ロボットはテーマ型ファンドで良く取り上げられる分野ですが、投資対象銘柄を見るとロボットじゃなくて偏ったハイテクじゃね、と思うものもあります。が、eMAXIS Neoロボットの投資対象はそれらしく思えます。
でも、期待するリターン(パフォーマンス)が得られるかどうかは、未来になってみないと分かりません。現在は、ハイテクに負けていて、魅力を感じるのが難しいです。
eMAXIS Neoロボット
2018年8月6日に税抜き信託報酬0.72%で設定されました。eMAXIS Neoシリーズの第一弾の3商品のうちの1本です。S&P Kensho Robotics Indexに連動するインデックスファンドで、日本を含む世界各国のロボット関連企業に投資します。信託報酬はちょっと高めですが、現物株運用でノーロード、解約時信託財産留保額はゼロ、信託期間無期限と期待通りの組成です。
ベンチマークであるS&P Kensho Robotics Indexは、つみたてNISAの指定インデックスではないので、eMAXIS NeoロボットはつみたてNISA適格ではありません。
S&P Kensho Robotics Index
テーマ型ファンドの場合、投資対象をどう選択するかがキモになります。S&P Kensho Robotics IndexはKensho社がAIを活用して作成しています。
引用:目論見書
現在32銘柄に投資しており、その約83%が米国企業です。"Modified equal weighted"であり、均等配分だと1銘柄3.1%程度になりますが、投資割合1位が4.5%でそこから徐々に減るようです。
次はeMAXIS Neoロボットの組み入れ上位10銘柄です。
出典:月次報告書
NASDAQ100指数の採用銘柄と比較したところ、重複するのは1銘柄だけでした。かなり尖った指数のようです。
こちらの資料で、eMAXIS Neoロボットの投資対象銘柄が紹介されています。
運用コスト
次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。
次は隠れコストの明細です。スリム米国株式(S&P500)と比較しています。
売買委託手数料と保管費用が高いですが、人気のS&P500種指数対象株式と同列に比較するのは酷かも知れません。
トータルコストは1%近いですが、ロボットという尖ったテーマに投資して、期待通りのパフォーマンスが得られるなら気にならない水準でしょうか。
リターン比較
ベンチマークとの比較
こちらでS&P Kensho Robotics Indexのデータがダウンロードできます。次はそのベンチマーク(トータルリターン)を円換算したものと、eMAXIS Neoロボットのリターン比較です。eMAXIS Neoロボットの設定直後を避けた2018年8月28日から2020年12月30日までです。
青のラインはベンチマークーeMAXIS Neoロボットです。期待通り右肩上がりの直線です。その傾きが、eMAXIS Neoロボットの運用コストを示しています。なお、株価暴落時に凹んでいるのは正常です。
次はベンチマークの運用コストを年率1%ポイント増量したものとの比較です。
青のラインはほぼフラットになりました。このことから、eMAXIS Neoロボットの運用は安定しており、そのトータルコストは運用報告書通りだと思われます。
スリム米国株式(S&P500)との比較
テーマ型ファンドに投資するのですから、S&P500種指数には負けたくないところでしょう。次は2018年8月28日から2021年1月22日までの、スリム米国株式(S&P500)との比較です。
赤のラインがスリム米国株式(S&P500)です。青のラインはスリム米国株式ーeMAXIS Neoロボットです。直近を除くとS&P500の方が高パフォーマンスです。この比較期間だと、eMAXIS Neoロボットへの投資は期待通りのパフォーマンスを出せていないですね。でもここからグングン伸びるかも知れません。
iFree NEXT NASDAQ100との比較
次はiFree NEXT NASDAQ100の設定直後を避けた、2018年9月20日から2021年1月22日までの、eMAXIS Neoロボットとの比較です。
赤のラインがiFree NEXT NASDAQ100です。青のラインはiFree NEXT NASDAQ100ーeMAXIS Neoロボットです。2020年以降、NASDAQ100指数は絶好調なので、こういう結果になってしまいます。でも直近は、eMAXIS Neoロボットも負けていないことが分かります。
ベンチマークとVOOトータルリターンの比較
S&P Kensho Robotics Indexのデータは2013年6月18日からあるので(そんな昔からあったのですね)、せっかくですからS&P500種指数を代表するVOOトータルリターンと比較しました。2020年12月30日までです。
赤のラインがベンチマークです。青のラインはベンチマークーVOOトータルリターンです。時期によって優劣が入れ替わっており、どちらかが一方的に優位ではないですね。でもロボットの未来はこれからで、今の時期から仕込んでおいた人が、将来大きなリターンを手にするのかも知れません。
iTrustロボとの比較
iTrustロボはテーマ型アクティブファンドです。投資対象を見るとロボットというよりもハイテク銘柄じゃねと思ってしまいます。ここは好みの分かれるところでしょう。
赤のラインがiTrustロボです。青のラインはiTrustロボーeMAXIS Neoロボットです。iTrustロボの圧勝です。
SMT MIRAIndexロボとの比較
SMT MIRAIndexロボはテーマ型インデックスファンドです。投資対象を見ると、これも、ロボットというよりもハイテク銘柄じゃねと思ってしまいます。
赤のラインがSMT MIRAIndexロボです。青のラインはSMT MIRAIndexロボーeMAXIS Neoロボットです。SMT MIRAIndexロボの圧勝です。
不人気です
次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は10.1億円しかありません。なお、グラフからは初期投資の3億円を除外してあります。
人気は頭打ちです。現在のパフォーマンスだとこうなってもしょうがないですね。
純資産総額で見ると、eMAXIS Neoシリーズで最も売れていません。厳しいですが、テーマによって人気に差が出るのは自然なことです。
評価:ロボットの未来に賭けるなら良い選択かも
ロボットの未来に、S&P Kensho Robotics Indexが将来大きなリターンをもたらしてくれることに賭けるなら、eMAXIS Neoロボットは良い選択かも知れません。トータルコストも許容範囲でしょう。ただし、現在不人気なので、繰上償還のリスクが気になります。