iFreeActiveメディカルデバイスは医療関連機器、技術に特化した、テーマ型アクティブファンドです。でもトータルコストが高い上にNASDAQ100指数に劣後しており、不人気で売れていません。
パフォーマンスで見劣りするテーマ型ファンドは売れないという、ある意味残念な現状の代表格です。
iFreeActiveメディカルデバイス
iFreeActiveシリーズ第一弾の設定から9ヶ月遅れの、2018年10月19日に税抜き信託報酬1.11%で設定されました。日本を含む世界の「医療関連機器、技術等」関連株式に投資するアクティブファンドです。
- 金融機関によっては購入時手数料(上限税抜き1%)が必要です。
- 解約時信託財産留保額はゼロです。
- 現物株運用で、現在、20銘柄に投資しています。
- 信託期間が10年しかありません。2028年10月に償還されます。最初から長期投資を前提としていません。
- 複数の条件を満たさないので、つみたてNISA適格ではありません。
投資対象
次は投資対象の選定方針です。
- テーマに関連すると考えられる企業を投資対象銘柄として選定します。
- 投資対象銘柄の中から、テーマ関連事業の売上高やテーマ関連事業売上高の総売上高に占める比率の見通し等を勘案し、10~20銘柄程度を組入銘柄として選定します。
- テーマ銘柄としての代表性や流動性等を考慮し、各銘柄の組入比率を決定し、ポートフォリオを構築します。
引用:目論見書
現在の組入上位10銘柄とその比率です。全体の約60%を占めます。
アメリカが全体の約78%を占めます。
運用コスト
次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。iFreeActiveゲーム&eスポーツと比較しています。
iFreeActiveメディカルデバイスの隠れコストは、iFreeActiveシリーズ最安水準です。それでもローコストインデックスファンドのものよりは1桁高いです。トータルコストは1.8%なので、やはり高いと感じますね。
次は隠れコストの明細です。
iFreeActiveシリーズは特に保管費用が高いです。
この高いトータルコストに見合うパフォーマンスが期待できるかどうかですね。なお、僕が探した範囲では、「医療関連機器、技術等」関連株式への投資に特化したファンドは、iFreeActiveメディカルデバイス以外には見つかりませんでしたが、医療に近い分野のテーマ型ファンドはそこそこあるようです。
リターン比較
iFree S&P500との比較
テーマ型ファンドに投資するのですから、S&P500種指数には負けたくないところでしょう。次はiFreeActiveメディカルデバイスの設定直後を避けた2018年11月15日から、2021年2月5日までの、iFree S&P500との比較です。
赤のラインがiFreeActiveメディカルデバイスです。青のラインはリターン差で、iFreeActiveメディカルデバイスーiFree S&P500です。この比較期間だとS&P500をアウトパフォームしています。特にコロナショックによる株価暴落後の伸びは素晴らしいです。
iFree NEXT NASDAQ100との比較
NASDAQ100指数とも比較しました。次は2018年11月15日から2021年2月5日までの、iFreeActiveメディカルデバイスとiFree NEXT NASDAQ100の比較です。
赤のラインがiFree NEXT NASDAQ100です。株価暴落前はまあご角でしたが、株価暴落後はiFree NEXT NASDAQ100の方が高パフォーマンスです。
SMT MIRAIndexバイオ・メディカルとの比較
次はSMT MIRAIndexバイオ・メディカルの設定直後を避けた、2019年4月10日から2021年2月5日までの、iFreeActiveメディカルデバイスとの比較です。
赤のラインがiFreeActiveメディカルデバイスです。株価暴落前はiFreeActiveメディカルデバイスの方が高パフォーマンスでしたが、株価暴落は互角ですね。
次は2020年年初からの比較です。
この比較期間だと、SMT MIRAIndexバイオ・メディカルの方がわずかに良いです。
なお、この2商品は対象テーマが微妙に違うことに注意して下さい。
不人気です
次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は2.27億円しかありません。なお1億円からスタートしていますが、これは運用側の初期投資と思われます。
S&P500をアウトパフォームしているものの、NASDAQ100には負けている現状だと、売れてるテーマ型ファンドのようにはなれないってことですね。
評価:メディカルデバイスの未来に賭けるなら良い選択肢かも
メディカルデバイスの未来に賭けたいけど、個別株に投資する高いリスクを避けたい人にとって、iFreeActiveメディカルデバイスは良い選択肢かも知れません。でも現状のパフォーマンスだと、高いトータルコストを負担する価値を認めにくいです。ずっとローコストなiFree NEXT NASDAQ100に負けていますからね。
が、他のテーマ型ファンドのように、iFreeActiveメディカルデバイスも素晴らしいパフォーマンスを発揮するようになると、急激に売れ始めると思われます。その逆もまた然りですが。