eMAXIS NYダウは、eMAXISシリーズの1商品であるため税抜き信託報酬が0.60%と高く、投資するならiFree NYダウの方が良いです。が、iFree NYダウにはつみたてNISA適格ではありません。つみたてNISAで買うなら、eMAXIS NYダウ一択です。
eMAXIS NYダウ
2013年8月7日に税抜き信託報酬0.60%で設定されました。eMAXIS先進国株式などは2009年10月に設定されたので、eMAXISシリーズの後発組になります。信託報酬は設定来、引き下げられていません。
eMAXIS NYダウのスリム版は設定されていません。スリム米国株式(S&P500)があれば十分と考えているようです。
eMAXIS NYダウは指定インデックス投資信託以外で、つみたてNISA適格です。つみたてNISA適格のNYダウ指数連動商品は、eMAXIS NYダウだけです。
運用コスト
次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。
隠れコストは驚くほど低水準です。投資対象銘柄数が30しかないとこの程度しかかからない、ということでしょうか。次は隠れコストの明細です。
リターン比較
DIAトータルリターンとの比較
NYダウ・ジョーンズ工業株価平均(NYダウ)に連動するETFにDIAがあります。eMAXIS NYダウは現物株運用でDIAとは無関係ですが、DIAトータルリターンと比較することで運用コストの大小が分かります。
次は2018年年初から2020年11月30日までの、DIAトータルリターンとの比較です。
次はDIAトータルリターンの運用コストを年率0.63%ポイント増量したものとの比較です。
青のラインはほぼフラットになりました。コロナショックによる株価暴落時に段差ができていますが、他のリターン比較結果から気にしなくていいと思います。
iFree NYダウとのリターン比較
次はiFree NYダウとのリターン比較です。iFree NYダウの設定直後を避けた、2016年10月3日から2020年12月11日までです。
赤のラインがiFree NYダウです。青のラインはiFree NYダウーeMAXIS NYダウです。きれいな右肩上がりの直線です。株価暴落時に凹んでいるのは正常です。
次はiFree NYダウの運用コストを年率0.43%ポイント増量したものとの比較です。
青のラインはほぼフラットになりました。株価暴落時の段差もありません。こんな結果、まぐれでは得られません。
この運用コストの増量分は、運用報告書から計算したトータルコスト差に符合します。
微妙な売れ行き
次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は179億円です。
スリムシリーズに廉価版が設定されていないこと、つみたてNISA適格なのがeMAXIS NYダウだけであることを考慮すると、資金流入が継続しているのは納得できます。
青の矢印の位置でコロナショックによる株価暴落が始まりましたが、そのタイミングで急激に買われています。この現象は他のNYダウ連動商品にも見られました。が、6月頃をピークに資金流出傾向です。
スリム米国株式(S&P500)の純資産総額は2,100億円を超えているので、資産クラスで考えるとNYダウはS&P500に歯が立ちません。でもeMAXIS NYダウは一定の人気を獲得しており、(今ではすっかり高コストになった)eMAXISシリーズにおいてその役目を果たしていると言えるでしょう。
スリムシリーズには設定しないの?
三菱UFJ国際投信主催のブロガーミーティングで質問しました。
スリムシリーズのラインナップはとりあえず完成したとのことですが、eMAXIS NYダウのスリム版の予定はないのでしょうか?
ラインナップが完成というのは、eMAXIS Slim国内リートとeMAXIS Slim先進国リートを追加したのを受けての説明でした。で、この質問には代田常務執行役員から直球の回答を頂きました。
S&P500で十分だと思いませんか?
そうですね。十分ですね。
評価:つみたてNISAで買うならeMAXIS NYダウ一択です
ダウ指数連動インデックスファンドで、つみたてNISA適格なのはeMAXIS NYダウだけなので、当然そうなります。特定口座で買うなら、iFree NYダウの方が低コストでおすすめです。