インデックス投資

eMAXIS Neoナノテクノロジーの運用コストと評価

eMAXIS Neoナノテクノロジーはナノテクノロジー関連企業への投資に特化したインデックスファンドです。個別株を通して投資する高いリスクを取ることなく、投資信託として手軽に投資できます。

でも、連動する指数が選択した銘柄が将来、大きなリターンをもたらしてくれるかどうかは、未来にならないと分かりません。

更新情報

参照しているデータを最新版に更新しています。

eMAXIS Neoナノテクノロジー

2018年12月3日に税抜き信託報酬0.72%で設定されました。eMAXIS Neoシリーズ第二弾の3商品のうちの1本です。S&P Kensho Nanotechnology Indexに連動するインデックスファンドで、日本を含む世界各国のナノテクノロジー関連企業に投資します。信託報酬はちょっと高めですが、現物株運用でノーロード、解約時信託財産留保額はゼロ、信託期間無期限と期待通りの組成です。

ベンチマークであるS&P Kensho Nanotechnology Indexは、つみたてNISAの指定インデックスではないので、eMAXIS NeoナノテクノロジーはつみたてNISA適格ではありません。

S&P Kensho  Nanotechnology Index

テーマ型ファンドの場合、投資対象をどう選択するかがキモになります。S&P Kensho Nanotechnology IndexはKensho社がAIを活用して作成しています。

S&P Kensho  Nanotechnology Indexの説明文

引用:目論見書

現在14銘柄(少ないですね)に投資しており、その約85%が米国企業、約13%がイスラエル企業です。"Modified equal weighted"であり、均等配分だと1銘柄7.1%程度になりますが、投資割合1位は13.2%と偏りがあるようです。

また、こちらの資料によると、2021年6月に銘柄入れ替えを含み定期リバランスが実施され、S&P Kensho Nanotechnology Indexの3銘柄が入れ替わりました。

次はeMAXIS Neoナノテクノロジーの組み入れ上位10銘柄です。全体の約82%を占めます。

eMAXIS Neoナノテクノロジーの組み入れ上位10銘柄と比率表

投資対象銘柄のS&P500種指数における順位と、NASDAQ100指数における順位も載せています。ナノテクノロジー関連企業だけあって、かなり尖った銘柄選択のようですね。

こちらの資料で、eMAXIS Neoナノテクノロジーの投資対象銘柄が紹介されています。

運用コスト

次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。eMAXIS Neo遺伝子工学、eMAXIS Neoロボットと比較しています。

運用報告書から計算したトータルコスト表

eMAXIS Neoナノテクノロジーの隠れコストはeMAXIS Neoシリーズの中では安い方です。

次は隠れコストの明細です。

隠れコストの明細表

売買委託手数料と保管費用が安いです。投資対象銘柄数が少ないからかも知れません。

トータルコストは0.91%と安くはありませんが、ナノテクノロジーという尖ったテーマに投資して、期待通りのパフォーマンスが得られるなら気にならない水準でしょう。なお、僕が探した範囲では、ナノテクノロジー開発企業への投資に特化したファンドは、eMAXIS Neoナノテクノロジー以外に見つかりませんでした。

リターン比較

ベンチマークとの比較

こちらでS&P Kensho Nanotechnology Indexのデータがダウンロードできます。次はそのベンチマーク(トータルリターン)を円換算したものと、eMAXIS Neoナノテクノロジーのリターン比較です。eMAXIS Neoナノテクノロジーの設定直後を避けた2018年12月25日から2021年6月30日までです。

ベンチマークとeMAXIS Neoナノテクノロジーのリターン比較グラフ

青のラインはベンチマークーeMAXIS Neoナノテクノロジーです。期待通り右肩上がりの直線で推移していましたが、2021年2月以降の変動が極端に大きい時期は不自然なリターン差になっています。

次はベンチマークの運用コストを年率1.2%ポイント増量したものとの比較です。

ベンチマークの運用コストを年率1.2%ポイント増量したものとの比較グラフ

青のラインは直近半年を除いてほぼフラットになりました。やはり2021年2月以降の変動が極端に大きい時期は、運用面で問題があったのかも知れません。

運用報告書から計算したトータルコストからすると、0.9%程度の増量でいいはずなのですが、それでは足りませんでした。運用報告書には表れていないコスト(あるいはリターンを劣化させる要因)があるのかも知れません。

スリム米国株式(S&P500)との比較

テーマ型ファンドに投資するのですから、S&P500種指数には負けたくないところでしょう。次は2018年12月25日から2021年7月22日までの、スリム米国株式(S&P500)との比較です。

スリム米国株式(S&P500)とeMAXIS Neoナノテクノロジーのリターン比較グラフ

赤のラインがeMAXIS Neoナノテクノロジーです。2020年9月までは互角でしたが、その後eMAXIS Neoナノテクノロジーは急成長します。この比較期間の利益率は194%です。

でも2021年2月以降は頭打ちになり、S&P500と互角です。これからのことは未来になってみないと分かりません。

ベンチマークとVOOトータルリターンの比較

S&P Kensho Nanotechnology Indexはデータは2016年6月1日に作成開始されました。せっかくですからS&P500種指数を代表するVOOトータルリターンと比較しました。2021年6月30日までです。

ベンチマークとVOOトータルリターンの比較グラフ

赤のラインがベンチマークです。青のラインはベンチマークーVOOトータルリターンです。時期によって優劣が入れ替わりますが、2020年9月までは互角でした。その後のベンチマークの伸びは圧倒的でしたが、2021年2月以降は頭打ちになりました。

これからも安定してS&P500をアウトパフォームできるかどうかは誰にも分かりません。

残念な投資家が多いかな

次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は67億円です。なお、グラフからは初期投資の3億円を除外しています。

設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

長らくほとんど売れていませんでしたが、基準価額の急上昇につられる形で急激に資金が流入ました。ところが基準価額の上昇が頭打ちなると手のひらを返すように、資金流出傾向に変わりました。eMAXIS Neoナノテクノロジーは短期売買向きの商品ではないと思うのですが、残念ながらそういう対象だと捉えている投資家がそれなりにいるようです。

短期売買で利益を狙うならもっとそれに適したファンドがあるので、できれば長期投資を嗜好する人に買って欲しいです。

評価:ナノテクノロジー関連企業に投資するなら良い選択肢

eMAXIS Neoナノテクノロジー以外に、ナノテクノロジー関連企業への投資に特化したファンドが見当たらないこと、トータルコストは安くはないもののeMAXIS Neoナノテクノロジーの組成は長期投資向きで好感が持てることから、ナノテクノロジーの未来に賭けるなら良い選択肢だと思います。

テーマ型ファンドのあるあるですが、パフォーマンスが良い時は資金流入が増え、悪くなると資金流出が増えています。もっと長期の目線で、長く買い持ちできる投資家に買って欲しいものです。

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