インデックス投資

株式100%のインデックスファンドはどれぐらい保有するとバランスファンドに負けなくなるのですか

債券を含むバランスファンドは基準価額の変動率(ボラティリティ)が株式100%のインデックスファンドより低くなります。そのため株価変動に慣れていない人はバランスファンドを選択した方が、株価調整時や株価暴落時に狼狽売りする可能性が相対的に小さくなると思われます。これは確かにバランスファンドのメリットのひとつと言えます。

が、株価下落時の含み損を気にしないのであれば、株式100%インデックスファンドの方がたいてい有利です。

では株式100%インデックスファンドはどれぐらいの期間保有したら、株価調整時に大きく下落してもバランスファンドよりもリターンが高くなる(=バランスファンドに負けなくなる)のでしょうか。調べました。

MSCIコクサイとセゾングローバルバランスのリターン比較

株式100%インデックスファンドの代表として、MSCIコクサイをベンチマークにしている日興インデックスファンド海外株式に登場して頂きます。バランスファンドの代表はもちろんセゾングローバルバランスです。

次は2017年年初から2020年3月6日までのリターン比較です。青の丸で囲ったところは2018年のクリスマスです。ブラック・クリスマスと呼ばれます。黄色の丸で囲ったところは現在進行中の株価急落です。近いうちに、なんとかショックによる株価暴落と呼ばれることになりそうです。

MSCIコクサイとセゾングローバルバランスのリターン比較グラフ

2018年のクリスマスには、MSCIコクサイの基準価額は急落し、セゾングローバルバランスファンドよりも下がってしまいました。現在進行中の株価急落はもっと強烈なので、さらに下がると予想しています。

次は2010年年初からのリターン比較です。全然余裕です。MSCIコクサイはセゾングローバルバランスの手の届かない領域にいます。もっとも、現在進行中の株価急落は、その規模によっては余裕ではなくなるかも知れません。

MSCIコクサイとセゾングローバルバランスのリターン比較グラフ、2010年から

次は2014年年初からのリターン比較です。余裕がなくなってきました。

MSCIコクサイとセゾングローバルバランスのリターン比較グラフ、2014年から

次は2016年年初からのリターン比較です。2018年のクリスマスはギリギリセーフですが、現在進行中の株価急落はアウトになるでしょう。

MSCIコクサイとセゾングローバルバランスのリターン比較グラフ、2016年から

この比較作業は手間がかかる上、いつ頃から保有していたらバランスファンドに負けないかが分かりにくいです。そこで比較結果がグラフで分かる専用プログラムを使います。

MSCIコクサイとセゾングローバルバランスのリターン差

日興インデックスファンド海外株式とセゾングローバルバランスの2018年クリスマスのリターン差を、横軸を保有開始日にしてプロットしました。

MSCIコクサイとセゾングローバルバランスの2018年クリスマスのリターン差

左端は2012年年初、右端は2017年末です。青のラインがプラス圏にある時はバランスファンドに負けません。このグラフから、2014年5月以前に保有を開始した場合、MSCIコクサイはセゾングローバルバランスに(あのクリスマスの急落時に)余裕で負けないことが分かります。

次は同じ比較を、2020年3月6日で行ったグラフです。

MSCIコクサイとセゾングローバルバランスの2020年3月6日のリターン差

2016年10月以前に保有を開始した場合、MSCIコクサイはセゾングローバルバランスに負けませんが、その安全日は暴落の進行と共に過去方向に戻りますね。

楽天全世界株式とセゾングローバルバランスのリターン差

2010年年初から比較したいので、VTトータルリターンのコストを増量して生成した偽物に登場して頂きます。

楽天全世界株式とセゾングローバルバランスのリターン差のグラフ

楽天全世界株式はMSCIコクサイよりパフォーマンスが劣るため、青のラインは低めになりました。でも2013年以前に保有を開始した場合、楽天全世界株式はセゾングローバルバランスに余裕で負けないことが分かります。

楽天全米株式とセゾングローバルバランスのリターン差

2010年年初から比較したいので、VTIトータルリターンのコストを増量して生成した偽物に登場して頂きます。

楽天全米株式とセゾングローバルバランスのリターン差のグラフ

楽天全米株式はパフォーマンスが高いので縦軸のスケールを変更しました。2014年以前に保有を開始した場合、楽天全米株式はセゾングローバルバランスに余裕で負けないことが分かります。

楽天全世界株式とeMAXISバランス(8資産均等型)のリターン差

せっかくなのでeMAXISバランス(8資産均等型)とも比較してみました。

楽天全世界株式とeMAXISバランス(8資産均等型)のリターン差のグラフ

傾向は同じです。2013年以前に保有を開始した場合、楽天全世界株式はeMAXISバランス(8資産均等型)に余裕で負けません。

まとめ:株式100%インデックスファンドを4、5年保有すればバランスファンドに負けないか

過去のデータで、2018年クリスマスの急落時のリターン比較で勝ち負けを判断するなら、株式100%インデックスファンドを4、5年保有すればバランスファンドに負けなくなります。これは過去11年が株式投資家にとって素晴らしい強気相場であったからこそで、未来は大きく変わるかも知れません。

リーマンショックに迫る規模になるかどうかは不明ですが、ちょうど今経験しつつある暴落は、それを学ぶ良いサンプルになると思われます。

でも保有期間が長くなれば、株式100%インデックスファンドがバランスファンドより有利であることは変わらないと思います。そうなる保有期間は株価の成長の様子に大きく依存します。バランスファンドへの投資をやめて、スリム先進国株式への集中投資をしている我が家としては、この暴落から始まる1サイクルにおいても相応の強気相場、力強い株価の上昇を期待しています。

それでもリターンが全てじゃない

ある程度以上の期間保有するなら、株式100%インデックスファンドがバランスファンドにリターンで負ける可能性が低いとしても、投資対象を選択する上でリターンが全てというわけではありません。株価調整時、暴落時に含み益が大きく減ることがストレスになって、買い持ちするのが難しいと思われる場合、リターンは劣るけどリスク(変動率)が控えめなバランスファンドの方が安心できる、自分には合っている、という人もいるはずです。

この記事は過去データを分析することで「こういう考え方もある」という提示をしているに過ぎません。

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