iFree NYダウは、つみたてNISA適格でないことを除けば弱点がなく、特定口座で買うなら最良の選択肢です。つみたてNISA適格でないのは、NYダウ指数がつみたてNISAの指定インデックスでないため、設定から5年経過しないと適格申請できないという、厳しい制約によるものです。
iFree NYダウ
2016年9月8日に税抜き信託報酬0.225%で設定されました。以来、信託報酬は引き下げられていません。
iFree NYダウはあと9ヶ月で設定から5年経過し、晴れてつみたてNISA適格申請が可能になります。
また、iDeCoナビによると次の金融機関で扱われています。
- SBI証券(セレクトプラン)
- SBI証券(オリジナルプラン)
- 松井証券
- 信金中央金庫
運用コスト
次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。eMAXIS NYダウと比較しています。
隠れコストはどちらも驚くほど低水準です。次は隠れコストの明細です。
投資対象銘柄数が30しかないとこの程度しかかからない、ということかも知れません。
ETFもちょっとだけ買っています
iFree NYダウはDIA(NYダウ指数に連動するETF)を数%ですが買っています。iFree S&P500がIVVを買っているのに似ていますが、iFree S&P500のIVV比率は30%を超えることがあり、現物株運用ではありません。
iFree NYダウのDIA比率は高い時でも5%程度なので、現物株運用と言っていいでしょう。
リターン比較
DIAトータルリターンとの比較
NYダウ・ジョーンズ工業株価平均(NYダウ)に連動するETFにDIAがあります。iFree NYダウはほぼ現物株運用で、DIAの比率は数%ですが、DIAトータルリターンと比較することで運用コストの大小が分かります。
次は2018年年初から2020年11月30日までの、DIAトータルリターンとの比較です。
次はDIAトータルリターンの運用コストを年率0.21%ポイント増量したものとの比較です。
青のラインはほぼフラットになりました。コロナショックによる株価暴落時に段差ができていますが、他のリターン比較結果から気にしなくていいと思います。
eMAXIS NYダウとのリターン比較
次はeMAXIS NYダウとのリターン比較です。iFree NYダウの設定直後を避けた、2016年10月3日から2020年12月11日までです。
較です。iFree NYダウの設定直後を避けた、2016年10月3日から2020年12月11日までです。
赤のラインがiFree NYダウです。青のラインはiFree NYダウーeMAXIS NYダウです。きれいな右肩上がりの直線です。株価暴落時に凹んでいるのは正常です。
次はiFree NYダウの運用コストを年率0.43%ポイント増量したものとの比較です。
青のラインはほぼフラットになりました。株価暴落時の段差もありません。こんな結果、まぐれでは得られません。
この運用コストの増量分は、運用報告書から計算したトータルコスト差に符合します。
評価に見合った人気
次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は202億円です。
青の矢印の位置でコロナショックによる株価暴落が始まりましたが、そのタイミングで急激に買われています。この現象は他のNYダウ連動商品にも見られました。が、6月以降は頭打ちです。
eMAXIS NYダウもプロットしました。
緑のラインがeMAXIS NYダウです。株価暴落時の資金流入が顕著ですね。
iFree NYダウは低コストかつ良質な組成が評価され、eMAXIS NYダウよりも高い人気を獲得できていると思いますが、純資産総額だけ見ると大差ないです。
iDeCoで多く買われています
実は、iFree NYダウはiDeCoで多く買われています。次は直近1年間における、営業日ごとの資金流出入額の推移です。赤丸が付いているのは、iDeCoの約定日です。
5大ネット証券のiDeCo口座に限ると、NYダウ指数連動商品の選択肢はiFree NYダウとたわらNYダウの2つしかありません。このうち、SBI証券の2つのプランで座席を確保したのが、iFree NYダウです。現在の資金流入(人気)は、そのおかげかも知れませんね。
評価:特定口座で買うならiFree NYダウ一択です
iFree NYダウは低コストかつ組成内容が良質、運用も安定していることから、特定口座で買うならiFree NYダウ一択です。でも現在は、つみたてNISA口座で買うならeMAXIS NYダウ一択となります。
iFree NYダウはあと9ヶ月経過すれば、次の条件をクリアするので、指定インデックス投資信託以外でつみたてNISA適格申請が可能になります。
- 信託設定以降5年以上経過
- 純資産額が50億円以上
- 信託の計算期間のうち、資金流入超の回数が2/3以上であること
おそらく速攻で申請されるでしょう。