリターンが改善される効果は限定的なので、VTの高いリスク(変動率)に耐えられるのであれば、BNDを混ぜるメリットはないですね。

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