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iFreeレバレッジFANG+の運用コストと評価

iFreeシリーズにはレバレッジ型ファンドが5本設定されています。でもその中身(運用形態)は同じではありません。やむを得ない事情あってのことだと思いますが、iFreeレバレッジFANG+の組成内容は、iFreeレバレッジS&P500、iFreeレバレッジNASDAQ100より残念なものです。

更新情報

第一期運用報告書の内容を反映させました。また、参照しているデータを最新版に更新しています。

iFreeレバレッジFANG+

iFreeレバレッジS&P500、iFreeレバレッジNASDAQ100の設定から2年近く遅い、2020年8月19日に税抜き信託報酬0.895%で設定されました。先輩たちの税抜き信託報酬が0.90%なのでほぼ同じ水準かと思いそうですが、実は違います。

  • アイルランド籍STAR Helios plcのパフォーマンス連動債券に投資することで、日々の基準価額の値動きがNYSE FANG+指数の値動きの2倍程度となることを目指します。
  • パフォーマンス債券の報酬が年率0.29%かかります。パフォーマンス連動債券の運用コスト(俗に言う隠れコスト)が別途かかります。
  • そのため目論見書には、実質的に負担する運用管理費用は税込み1.2745%とあります。高いですね。
  • 円で為替ヘッジされます。
  • 購入時手数料税抜き2.0%が設定可能で、証券会社を選ばないとしれっと徴収されます。
  • もちろん、つみたてNISA適格ではありません。

iFreeレバレッジS&P500は、E-mini S&P500株価指数先物取引、iFreeレバレッジNASDAQ100は、E-mini NASDAQ100種株価指数先物取引により2倍のレバレッジを実現しています。が、iFreeレバレッジFANG+は(できあいの)債券に投資することで実現します。信託報酬が2重にかかることを考えると、税抜き信託報酬0.895%はボッタクリじゃないかって思ってしまいます。

パフォーマンス債券の信託期間

iFreeレバレッジFANG+の信託期間は無期限ですが、現在投資しているSTAR Helios plcのパフォーマンス債券は2023年8月7日が償還日です。え?実は大和アセットマネジメントはiFreeレバレッジFANG+と同日に、よりボッタクリ感の高い、FANG+2倍ブルとFANG+2倍ベアも設定しています。それらもSTAR Helios plcのパフォーマンス債券を利用しますが、信託期間は2023年8月までです。

そのため、iFreeレバレッジFANG+はいずれ現在とは違う方法で2倍のレバレッジを実現することになるはずです。あるいは、パフォーマンス債券の信託期間が無期限になるのかも知れません。

運用コスト

次は運用報告書から計算したトータルコストです。iFreeレバレッジNASDAQ100と比較しています。

iFreeレバレッジFANG+の運用報告書から計算したトータルコスト

信託報酬にはパフォーマンス債券の信託報酬を加算しています。iFreeレバレッジFANG+は隠れコストが極小ですが、売買委託手数料が計上されていないので真に受けない方がいいです。iFreeレバレッジFANG+はアイルランド籍の債券を売買しますが、債券の売買委託手数料は運用報告書で開示しなくていいそうです。(債券ファンドの運用報告書はみな一様に売買委託手数料を計上していません。)でも実際には売買委託手数料はゼロではありません。

信託報酬が支配的ですが、トータルコストは1.2915%もします。高いですが、FANG+指数に2倍のレバレッジをかけることを考えれば、このコストは許容範囲でしょうか。パフォーマンスに満足できるならそうですかね。

でも信託報酬が二重にかかっているので、大和アセットマネジメント部分はもう少し抑えて欲しかったです。

リターン比較

FNGOとのリターン比較

FNGOは2018年8月に設定された、NYSE FANG+指数の2倍ブル型ETN(米国籍)です。ETNなので配当金は出ません。次はFNGOの取引価格(ドルのまま)と、iFreeレバレッジFANG+のリターン比較です。2020年9月10日から2021年10月29日までです。iFreeレバレッジFANG+は為替ヘッジされるので、ドルのままのFNGOと比較しています。

