Funds-i 外国REITはeMAXIS先進国リートと同世代の商品で、今ではすっかり高コスト商品になってしまいました。でも不思議なことに、Funds-i 外国REITのリターンは低コスト商品に負けていません。あのスリム先進国リートとリターン差がないのです。それはおかしい気がしますが、現実です。
Funds-i 外国REIT
eMAXIS先進国リートに遅れること13ヶ月、2010年11月26日に税抜き信託報酬0.55%で設定されました。先行していたSMTグローバルREIT、eMAXIS先進国リートより安く、このブログで扱っている先進国リートインデックスの最安水準でした。以来、信託報酬は引き下げられていません。
ベンチマークはS&P先進国REIT指数(除く日本)です。購入時手数料税抜き1%が設定されており、金融機関を選ばないと徴収されてしまいます。また解約時信託財産留保額0.3%が設定されています。
先進国リートインデックスは株式に投資しないため、つみたてNISA適格要件を満たせません。そのため、Funds-i 外国REITはつみたてNISA適格ではありません。
運用コスト
次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。
Funds-i 外国REITの隠れコストは標準的な水準です。(今では相対的に)信託報酬が高いので、トータルコスト0.6756%は重く感じます。
リターン比較
Funds-i 外国REITのリターンは、他の商品との相対比較でですが、運用報告書から計算したものより高いです。Funds-i J-REITもそうだったのですが、僕の理解を超えています。
スリム先進国リートとの比較
次はスリム先進国リートの設定直後を避けた、2019年11月15日から2021年3月5日までの、Funds-i 外国REITとの比較です。
青のラインはリターン差で、スリム先進国リートーFunds-i 外国REITです。コロナショックによる株価暴落時に段差ができていますが、それを除くとほぼフラットです。これは、スリム先進国リートとFunds-i 外国REITにリターン差がない、パフォーマンスが同じであることを意味します。スリム先進国リートの税抜き信託報酬は0.20%です。あり得ないと思いませんか。
eMAXIS先進国リートとの比較
次はFunds-i 外国REITの設定直後を避けた、2010年12月10日から2021年3月5日までの、eMAXIS先進国リートとの比較です。
青のラインはFunds-i 外国REITーeMAXIS先進国リートです。Funds-i 外国REITの方が低コストなので、右肩上がりになるのは期待値なんですが、実際のリターン差は運用報告書から計算したトータルコスト差より大きいです。
たわら先進国リートとの比較
次はたわら先進国リートの設定直後を避けた、2016年1月15日から2021年3月5日までの、Funds-i 外国REITとの比較です。
青のラインはFunds-i 外国REITーたわら先進国リートです。税抜き信託報酬はたわら先進国リートの方が安いのですが、リターンは互角で、株価暴落後はFunds-i 外国REITに劣後しています。
売れ行きは
次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は39億円です。
2015年以降頭打ちになっています。よりローコストな選択肢が増えたので当然の結果だと思いますが、現実のリターンを考えると残念です。でもみんな信託報酬を気にするものです。結局、Funds-i 外国REITが大して売れなかったのは商品性と販売力に帰結すると思います。
次は同世代のSMTグローバルREITとeMAXIS先進国リートもプロットしたものです。
緑のラインがSMTグローバルREIT、青のラインがeMAXIS先進国リートです。Funds-i 外国REITはパフォーマンスでは勝てても人気の獲得では勝てませんでした。
次はスリム先進国リートとの比較です。
最後発のスリム先進国リートにあっさりと抜かれてしまいました。
評価:スリムシリーズが嫌いなら良い選択肢かも
ごまかしの効かない基準価額を比較した結果を重視すると、Funds-i 外国REITは良い商品です。でも信託報酬が高いことは事実だし、人気も頭打ちです。スリムシリーズ嫌いでなければ、普通にスリム先進国リートがいいです。
スリムシリーズが嫌いなら、信託報酬は高いし解約時信託財産留保額が設定されていますが、Funds-i J-REITは良い選択肢かも知れません。