インデックス投資

eMAXIS国内リートの運用コストと評価

eMAXIS国内リートは2009年10月から、低コストで国内リートに投資する手段を提供してきました。が、信託報酬を引き下げないeMAXISシリーズに対し、より安価な信託報酬の選択肢がたくさんある現在、eMAXIS国内リートは過去の商品です。

それを決定付けたのは、eMAXIS国内リートの廉価版であるスリム国内リートです。

eMAXIS国内リート

2009年10月28日に税抜き信託報酬0.40%で設定されました。当時最安水準だったSMT J-REITインデックスと同率でしたが、合わせたわけではないでしょう。以来、信託報酬は引き下げられていません。

ベンチマークは東証REIT指数です。購入時手数料はゼロですが、解約時信託財産留保額0.1%が設定されています。

国内リートインデックスは株式に投資しないため、つみたてNISA適格要件を満たせません。そのため、eMAXIS国内リートはつみたてNISA適格ではありません。

またiDeCoナビによると、三菱UFJ銀行/三菱UFJ信託銀行【ライトコース】で扱われています。

運用コスト

次は運用報告書から計算したトータルコストです。

運用報告書から計算したトータルコスト表

eMAXIS国内リートの隠れコストは、株式インデックスのものより一桁安いです。それは投資対象が、国内リートの投資信託証券であるためだと思われます。

リターン比較

いろんなファンドのリターン比較をしてきましたが、国内リートインデックスのリターン比較結果は「おかしい」です。が、基準価額データにはあらゆるコストが反映されているので、比較結果を尊重します。

前フリ

次はFunds-i 外国株式の設定直後を避けた、2010年12月10日から2021年2月19日までの、eMAXIS先進国株式との比較です。信託報酬はFunds-i 外国株式の方が0.05%ポイント安いです。

Funds-i 外国株式とeMAXIS先進国株式のリターン比較グラフ

青のラインはFunds-i 外国株式ーeMAXIS先進国株式です。トータルコストは変動しますが、現物株運用でベンチマークに忠実な運用が想定される場合、リターン差はこのようにきれいな形状になります。

Funds-i J-REITとの比較

次はFunds-i J-REITの設定直後を避けた、2010年12月10日から2021年2月19日までの、eMAXIS国内リートとの比較です。税抜き信託報酬は共に0.40%です。

eMAXIS国内リートとFunds-i J-REITのリターン比較グラフ

青のラインはFunds-i J-REITーeMAXIS国内リートです。明らかに、Funds-i J-REITの方がリターンが高いです。普通に考えると、Funds-i J-REITの方が低コストということになります。

SMT J-REITインデックスとの比較

次は同じ期間における、SMT J-REITインデックスとeMAXIS国内リートの比較です。税抜き信託報酬は共に0.40%です。

SMT J-REITインデックスとeMAXIS国内リートのリターン比較グラフ

青のラインはeMAXIS国内リートーSMT J-REITインデックスです。明らかに、eMAXIS国内リートの方がリターンが高いです。また、コロナショックによる株価暴落前後の様子が、ひとつ前のグラフと違います。

ニッセイJリートとの比較

次はニッセイJリートの設定直後を避けた、2013年7月16日から2021年2月19日までの、eMAXIS国内リートとの比較です。信託報酬はニッセイJリートの方が安かったのですが、eMAXIS国内リートの方がリターンが高いです。

eMAXIS国内リートとニッセイJリートのリターン比較グラフ

青のラインはeMAXIS国内リートーニッセイJリートです。コロナショックによる株価暴落前後の様子が、eMAXIS国内リートとFunds-i J-REITの比較結果と違います。

リファレンスにできるものがない

配当金を再投資した東証REITの指数データが手に入らないため、リファレンスにできるものがありません。株式インデックスの場合、指数(ベンチマーク)に忠実な運用をしていると思われる商品が多いため、各商品の基準価額データを比較する「多数決」が通用しますが、国内リートはそうではないです。運用報告書から計算したトータルコストに符合しないことが多いです。

Funds-i J-REITとの比較(2020年以降)

次は2020年年初からの、Funds-i J-REITとeMAXIS国内リートの比較です。右軸のスケールを変更しています。

コロナショックによる株価暴落時に大きな段差ができていますが、それを除くとおおむねFunds-i J-REITの方がリターンが高いです。この2商品のベンチマークへの忠実度がどうなのかは、僕らには分かりませんが、同程度に忠実とするならば、Funds-i J-REITの方が低コストのはずです。

売れ行きは

次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は168億円です。

設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

実際のリターンはともかく、信託報酬が安い選択肢がいくつもあるので、eMAXIS国内リートは良くても頭打ちの傾向が続くと思います。

次はFunds-i J-REITとスリム国内リートもプロットしたものです。

Funds-i J-REITとスリム国内リートもプロットしたグラフ

緑のラインがFunds-i J-REIT、青のラインがスリム国内リートです。eMAXIS国内リートとFunds-i J-REITの資金流出入の様子が良く似ていることにびっくりします。

評価:買う価値ありません

eMAXIS国内リートよりFunds-i J-REITの方がリターンが高い(運用報告書から計算したトータルコストは変わらないのですが)です。そして不思議なことに現状、Funds-i J-REITとスリム国内リートのリターンは互角です。よって、スリムシリーズ嫌いでなければ、スリム国内リートがいいです。スリムシリーズが嫌いなら、Smart-i Jリートがいいです。Funds-i J-REITも選択肢になるかも知れません。いずれにしても、eMAXIS国内リートを買う価値はありません。

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