インデックス投資

【ネット証券】投資信託の保有でもらえるポイント制度を徹底比較

巷にあふれるポイントサービスはピンキリです。お得に見えて実はそうでないってのも「あるある」です。

主要ネット証券5社は、投資信託の保有額に応じてポイントを付与するサービスを実施中ですが、これもピンキリです。そして投資対象商品によって、一番お得なところが変わります。

各社のポイントサービスを徹底比較、わかりやすく解説します。

前説

比較しているのは投資信託の保有額に応じてポイントが付与されるサービスです。各社共通の制約事項があります。

  • 国内の投資信託のみが対象です。ETFは国内籍、海外籍ともに対象外です。
  • 特定口座、NISA口座、ジュニアNISA口座、つみたてNISA口座は対象ですが、iDeCo口座は対象外です。

この記事に登場する信託報酬はすべて税抜きです。

SBI証券

「投信マイレージサービス」と呼ばれます。歴史のあるサービスですが、信託報酬の超ローコスト化の進行と、ポイント制度の競争激化によりその内容を変更して現在に至ります。

ポイント付与率

投資信託の銘柄によってポイント付与率が変わります。

SBI証券の投信マイレージサービスのポイント付与率表

引用:SBI証券

指定銘柄一覧はこちらにあります。スリムシリーズは3種類に分かれます。

スリムシリーズのポイント付与率一覧表

ポイントの原資は信託報酬のうちの販売会社の取り分ですから、取り分が少なければポイント付与率が下がるのは、ある意味当然です。

最安でも信託報酬が0.40%のeMAXISシリーズは「通常銘柄」で、付与率0.10%です。たとえば信託報酬0.45%のiFree NEXT NASDAQ100の付与率は0.10%です。

1,000万円以上保有している場合

通常銘柄でないものも含めて、1,000万円以上保有している場合、通常銘柄の付与率が2倍の0.20%になります。たとえばスリムバランス(8資産均等型)を900万円、iFree NEXT NASDAQ100を100万円保有している場合、スリムバランス(8資産均等型)の付与率は0.05%ですが、iFree NEXT NASDAQ100の付与率は0.20%に上がります。

ポイント計算方法

計算式はこうです。

  • 対象銘柄の月間平均保有金額×ポイント付与率×対象月の実日数÷365
  • 1円未満の端数切捨て

良心的です。

ポイントの価値

付与されるのは通常のTポイントです。1円で1ポイントです。日常生活での使い勝手は人によりますが、投資信託の購入に1ポイント1円から利用できるのがいいですね。

楽天証券

「ハッピープログラム」と呼ばれます。楽天銀行と楽天証券の口座連携サービス「マネーブリッジ」を利用し、「楽天銀行ハッピープログラム」に登録するとこのサービスを受けられます。

ポイント付与率

商品の信託報酬に関わらず、保有資産10万円ごとに毎月4ポイントが付与されます。10万円未満の端数を無視すると、年率0.048%です。信託報酬のうち、楽天証券の取り分からポイント付与率を引くと、マイナスになるものもたくさんあります。

次は主な超ローコストインデックスファンドの、楽天証券の取り分とポイント考慮後です。

楽天証券のポイント考慮後の取り分の表

赤字の商品は文字通り赤字です。その商品単体で見たら、売上がマイナスなので利益は出ません。

どんなにローコストの商品であっても年率0.048%のポイントが付与されるのが特長ですが、逆に高コスト商品の場合は他社の方が有利です。たとえばiFree NEXT NASDAQ100の場合、SBI証券の付与率は0.10%とほぼ倍です。

ポイント計算方法

年率0.048%というのは便宜上の表現です。楽天証券は毎月10万円ごとに4ポイント付与するとしています。10万円未満の端数が切り捨てられるのはちょっと残念ですが、超ローコストファンドの受益者には、それが気にならないほどの大盤振る舞いと言えます。

ポイントの価値

付与されるのは通常の楽天スーパーポイントです。使い勝手はこの上なく良いと思います。そして投資信託の購入に1ポイント1円から利用できるのがいいですね。

マネックス証券

「投信保有ポイント」と呼ばれます。

ポイント付与率

対象銘柄を3種類に分類します。

  • 年率0.08%のもの
  • 年率0.03%のもの
  • 対象外のもの

一覧表がこちらにあります。そのまま解釈するとこうなります。

  • 雪だるまシリーズ、SBIバンガードS&P500は対象外です。
  • スリムシリーズは0.03%です。
  • eMAXISシリーズも0.03%です。
  • 信託報酬が0.72%のeMAXIS NEOシリーズも0.03%です。
  • ところが信託報酬が0.45%のiFree NEXT NASDAQ100は0.08%です。

