インデックス投資

eMAXIS Neo遺伝子工学の運用コストと評価

遺伝子工学関連企業に投資したいけど、個別株を選択する高いリスクは避けたいという人にとって、eMAXIS Neo遺伝子工学は手軽に投資できる、この上なく都合が良い商品です。一般的な資産クラスに投資するインデックスファンドと比べると、信託報酬は高く感じますが、相応のパフォーマンスが出るなら気にならない水準だと思います。

問題はパフォーマンスです。素晴らしい未来が待っているとしても、それはまだ先のようです。

eMAXIS Neo遺伝子工学

2018年8月6日に税抜き信託報酬0.72%で設定されました。eMAXIS Neoシリーズの第一弾の3商品のうちの1本です。S&P Kensho Genetic Engineering Indexに連動するインデックスファンドで、日本を含む世界各国の遺伝子工学関連企業に投資します。信託報酬はちょっと高めですが、現物株運用でノーロード、解約時信託財産留保額はゼロ、信託期間無期限と期待通りの組成です。

ベンチマークであるS&P Kensho Genetic Engineering Indexは、つみたてNISAの指定インデックスではないので、eMAXIS Neo遺伝子工学はつみたてNISA適格ではありません。

S&P Kensho Genetic Engineering Index

テーマ型ファンドの場合、投資対象をどう選択するかがキモになります。S&P Kensho Genetic Engineering IndexはKensho社がAIを活用して作成しています。

S&P Kensho Genetic Engineering Indexの説明文

引用:目論見書

現在54銘柄に投資しており、その約87%が米国企業です。"Modified equal weighted"であり、均等配分だと1銘柄1.8%程度になりますが、投資割合1位が4.5%でそこから徐々に減るようです。

次はeMAXIS Neo遺伝子工学の組み入れ上位10銘柄です。

eMAXIS NEO遺伝子工学の組み入れ上位10銘柄とその比率の表

右端の列は、NASDAQバイオテクノロジー指数に連動するETF(IBB)の投資対象287銘柄の順位です。S&P Kensho Genetic Engineering Indexは、NASDAQバイオテクノロジー指数よりも尖った(対象分野を絞り込まれた)指数だと思われます。

こちらの資料で、eMAXIS Neo遺伝子工学の投資対象銘柄が紹介されています。

運用コスト

次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。eMAXIS Neoロボットと比較しています。

運用報告書から計算したトータルコスト表

eMAXIS Neo遺伝子工学は隠れコストが高めです。次は隠れコストの明細です。eMAXIS Neoロボットと比べて高さが目立つ項目を赤字にしています。

隠れコストの明細表

売買委託手数料と保管費用が高いです。もう少し抑えて欲しいところですね。

トータルコストは1.1%程度と高く感じますが、遺伝子工学という尖ったテーマに投資して、期待通りのパフォーマンスが得られるなら許容できるでしょうか。

リターン比較

ベンチマークとの比較

こちらでS&P Kensho Genetic Engineering Indexのデータがダウンロードできます。次はそのベンチマーク(トータルリターン)を円換算したものと、eMAXIS Neo遺伝子工学のリターン比較です。eMAXIS Neo遺伝子工学の設定直後を避けた2018年8月28日から2020年12月30日までです。

青のラインはベンチマークーeMAXIS Neo遺伝子工学です。期待通り右肩上がりの直線です。その傾きが、eMAXIS Neo遺伝子工学の運用コストを示しています。なお、株価暴落時に凹んでいるのは正常です。

次はベンチマークの運用コストを年率1.3%ポイント増量したものとの比較です。

ベンチマークの運用コストを年率1.3%ポイント増量したものとの比較グラフ

青のラインはほぼフラットになりました。運用報告書から計算したトータルコストからすると、1.1%程度の増量でいいはずなのですが、それでは足りませんでした。運用報告書には表れていないコスト(あるいはリターンを劣化させる要因)があるのかも知れません。

スリム米国株式(S&P500)との比較

テーマ型ファンドに投資するのですから、S&P500種指数には負けたくないところでしょう。次は2018年8月28日から2021年1月22日までの、スリム米国株式(S&P500)との比較です。

