iFreeActiveエドテックは教育に特化した、テーマ型アクティブファンドです。トータルコストは驚くほど高い、パフォーマンスは悲惨、不人気で売れていないといいところがありません。また、信託期間が10年しかなく、長期投資向きの組成ではないです。
更新情報
参照しているデータを最新版に更新しています。
iFreeActiveエドテック
2018年1月31日に税抜き信託報酬1.11%で設定されました。iFreeActiveシリーズ第一弾の3商品のうちの1本です。日本を含む世界の「教育」関連株式に投資するアクティブファンドです。
- 金融機関によっては購入時手数料(上限税抜き1%)が必要です。
- 解約時信託財産留保額はゼロです。
- 現物株運用で、現在、20銘柄に投資しています。
- 信託期間が10年しかありません。2028年1月に償還されます。最初から長期投資を前提としていません。
- 複数の条件を満たさないので、つみたてNISA適格ではありません。
投資対象
次は投資対象の選定方針です。
- テーマに関連すると考えられる企業を投資対象銘柄として選定します。
- 投資対象銘柄の中から、テーマ関連事業の売上高やテーマ関連事業売上高の総売上高に占める比率の見通し等を勘案し、10~20銘柄程度を組入銘柄として選定します。
- テーマ銘柄としての代表性や流動性等を考慮し、各銘柄の組入比率を決定し、ポートフォリオを構築します。
引用:目論見書
現在の組入上位10銘柄とその比率です。全体の約66%を占めます。
出典:月次報告書
かつて全体の約半分を占めていた中国ですが、現在は19%に減っています。
運用コスト
次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。iFreeActiveゲーム&eスポーツと比較しています。
iFreeActiveエドテックの隠れコストは、iFreeActiveゲーム&eスポーツよりさらに高いです。トータルコストは3.51%もします。残念なことに第三期決算期間は、第二期よりも隠れコストが高くなりました。
次は隠れコストの明細です。
iFreeActiveエドテックは保管費用がべらぼうに高いです。第三期は第二期よりさらに高くなりました。中国株式の比率が高かったのがその理由かも知れませんが、それにしても高すぎます。
トータルコストは3.51%もするため、相応の高いパフォーマンスが得られないと投資する気になれないでしょうね。なお、僕が探した範囲では、「教育」関連株式への投資に特化したファンドは、iFreeActiveエドテック(とその別販路版)以外に、後述する「アムンディ・次世代教育関連ファンド」がありました。
リターン比較
iFree S&P500との比較
テーマ型ファンドに投資するのですから、S&P500種指数には負けたくないところでしょう。次はiFreeActiveエドテックの設定直後を避けた2018年2月15日から、2022年1月7日までの、iFree S&P500との比較です。
赤のラインがiFree S&P500、緑のラインがiFreeActiveエドテックです。青のラインはリターン差で、iFree S&P500ーiFreeActiveエドテックです。
コロナショックによる株価暴落前は、まあ互角でした。株価暴落後は急成長しますが、2020年8月から失速してしまいました。そして2021年7月に中国で教育産業への規制が強化されてから(黄色に塗っています)さらに下落しました。受益者は泣いているでしょうね。
アムンディ・次世代教育関連ファンドとの比較
アムンディ・次世代教育関連ファンドは、教育分野に特化したアクティブファンドですが、組成内容は好ましくありません。
- 税込み信託報酬は1.878%、トータルコストは2.1%もします。
- (コストがかさむ)ファンド・オブ・ファンズ形式です。
- 信託期間が約10年と長期投資に不向きです。
次はアムンディ・次世代教育関連ファンドの設定直後を避けた、2019年11月5日から2022年1月7日までの、iFreeActiveエドテックとの比較です。
赤のラインがiFreeActiveエドテック、緑のラインがアムンディ・次世代教育関連ファンドです。アムンディ・次世代教育関連ファンドはコロナショックからの回復に時間を要しましたが、この比較期間だとiFreeActiveエドテックよりマシですね。
でも、どちらもテーマ型ファンドの難しさ、厳しさを表しています。
不人気です
次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は1.29億円しかありません。なお1億円からスタートしていますが、これは運用側の初期投資と思われます。
不人気ですし、単位売買のおもちゃにされているようにも見えます。現在のパフォーマンスだとこうなっても仕方ないですね。
これだけ不人気だとマジで繰上償還コースです。
評価:不人気で希望を持てません
教育の未来に賭けたい人にとって、個別株に投資する高いリスクを避けられるiFreeActiveエドテックは、高コストであっても良い選択肢になるかも知れません。が、高コストすぎますし、不人気で総じて印象悪いです。
中国への投資比率が高かったところに、教育産業を殺しにかかった特殊事情があるとは言え、教育産業に特化したテーマ型ファンドに魅力を感じるのは難しいですね。
そもそも信託期間が10年しかない時点で、長期投資向きではないので僕は高い評価をあげられません。