その一覧表の精度に疑問があり、マネックス証券に問い合わせましたが、一覧表の通りとの回答を頂きました。また、iFree NEXT NASDAQ100は0.08%で間違いないそうです。

ポイント計算方法

計算式はこうです。

  • 対象銘柄の月間平均保有金額×ポイント付与率÷12
  • 1円未満の端数切上げ

良心的です。

ポイントの価値

付与されるのはマネックスポイントですが、有効期限があり、ポイントを獲得した日の翌々年度末(3月末日)までです。印象悪いですね。

使いみちは3種類です。

  • 株式売買手数料に充当。
  • 仮想通貨と交換。
  • 他のポイントと交換。

驚いたことに、ポイントでは投資信託を買えません。サイテーですね。

次は交換できる他のポイントサービス一覧です。

マネックスポイントを交換できる他のポイントサービス一覧

引用:マネックス証券

Tポイントに交換してSBI証券で投資信託を買うことはできます。(SBI証券は他から交換したTポイントで投資信託が買えます。楽天証券だと、交換したポイントでは買えません。)

松井証券

「ポイントプログラム」と呼ばれます。現金または松井証券ポイントが付与されますが、松井証券ポイントはとても残念な設計です。

現金還元率

現金を還元するのが基本です。還元率は信託報酬に占める販売会社の取り分ー0.3%です。普通に考えると信託報酬が0.60%未満のものはほぼ対象外です。

もちろんスリムシリーズは全滅です。iFree NEXT NASDAQ100も対象外です。信託報酬が0.90%のiFreeレバレッジNASDAQ100の還元率は0.135%です。

こちらで商品名を入力して還元率を確認することができます。(スクロールすると次の画面が出てきます。)

還元率を確認するサービス画面

このWebサービスは素晴らしいです。マネックス証券にも欲しいです。

還元額計算方法

計算式はこうです。

  • 対象銘柄の月間平均保有金額×(販売会社の取り分ー0.3%)÷12
  • 1円未満の端数切り捨て

高コストファンドほど還元額が高くなります。ローコストファンドはまず間違いなく対象外です。事情があって高コストファンドを保有している場合に考えるのがいいですね。

使えない松井証券ポイント

基本は現金での還元ですが、松井証券ポイントの付与に変更することもできます。が、あり得ないほど使いづらく、万能な現金の代わりに松井証券ポイントをもらう価値はありません。

使いみちは3種類です。

  • 投資信託を積み立てる。
  • カタログ商品と交換。
  • 1ポイント1円として、1,000円単位で1,000円~10,000円のAmazonギフト券と交換。

積み立てられる投資信託は次のどれかです。

  • ひふみプラス
  • スリム先進国株式
  • スリムバランス(8資産均等型)

不自由すぎます。また、ポイントはスポット購入には使えません。ため息出ますね。

さらに ポイントには有効期限があり、ポイント付与日の翌々年の3月末日です。

auカブコム証券

現在2つのプログラムがあります。おそらく、いずれは「auカブコムの資産形成プログラム」に一本化されると思っています。

auカブコムの資産形成プログラム

投資信託の保有残高に応じて、Pontaポイントが付与されます。1円で1Pontaポイントです。

auカブコムの資産形成プログラム

引用:auカブコム証券のポイントプログラム

ポイント付与率は保有残高で変わります。

  • 2.4万円~100万円未満:年率0.05%
  • 100万円以上~3,000万円未満:年率0.12%
  • 3,000万円以上:年率0.24%

100万円以上だと年率0.12%なので、楽天証券の年率0.048%より圧倒的に有利ですね。ところが計算方法がケチくさいです。

対象投資信託の前月(営業日)の月間平均保有額×ポイント加算条件記載の年率÷365日×保有日数(営業日)

引用:auカブコム証券

年率0.12%と言いながら、前月の営業日の日数で計算します。年間の営業日数は約242なので、年間では0.12%×242÷365=0.0796%にまで下がってしまいます。(もし銀行の定期預金の利息計算がこんなのだったら非難轟々ですよね。)

