新興国株式

iFree NEXT ATMX+の運用コストと評価

iFree NEXTシリーズはニッチな指数への対応も積極的に進めています。iFree NEXT ATMX+は国営企業を除く中国株式にのみに投資します。iFree NEXT FANG+の中国企業特化版のイメージです。

iFree NEXT ATMX+は、国営企業を除いた中国企業に投資したい受益者にとって、とても魅力な商品だと思います。でも設定来のパフォーマンスは悲惨です。

iFree NEXT ATMX+

2021年3月24日に税抜信託報酬0.71%で設定されました。FactSet ATMX+指数に連動するインデックスファンドです。信託報酬はちょっと高めですが、連動する指数がニッチであることを考えれば許容範囲でしょう。

  • 投資対象地域は中国と香港だけです。
  • 為替ヘッジはありません。
  • 信託期間は無期限です。
  • ノーロードではありませんが、現在、購入時手数料を設定している販売会社はありません。
  • もちろんつみたてNISA適格ではありません。

FactSet ATMX+指数

FactSet ATMX+指数は、NYSE FANG+指数の中国企業特化版でしょうか。FANG+指数と同じ、10銘柄にしか投資しません。

FactSet ATMX+指数は、香港証券取引所に上場している「中国企業」の中で、業種(テック関連)・成長性・イノベーション指標の3要件を満たした銘柄のうち時価総額上位10銘柄を対象に構成された株価指数です。FactSet ATMX+指数は、これらの企業に等金額投資したポートフォリオで構成されています。

引用:目論見書

なお、FANG+指数は10銘柄に均等配分ですが、ATMX+指数はそうではありません。

次は投資対象銘柄のその比率です。現在11銘柄に投資していますね。

iFree NEXT ATMX+の投資対象銘柄とその比率一覧表

出典:月次報告書

テンセント、バイドゥ、シャオミ、アリババは個別株をやらない僕でも良く聞く銘柄です。

運用コスト

第一期運用報告書が公開される2022年3月頃までは、公式な運用コスト(トータルコスト)は計算できません。

リターン比較

iFree NEXT ATMX+とリターン比較するのに相応しい商品を選びました。

iFree S&P500との比較

次はiFree NEXT ATMX+の設定直後を避けた、2021年4月12日から2022年1月14日までの、iFree S&P500とのリターン比較です。

iFree NEXT ATMX+とiFree S&P500とのリターン比較グラフ

赤のラインがiFree S&P500、緑のラインがiFree NEXT ATMX+です。青のラインはリターン差で、iFree S&P500ーiFree NEXT ATMX+です。

iFree NEXT ATMX+が設定されてから中国株式は逆風にさらされていて、悲惨な状況です。逆張り志向の人でないと買いにくいですね。

iFree NEXT FANG+との比較

次はiFree NEXT FANG+とのリターン比較です。グラフのスケールは同じです。

iFree NEXT ATMX+とiFree NEXT FANG+のリターン比較グラフ

赤のラインがiFree NEXT FANG+です。FANG+の投資対象の16%はアリババとバイドゥです。中国株式に特化したiFree NEXT ATMX+の不調さが目立ちますね。

iFreeActiveチャイナXとの比較

iFreeActiveチャイナXはiFree NEXT ATMX+より3年前に設定された、中国株式への投資に特化したアクティブファンドです。

iFree NEXT ATMX+とiFreeActiveチャイナXのリターン比較グラフ

 赤のラインがiFreeActiveチャイナXです。どちらも不調ですが、まだiFreeActiveチャイナXの方が良いですね。

CXSEトータルリターンとの比較

CXSEは中国の国営企業を除いた株式に投資するETFです。(連動する指数はATMX+指数ではありません。)次は2021年4月12日から12月30日までのリターン比較です。

iFree NEXT ATMX+とCXSEトータルリターンのリターン比較グラフ

赤のラインがCXSEトータルリターンです。どちらも不調です。

VOOとCXSEのトータルリターン比較

次はS&P500種指数に連動するVOOとCXSEのトータルリターン比較です。CXSEの設定直後を避けた2012年10月10日から2021年12月30日までです。縦軸は対数です。

VOOとCXSEのトータルリターン比較グラフ

赤のラインがCXSEです。ボラティリティ(変動率)がとんでもないです。これだと比較開始日をちょっと変えるだけで圧勝・惨敗が入れ替わりますね。

次はコロナショックによる株価暴落直前の2020年年初からの比較です。

VOOとCXSEのトータルリターン比較グラフ,2020年年初から

赤のラインがCXSEです。コロナショック時の下落率が低く、その後の回復が素晴らしかったので話題に上がったようですが、2021年3月以降は成長できていません。テーマ型ファンドによく見られるバブル終了に、中国特有のリスクが重なった結果ですね。

売れ行きは

次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は8.88億円です。運営側による初期投資と思われる2億円は除いています。

iFree NEXT ATMX+の設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

パフォーマンスが不調なので資金流入が頭打ちになっているのはやむを得ないでしょう。ATMX+指数に期待している受益者がそこそこいるのも確かなので、パフォーマンスが向上したら人気も急上昇すると思われます。

でも中国共産党の最近の動きを見ていると、しばらく厳しい時代が続くかも知れないですね。

評価:中国株式の未来に賭けるならいいかも

iFree NEXT ATMX+は運用報告書がまだ公開されていないため、トータルコストが不明です。でもiFree NEXTシリーズの実績から推測すると、許容できる範囲に収まるのではないでしょうか。

それを踏まえて、中国株式の、ATMX+指数の未来に賭けるなら、iFree NEXT ATMX+は良い選択肢になると思われます。(しばらくは我慢を強いられそうですが。)人気が出て純資産総額が繰上償還を心配しなくて良い水準まで増えるかどうかは、今後のパフォーマンス次第ですね。

おすすめの関連記事

-新興国株式

© 2023 河童のインデックス投資 Powered by STINGER