新興国株式

iFreeレバレッジATMX+の運用コストと評価

大和アセットマネジメントはiFree NEXTシリーズでニッチな指数に対応していますが、その2倍ブル型の商品化にも実に積極的です。iFree NEXT ATMX+が連動するFactSet ATMX+指数は、国有企業を除いた中国株式に特化した、受益者を選びそうな商品ですが、iFreeレバレッジATMX+はそれに2倍のレバレッジをかけます。強烈です。

でも現在はパフォーマンスが低く、人気は頭打ちです。

iFreeレバレッジATMX+

iFree NEXT ATMX+が設定されてから1ヶ月後の2021年4月27日に、税抜信託報酬0.94%で設定されました。iFreeレバレッジS&P500、iFreeレバレッジNASDAQ100の税抜き信託報酬が0.90%なのでほぼ同じ水準かと思いそうですが、実は違います。

  • アイルランド籍ボルト・インベストメンツ・ピーエルシーのパフォーマンス連動債券に投資することで、日々の基準価額の値動きがFactSet ATMX+指数の値動きの2倍程度となることを目指します。
  • パフォーマンス債券の報酬が年率0.19%かかります。パフォーマンス連動債券の運用コスト(俗に言う隠れコスト)が別途かかります。
  • そのため目論見書には、実質的に負担する運用管理費用は税込み1.224%とあります。高いですね。
  • 円で為替ヘッジされます。
  • 信託期間は無期限です。
  • 購入時手数料税抜き2.0%が設定可能で、証券会社を選ばないとしれっと徴収されます。
  • もちろん、つみたてNISA適格ではありません。

iFreeレバレッジS&P500は、E-mini S&P500株価指数先物取引、iFreeレバレッジNASDAQ100は、E-mini NASDAQ100種株価指数先物取引により2倍のレバレッジを実現しています。が、iFreeレバレッジATMX+は(できあいの)債券に投資することで実現します。信託報酬が2重にかかることを考えると、税抜き信託報酬0.94%はボッタクリじゃないかって思ってしまいます。

この組成内容はiFreeレバレッジFANG+にそっくりです。iFreeレバレッジFANG+もアイルランド籍のレバレッジのかかったパフォーマンス債券に投資します。

パフォーマンス債券の信託期間

iFreeレバレッジATMX+の信託期間は無期限ですが、現在投資しているボルト・インベストメンツ・ピーエルシーのパフォーマンス債券は2026年3月31日が償還日です。そのため、iFreeレバレッジATMX+はいずれ現在とは違う方法で2倍のレバレッジを実現するか、あるいはパフォーマンス債券の信託期間を延長する(無期限にする)予定なのかも知れません。

運用コスト

第一期運用報告書が公開される2022年6月下旬までは、公式には運用コストは不明です。が、隠れコストを除いても税込み1.224%もあるので、かなり高額なものになりそうです。

リターン比較

iFreeレバレッジATMX+とiFree NEXT ATMX+の比較

次はレバレッジのかかっていないiFree NEXT ATMX+とのリターン比較です。iFreeレバレッジATMX+の設定直後を避けた、2021年5月17日から2021年10月22日までです。

iFreeレバレッジATMX+とiFree NEXT ATMX+のリターン比較グラフ

赤のラインがiFreeレバレッジATMX+、緑のラインがiFree NEXT ATMX+です。青のラインはリターン差で、iFreeレバレッジATMX+ーiFree NEXT ATMX+です。

原資産であるATMX+指数が不調なので、2倍のレバレッジをかけているiFreeレバレッジATMX+はさらに残念な状況です。

2倍のレバレッジは期待通りか

次はiFreeレバレッジATMX+と、iFree NEXT ATMX+の日々の値動きを2倍にしたものとの比較です。

iFreeレバレッジATMX+と、iFree NEXT ATMX+の日々の値動きを2倍にしたものとのリターン比較グラフ

iFreeレバレッジATMX+が為替ヘッジされていることを考慮すると、この結果は期待通りに見えます。ATMX+指数に連動するETFかETNがあれば、為替ヘッジの効果を確認できるのですが、そういう商品は検索しても見つかりませんでした。

売れ行きは

次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は6.86億円です。設定日の純資産総額が2億円ありましたが、これは運営側による初期投資だと思われます。

設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

パフォーマンスが不調なので資金流入が頭打ちになっているのは理解できます。次はiFree NEXT ATMX+もプロットしたものです。

iFree NEXT ATMX+もプロットしたグラフ

緑のラインがiFree NEXT ATMX+です。どちらも頭打ちですね。パフォーマンスが向上すれば、それに連動して人気も高くなると思われます。

評価:高コストですが印象は悪くないです

iFreeレバレッジATMX+はアイルランド籍のパフォーマンス債券に投資するだけなのに、税抜き信託報酬が0.94%とボッタクリ感が強いです。その点において、iFreeレバレッジS&P500、iFreeレバレッジNASDAQ100の方が好感が持てます。でもATMX+指数の2倍レバレッジを実現する手軽な手段は他にないので、ニッチなニーズを満たす商品として価値があると言えるでしょう。

iFreeレバレッジATMX+は2倍ブル型である前に、投資対象が中国と香港のみという特殊性に留意すべきです。そのリスクの高さを理解した上で、上手な活用ができる人向きの商品ですね。

おすすめの関連記事

-新興国株式

© 2021 河童のインデックス投資 Powered by STINGER