我が家のリスク資産は100%eMAXIS Slim先進国株式です。つまり100%先進国株式ですが、死ぬまでそれでいいとは思っていません。いずれポートフォリオのリスクを下げるべき時が来ると考えています。その時に備えて、債券について勉強中です。債券不要論者であるにもかかわらず、です。
株式100%のポートフォリオにした理由
僕はかつてバランスファンドの、そこそこのリスクでそこそこのリターンを狙う「中庸さ」が好きでしたが、リターンの低さに嫌気したこと、長期投資を前提とするなら変動率(ボラティリティー)の高さを考慮しても株式100%で問題ないと判断したことから、リスク資産は株式100%で良いとする債券不要論者に転向したのです。
次に、株式の中でも特に「先進国株式」を嗜好したのは単純に僕の好みによるものです。
- 新興国への投資に魅力を感じません。
- 日本は大好きですが、国内株式への投資が賢明だとは思えません。(利益を得られる気がしません。)
- 米国株式への集中投資は「米国一国集中」のリスクの高さが抵抗になっています。
- 先進国株式のパフォーマンスは十分高いことが分かっています。
先進国株式に投資するなら「スリム先進国株式」が最適解なので、現在のポートフォリオになりました。
インデックス投資の出口戦略
インデックス投資に出口戦略は不要とか、なじまないとか、永久に継続するとかいう話も良く聞きますが、僕には出口戦略が必要です。それは、僕は不老不死ではないので、いずれ働かなくなって資産を取り崩して生活するようになりますし、そうなってから起こる株価暴落を恐れているからです。
現在は収入の中から「余裕資金」が発生しますし、無リスク資産からリスク資産へのシフトを進めていることもあって、株価暴落は(不謹慎に聞こえても)歓迎します。実際、2020年2月21日に始まった株価暴落では、しっかり追加投資しました。
でも株価暴落には予見できない要素が最低3つあります。
- いつ起こるか:発生時期
- どこまで下がるか:規模
- いつまで続くか:期間
この中で最も問題になりえるのは期間です。暴落しても市場から退場せず(=リスク資産を売却せず)株価の回復を待つ、それができるように自分のリスク許容度内のポートフォリオにしておく、ということが良く言われますが、その前提にあるのは「暴落している期間はやりすごせるだけの短さである」という希望です。どうでしょう、暴落の期間をどれぐらいだと想定しているでしょうか。1年、2年、まあそれぐらいで終わって欲しいですよね。でも3年、4年、5年と長引かないとも限りません。
もし、次の株価暴落が2022年8月から2026年8月まで4年間続いたとしましょう。暴落が開始した時点で無リスク資産とリスク資産の比率は1:1に近いはずです。その後、長引く暴落を嫌気しながらも回復をじっと待ちます。その頃はまだリスク資産を取り崩さなくても生活できる見込みです。(暴落の状況によっては日本がひどい不況に陥り、収入が激減して見込みが外れたと泣いているかも知れません。)
でも、4年またはそれ以上続く暴落が2035年に起きたらどうでしょう。その頃我が家は確実にリスク資産を取り崩しながら生活しているはずです。不老不死ではありませんから。そしてリスク資産を取り崩す生活をするようになってからの暴落が意味することは、リスク資産の取り崩し=損する行動です。
株式100%時代の終了
現在は資産形成期なので、株式100%が我が家の最適解だと信じていますが、いずれ株式比率を下げるつもりです。もちろんその結果リスクと共にリターンも下がります。ですが、僕と妻の寿命は有限なので、二人の生活パターンに予想しにくいさまざまな出費が発生するリスクを考慮しただけの老後資金があれば、それを超える余剰な資産形成は不要です。子供に現金や証券を遺産として相続させる考えは持っていません。(持ち家は相続するでしょうが、それで十分でしょ。)それよりも、暴落を過度に心配しないですむようにしたいのです。