毎月ポイント

auカブコム証券はもうひとつポイントサービスを実施しています。毎月ポイントです。

毎月ポイント

auIDを登録すると自動的に資産形成プログラムの対象となり、auIDを登録していない場合のみ、毎月ポイントの対象となるようです。

ポイント付与ルールはこうです。

  • 投資信託の保有残高100万円ごとに、毎月1ポイント付与。
  • 投資信託の保有残高が3,000万円以上なら、100万円ごとに毎月2ポイント付与。

年率換算すると100万円ごとに0.12%、保有残高が3,000万円以上なら100万円ごとに0.24%です。

ポイントは100ポイントを10,000円に交換できます。

ポイント付与率0.12%だけ見ると良さそうですが、次の制約が非効率です。

  • 100万円未満の端数が切り捨てられる。
  • 100ポイント貯めないと換金できない。
  • さらにポイントは付与されてから3年しか有効でない。

保有残高が300万円の場合、毎月3ポイント付与されますので、100ポイント貯めるのに2年10ヶ月かかります。

ローコスト投信は全滅

auカブコム証券の2つのポイントサービスは、信託報酬に占める販売会社の取り分が税込み0.24%未満のものは対象外です。税込み信託報酬が0.24%未満ではありません。

auカブコム証券の場合、スリムシリーズは全滅です。信託報酬が0.50%でギリギリ対象になるものが出てきます。今どき、信託報酬が0.50%を超えるものに投資するのは、他にローコストな選択肢がないか、受益者にコスト意識がないかのどちらかでしょう。

iFree NEXT NASDAQ100も対象外です。信託報酬が0.90%のiFreeレバレッジNASDAQ100を100万円以上保有している場合の還元率は0.0796%です。

つまり、ポイント付与率とか計算方法とか効率とかいうこと以前に、そもそも、auカブコム証券のポイントサービスは今の時代に合っていないのです。

ポイントの価値

auカブコムの資産形成プログラムで付与されるのはPontaポイントです。日常生活での使い勝手は人によります。

2020年9月26日から、投資信託の購入に1ポイント1円から利用できる「ポイント投資」に対応しました。素晴らしいです。楽天証券、SBI証券に追い付いたわけです。

結論:どこが有利かは投資対象で変わります

超ローコスト商品なら楽天証券一択です。超ローコスト商品でない場合、どのネット証券が有利かは、その商品のポイント付与率を調べないと分かりません。

次はiFree NEXT NASDAQ100とiFreeレバレッジNASDAQ100のポイント付与率一覧です。

iFree NEXT NASDAQ100とiFreeレバレッジNASDAQ100のポイント付与率一覧表

iFreeレバレッジNASDAQ100の、auカブコム証券での付与率は100万円以上3,000万円未満の場合です。

これだとマネックス証券とauカブコム証券が選択肢に上がることはなく、かなり高コスト商品に限って松井証券が選択肢になるかな、それ以外はSBI証券と楽天証券の二択でいいかな、と思われます。

でも、auカブコム証券でポイント投資が始まったのは大歓迎です。税金をnanacoで払うのにリクルートカードを使っていて、Pontaポイントがたまるのですが、それの使いみちとして都合がいいからです。え、にわとりの日はどうしたかって?最近歳のせいか飽きましてね、ケンタッキー食べなくなったのですよ。

楽天証券はいつまで耐えられるか

楽天証券はどんなにローコストな商品であっても、ポイント付与率は年率0.048%です。楽天証券の取り分よりもポイント付与の方が多い、単独で見ると明らかに赤字の商品が今後増えるのは必至です。楽天証券はいつまでこの年率0.048%固定を継続できるでしょうか。

証券会社の規模、売上で見るとSBI証券がダントツ1位で、楽天証券はSBI証券との競争上その程度のポイント付与など気にしていないかも知れません。

次は口座数比較です。

ネット証券の口座数比較グラフ

引用:証券会社比較.tokyo

僕は楽天証券の大盤振る舞いのサービスを目一杯享受しているので、このまま大盤振る舞いを継続して欲しいです。

最近、株の取引手数料引き下げ(無料化)競争が続いています。どうやって利益を確保するのか、ビジネスとして成立するのかという疑問もありますが、この流れは止まりそうにありません。これが、投資信託の世界にも良い影響を与えてくれることを願っています。

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