FNGOとiFreeレバレッジFANG+のリターン比較グラフ

青のラインはリターン差で、FNGOーiFreeレバレッジFANG+です。青のラインは激しく暴れていますが、傾向としてはフラットです。これは、iFreeレバレッジFANG+の運用が期待通りであることを示しています。

なお、この比較方法だと青のラインが暴れるのは正常です。

iFreeレバレッジFANG+とiFree NEXT FANG+のリターン比較

次はレバレッジのかかっていないiFree NEXT FANG+とのリターン比較です。2020年9月10日から2021年10月29日までです。

iFreeレバレッジFANG+とiFree NEXT FANG+のリターン比較

青のラインはiFreeレバレッジFANG+ーiFree NEXT FANG+です。iFreeレバレッジFANG+は変動率が半端ないですね。

為替ヘッジの効果

iFreeレバレッジFANG+は円で為替ヘッジされます。それを好ましく思うかどうかは受益者によって異なると思いますが、その(コストの必要な)為替ヘッジはどれぐらい効いているのでしょうか。それを調べることは可能でしょうか。

次はiFreeレバレッジFANG+と、iFree NEXT FANG+の日々の値動きを2倍にしたものの比較です。iFreeレバレッジFANG+の設定直後を避けた、2020年9月10日から2021年10月29日までです。

iFreeレバレッジFANG+と、iFree NEXT FANG+の日々の値動きを2倍にしたものの比較グラフ

赤のラインが本物、緑のラインが計算で求めたものです。おおむね同じなんですが、ちょっと差ができていますね。

次は同じ期間におけるドル円の推移です。

2020年9月10日から2021年10月29日までのドル円の推移グラフ

本物と計算結果の差は、ドル円(つまり為替)が影響しているように見えますね。

次はFNGS(FANG+指数に連動するETF)の日々の値動きをドルのままで2倍にしたものと、本物の比較です。グラフのスケールは同じです。

FNGS(FANG+指数に連動するETF)の日々の値動きをドルのままで2倍にしたものと、本物の比較グラフ

青のラインは暴れていますが(それは正常です)、うねりはなくなり傾向としてはフラットになりました。為替ヘッジが効いた結果です。

iFreeレバレッジFANG+のレバレッジをかける仕組みは、iFreeレバレッジNASDAQ100、iFreeレバレッジS&P500と違うのですが、為替ヘッジは期待通り効いていますね

不人気です

次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は73億円です。

iFreeレバレッジFANG+の設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

設定直後は資金流入が継続するものの、すぐに頭打ちになる、典型的なダメパターンでした。その後資金流入を増やしたものの、2021年6月以降は資金流出傾向です。

iFreeレバレッジS&P500、iFreeレバレッジNASDAQ100もプロットしました。

iFreeレバレッジS&P500、iFreeレバレッジNASDAQ100もプロットしたグラフ

iFreeレバレッジFANG+は緑のラインのiFreeレバレッジS&P500よりも不人気です。青のラインのiFreeレバレッジNASDAQ100は絶好調です。

評価:高コストで不人気ですが印象は悪くないです

iFreeレバレッジFANG+はアイルランド籍のパフォーマンス債券に投資するだけなのに、税抜き信託報酬が0.895%とボッタクリ感が強いです。その点において、iFreeレバレッジS&P500、iFreeレバレッジNASDAQ100の方が好感が持てますが、僕の印象はそれほど悪くありません。(販路が異なる姉妹品の、FANG+2倍ブルとFANG+2倍ベアの印象はめっちゃ悪いです。)

レバレッジ型ファンドは必然的にリスクが跳ね上がりますから、自分のリスク許容度、暴落した時に回復に長い期間を要する可能性があることなどを分かった上で選択するものです。その観点では、iFreeレバレッジFANG+は高コストで不人気ですが、手軽にFANG+に2倍のレバレッジで投資できることは大きな魅力です。期待されるパフォーマンスと高いコストを天秤にかけて、どう判断するかは受益者に任されています。

でも、iFreeレバレッジNASDAQ100の人気の高さには、危うさを感じつつも妙に納得してしまいます。

なお僕はFANG+連動インデックスすら買っていないので、iFreeレバレッジFANG+に手を出すことはありません。

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