新興国株式

iシェアーズ新興国株式の運用コストと評価

MSCIエマージング・マーケットは新興国株式で人気のベンチマークです。インデックスファンドは指数への高い忠実度が期待されますが、現実には忠実度が低い商品も存在します。

iシェアーズ新興国株式

2013年9月3日に税抜き信託報酬0.58%で設定されました。当時、i-mizuho新興国株式でしたが、その後iシェアーズ新興国株式に改名されました。信託報酬は1回、引き下げられています。

iシェアーズ新興国株式の信託報酬引き下げ履歴表

iシェアーズ新興国株式は、iShares Core MSCI Emerging ETF (IEMG)を買うだけのインデックスファンドです。目論見書の信託報酬の表記は紛らわしいですが、IEMGの経費率を含んでいます。

ノーロードですが、解約時信託財産留保額0.3%が設定されています。またiシェアーズ新興国株式は、つみたてNISA適格ではありません。

運用コスト

次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。スリム新興国株式と比較しています。

運用報告書から計算したトータルコスト表

隠れコストは現物株運用のものより安いです。でも、仕組み的に三重課税問題が存在します。

リターン比較

IEMGトータルリターンとの比較

次はiシェアーズ新興国株式の設定直後を避けた、2013年9月20日から2020年12月30日までの、IEMGトータルリターンとの比較です。

IEMGトータルリターンとiシェアーズ新興国株式のリターン比較グラフ

青のラインはリターン差で、IEMGトータルリターンーiシェアーズ新興国株式です。大きなヒゲは配当金の扱いの違いによるものなので、無視してください。

ラインの形状がきれいではありませんが、傾向は右肩上がりで、その傾きはiシェアーズ新興国株式固有の運用コストを示しています。

スリム新興国株式とのリターン比較

次はスリム新興国株式の税抜き信託報酬が0.189%なった2018年7月25日から2021年1月8日までの、iシェアーズ新興国株式とのリターン比較です。

スリム新興国株式とiシェアーズ新興国株式のリターン比較グラフ

リターン差は激しく暴れています。iシェアーズ新興国株式が買っているETFの基準価額そのもの、または、その取引価格変動によるものだと思われます。現物株運用の他の商品との比較だと、このように暴れないので、これはiシェアーズ新興国株式の問題だと断定します。

なお、こういう特性を無視して時間軸上のある2点における基準価額の変化を比較した結果、iシェアーズ新興国株式のリターンが高いと間違った認識をするのは、投信ブログのあるあるです。

不人気です

次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は10.8億円しかありません。

設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

資金流入も頭打ち傾向です。他にローコストな選択肢が複数ある現状では、こうなるのは避けられないですね。

評価:おすすめしません

次の理由から、iシェアーズ新興国株式はおすすめしません。

  • ローコストな選択肢が他にあります。
  • 多数決での判断ですが、iシェアーズ新興国株式はMSCIエマージング・マーケット指数への忠実度が低いです。
  • 不人気で純資産総額が少なく、つみたてNISA適格でないこともあって、繰上償還のリスクが気になります。

おすすめの関連記事

-新興国株式

© 2021 河童のインデックス投資 Powered by STINGER