インデックス投資

Funds-i J-REITの運用コストと評価

Funds-i J-REITはeMAXIS国内リートと同世代の商品で、信託報酬も同率です。運用報告書から計算したトータルもほぼ同じですが、不思議なことに、Funds-i J-REITの方がリターンが高いです。

そして現在、あのスリム国内リートとリターン差がありません。それはおかしい気がしますが、現実です。

Funds-i J-REIT

eMAXIS国内リートに遅れること13ヶ月、2010年11月26日に税抜き信託報酬0.40%で設定されました。当時最安水準だったSMT J-REITインデックス、eMAXIS国内リートと同率でした。以来、信託報酬は引き下げられていません。

ベンチマークは東証REIT指数です。金融機関を選ばないと上限税抜き1%の購入時手数料を徴収されます。また、解約時信託財産留保額0.3%が設定されています。

国内リートインデックスは株式に投資しないため、つみたてNISA適格要件を満たせません。そのため、Funds-i J-REITはつみたてNISA適格ではありません。

運用コスト

次は運用報告書から計算したトータルコストです。eMAXIS国内リートと比較しています。

運用報告書から計算したトータルコスト表

Funds-i J-REITの隠れコストは、eMAXIS国内リート同様に低水準です。株式インデックスのものより一桁安いです。それは投資対象が、国内リートの投資信託証券であるためだと思われます。

これら2商品の、運用報告書から計算したトータルコストは変わりませんが、あらゆるコストが反映されていると言われる基準価額データの比較結果は、意外なものです。

リターン比較

eMAXIS国内リートとの比較

次はFunds-i J-REITの設定直後を避けた、2010年12月10日から2021年2月19日までの、eMAXIS国内リートとの比較です。

eMAXIS国内リートとFunds-i J-REITのリターン比較グラフ

青のラインはリターン差で、Funds-i J-REITーeMAXIS国内リートです。僕には説明できないリターン差が生まれています。

明らかに、Funds-i J-REITの方が(常時ではないものの)リターンが高いです。それだけのリターン差を生み出せるものって一体何なのでしょうか。

ニッセイJリートとの比較

次はニッセイJリートの設定直後を避けた、2013年7月16日から2021年2月19日までの、Funds-i J-REITとの比較です。

Funds-i J-REITとニッセイJリートのリターン比較グラフ

信託報酬はニッセイJリートの方が安かったのですが、Funds-i J-REITの方がリターンが高いです。

Smart-i Jリートとの比較

次はSmart-i Jリートの設定直後を避けた、2017年9月15日から2021年2月19日までの、Funds-i J-REITとの比較です。Smart-i Jリートの税抜き信託報酬は0.17%です。

Funds-i J-REITとSmart-i Jリートのリターン比較グラフ

青のラインはFunds-i J-REITーSmart-i Jリートです。Funds-i J-REITの方が安定してリターンが高いです。

スリム国内リートとの比較

次はスリム国内リートの設定直後を避けた、2019年11月15日から2021年2月12日までの、Funds-i J-REITとの比較です。スリム国内リートの税抜き信託報酬は0.17%です。

Funds-i J-REITとスリム国内リートのリターン比較グラフ

青のラインはFunds-i J-REITースリム国内リートです。コロナショックによる株価暴落時に段差ができていますが、それを除くとリターン差がないように見えます。

次は株価暴落から回復基調になった、2020年4月1日以降の比較です。

Funds-i J-REITとスリム国内リートのリターン比較グラフ、2020年4月1日以降

青のラインは真っ平らです。これは、Funds-i J-REITとスリム国内リートにリターンに差がない、つまり、トータルコストに差がないことを示しています。

ありえないですよね?信託報酬0.40%のFunds-i J-REITと、0.17%のスリム国内リートにリターン差がないなんておかしいです。でも基準価額には運用の上手い下手も含めて、あらやるコストが反映されていると言われています。Funds-i J-REITとスリム国内リートのトータルコストに差はない、これが現実です。

運用報告書にあるベンチマークとの乖離率

運用報告書にはベンチマーク(東証REIT指数、配当金込み)との乖離率が記載されています。Funds-i J-REITの運用報告書はこんな感じです。

Funds-i J-REITの運用報告書にある、ベンチマークとの乖離率

引用:Funds-i J-REITの運用報告書

マイナス要因のみが書かれています。0.1ポイントって凄いですね。トータルコストは0.44%程度あるので、計算が合わないです。

eMAXIS国内リートだとこんな感じです。

eMAXIS国内リートの運用報告書にある、ベンチマークとの乖離率

引用:eMAXIS国内リートの運用報告書

管理コスト要因でマイナス0.4%とあります。これは納得できますね。マザーファンド保有による要因でプラス0.1%とあります。これには解約時信託財産留保額が関係しているようです。

次は入手できた運用報告書について、Funds-i J-REITの決算期を基準にした、ベンチマークとの乖離率をまとめたものです。

ベンチマークとの乖離率をまとめた表

おおむねFunds-i J-REITの方が小さいです。(=Funds-i J-REITの方がリターンが高い。)

次はFunds-i J-REITの5期から10期までの、eMAXIS国内リートとの比較です。

Funds-i J-REITの5期から10期までの、eMAXIS国内リートとのリターン比較グラフ

次はFunds-i J-REITの運用コストを年率0.1%ポイント増量したものとの比較です。

Funds-i J-REITの運用コストを年率0.1%ポイント増量したものとの比較グラフ

なるほど。運用報告書にあるベンチマークとの乖離率は現実の基準価額と符合しているようですね。

売れ行きは

次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は88億円です。

設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

実際のリターンはともかく、信託報酬が安い選択肢がいくつもあるので、Funds-i J-REITは良くても頭打ちの傾向が続くと思います。

次はeMAXIS国内リートとスリム国内リートもプロットしたものです。

eMAXIS国内リートとスリム国内リートもプロットしたグラフ

緑のラインがeMAXIS国内リート、青のラインがスリム国内リートです。eMAXIS国内リートとFunds-i J-REITの資金流出入の様子が良く似ています。スリム国内リートは安定した資金流入が継続しています。

評価:スリム国内リート登場前はFunds-i J-REITがおすすめでした

スリム国内リート登場前は、Funds-i J-REITがおすすめでした。現在、この2商品の税抜き信託報酬には0.23%ポイントもの差がありますが、リターンは互角です。でも次の理由から、僕はスリム国内リートをおすすめします。

  • スリムシリーズゆえに、将来の信託報酬引き下げに(他社商品対抗で同率にまで下がることに)期待が持てる。
  • 安定した人気を獲得できている。
  • Funds-i J-REITには解約時信託財産留保額0.3%が設定されている。(スリム国内リートはなし。)

スリムシリーズが嫌いなら、Smart-i JリートかFunds-i J-REITがいいです。

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