スリム米国株式(S&P500)とeMAXIS NEO遺伝子工学のリターン比較グラフ

赤のラインがスリム米国株式(S&P500)です。青のラインはスリム米国株式ーeMAXIS Neo遺伝子工学です。赤の矢印の位置の株価暴落前は、S&P500の方が高パフォーマンスでした。が、株価暴落後は伸びが良く、直近ではS&P500より高パフォーマンスです。

この比較期間だと、eMAXIS Neo遺伝子工学への投資を継続するのは苦しかったと思われます。でも、新型コロナウイルスのワクチン事情もあって、ここからグングン伸びるかも知れません。

iFree NEXT NASDAQバイオテクノロジーとの比較

次はiFree NEXT NASDAQバイオテクノロジーの設定直後を避けた、2018年9月20日から2021年1月22日までの、eMAXIS Neo遺伝子工学との比較です。

iFree NEXT NASDAQバイオテクノロジーとeMAXIS NEO遺伝子工学のリターン比較グラフ

赤のラインがeMAXIS Neo遺伝子工学です。青のラインはeMAXIS Neo遺伝子工学ーiFree NEXT NASDAQバイオテクノロジーです。

この比較期間だと互角と言えますが、直近はeMAXIS Neo遺伝子工学の伸びが目立ちます。

ベンチマークとIBBトータルリターンの比較

S&P Kensho Genetic Engineering Indexのデータは2013年6月18日からあるので(そんな昔からあったのですね)、せっかくですからNASDAQバイオテクノロジー指数に連動するIBBのトータルリターンと比較しました。2020年12月30日までです。

ベンチマークとIBBトータルリターンの比較グラフ

赤のラインがベンチマークです。青のラインはベンチマークーIBBトータルリターンです。

2017年までは互角でしたが、2018年に差が広がります。でもその差は一方的には広がりませんでした。

このグラフから得られる印象と、eMAXIS Neo遺伝子工学とiFree NEXT NASDAQバイオテクノロジーの比較グラフから得られる印象が合わない人も多いことと思います。次は比較開始を2018年9月20日に変更したものです。

ベンチマークとIBBトータルリターンの比較グラフ、2018年9月20日から

そっくりになりました。リターン比較は切り取る期間でその印象が大きく変わる良い実例ですね。

SMT MIRAIndexバイオ・メディカル

SMT MIRAIndexバイオ・メディカルはテーマ型インデックスファンドです。次はSMT MIRAIndexバイオ・メディカルの設定直後を避けた、2019年4月10日から2021年1月22日までの比較です。

SMT MIRAIndexバイオ・メディカルとeMAXIS NEO遺伝子工学のリターン比較グラフ

赤のラインがeMAXIS Neo遺伝子工学です。青のラインはeMAXIS Neo遺伝子工学ーSMT MIRAIndexバイオ・メディカルです。

この比較期間だと時期によって優劣はあるものの、互角と言っていいでしょう。でも直近はeMAXIS Neo遺伝子工学の伸びが目立ちます。

不人気です

次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は17.97億円です。なお、グラフからは初期投資の3億円を除外してあります。

人気は頭打ちです。どうしてもパフォーマンスの高い商品が人気を集める傾向が強いので、現状だとこうなってもしょうがないですね。

次はiFree NEXT NASDAQバイオテクノロジーとSMT MIRAIndexバイオ・メディカルもプロットしたものです。設定日の(運用側の初期投資を含んだ)純資産総額からスタートさせているので、みな左端が浮いています。

iFree NEXT NASDAQバイオテクノロジーとSMT MIRAIndexバイオ・メディカルもプロットしたグラフ

緑のラインがiFree NEXT NASDAQバイオテクノロジー、青のラインがSMT MIRAIndexバイオ・メディカルです。こうして見ると、eMAXIS Neo遺伝子工学はまだ売れている方だと分かります。

評価:遺伝子工学の未来に賭けるなら良い選択かも

遺伝子工学の未来に、S&P Kensho Genetic Engineering Indexが将来大きなリターンをもたらしてくれることに賭けるなら、eMAXIS Neo遺伝子工学は良い選択かも知れません。トータルコストはもう少し抑えて欲しいところです。

現在は不人気なので、繰上償還のリスクが気になります。人気が出る前から凡庸なパフォーマンスに我慢しつつ投資をし、パフォーマンスが素晴らしいものになって人気が出た時に大きなリターンを手にするというのは、簡単ではないですね。

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