また、多額の資産を株式で保有して配当金での生活(元本を極力取り崩さない)を目指す人もいますが、そういう考えもありません。資産形成期が終われば、資産を取り崩して生活し、夫婦が共にこの世を去る時にちょうど使い切るぐらいが理想です。
ではどうするかですが、その解を求めて債券について勉強しています。
有望な選択肢
現状、有望な選択肢は2つしか見つかっていません。
先進国債券(ヘッジあり)インデックスファンド
先進国債券(ヘッジあり)インデックスファンドは有望です。もちろん為替ヘッジは万能ではないし、先進国債券インデックスも立派なリスク資産ですから、相応のリスクがあることを忘れてはいけません。リスク資産であるがゆえのリスクを負いたくないなら、無リスク資産比率を高めるしかありません。
iシェアーズ米国債7-10年ETF(ヘッジあり)
iシェアーズ米国債7-10年 ETF(ヘッジあり)は有望です。これからの10年程度で長期景気の1サイクルが回ると思いますが、その中で取引価格がどのように変化するのか見るのが楽しみです。
低評価で落選した選択肢
ほとんど落選です。海外の債券に投資するファンドで、為替ヘッジのないものはそもそも対象外です。
個人向け国債変動10年
現金プレゼントキャンペーンを除くと個人向け国債変動10年に魅力はありません。その魅力も大幅に減りました。また、資金を1年間ロックされることがネックになり、僕が将来利用したい「債券」の対象にはならないです。
国内債券インデックス
2015年までの値動きなら、出口戦略に採用できたかも知れません。が、日銀がマイナス金利政策をやめて、金利上昇後でないとその戦略は国内債券では取れません。
NEXT FUNDS(2554)
詳細に検討した結果、iシェアーズ米国債7-10年ETF(ヘッジあり)の方が有利であり、NEXT FUNDS(2554)を積極的に採用する理由は見当たりませんでした。
楽天全世界債券(ヘッジあり)
楽天全世界債券(ヘッジあり)は高コストな上に先進国債券(ヘッジあり)より低パフォーマンスです。さらに明らかに不人気でいいところがありません。出口戦略には不向きです。
BND
僕がドルで生活している米国人ならS&P500インデックスに集中投資し、出口戦略でBNDを使うかも知れませんね。でも円で生活している日本人なのでBNDは論外です。
ステートストリート米国社債インデックス(ヘッジあり)
ステートストリート米国社債インデックス(ヘッジあり)は落選です。過去にこれのヘッジなし版を繰上償還した前歴が僕の判断に暗い影を落としています。
ステートストリートUSボンドオープン(ヘッジあり)
ステートストリートUSボンドオープン(ヘッジあり)はインデックスファンドですが、高コストかつ毎月分配型で落選です。出口戦略以外の用途でも買う価値ありません。
Funds-i 米国ハイ・イールド債券(ヘッジあり)
僕が思い描いている出口戦略は、債券の金利が高く、取引価格(基準価額)が低い時にリスク資産(スリム先進国株式のことです)を売却し、その売却代金で対象の債券ETF(またはインデックスファンド)を買うというものです。Funds-i 米国ハイ・イールド債券(ヘッジあり)は、その目的に合いません。
上場インデックスファンド米国債券 ETF(ヘッジあり)
明らかにiシェアーズ米国債7-10年 ETF(ヘッジあり)の方が有利です。iシェアーズ米国債7-10年 ETF(ヘッジあり)ではなくて上場インデックスファンド米国債券 ETF(ヘッジあり)を選択する理由は見当たりません。
為替ヘッジコストは高いです
為替ヘッジにはコストがかかります。結構高いですが、出口戦略に使う債券ファンドでなら、僕は払います。
時間的猶予はあります
現在、スリム先進国株式100%の後のポートフォリオは白紙です。いつから変更を開始し、最終形が何なのかも決まっていません。でもいずれそれが必要になる時は来るので、今のうちに考えて、備えておきます。何事も、備えあれば憂いなしです。幸い、まだ十分先なので考える時間はたっぷりあります。