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【訂正記事】楽天証券で買う楽天全米株式はSBI証券で買うVTIに勝てるのか:負けません

仮想データの配当金の扱いに間違いがあったことが発覚したため、記事の内容を改めました。青のラインの形状、税引き後の評価額の差が間違っていました。大変申し訳ございません。

結論が変わりました。22年間負けないじゃなくて、負けません。なお、間違っていた過去の記事は恥ずかしいので非公開としました。

次の記事で月額予算5万円で、現実的な方法により、買付手数料無料化後のSBI証券でVTIを買うのと、楽天全米株式を買う場合を比較しました。

その結果分かったことは、VTIの買付には機会損失があるものの、楽天全米株式の運用コストはそれを相殺して余りあるほど重いということでした。

でも、いつまで継続されるかは分からないものの、楽天グループは、単独ではどう考えても赤字になる大盤振る舞いのサービスを提供中です。

  • 投資信託の積立投資を楽天カードで決済すると、月額5万円を上限に、1%の楽天スーパーポイントが付与されます。
  • 投資信託の保有資産額10万円ごとに、楽天スーパーポイントが毎月4ポイント付与されます。(年率0.048%相当)

このサービスで付与される楽天スーパーポイントは、投資信託の購入に充当可能です。また、楽天経済圏に取り込まれている人にとっては、現金と同等の価値があります。

そこで、楽天証券で楽天全米株式に積立投資を行い、楽天カード決済で付与されたポイントと、その保有資産に対して付与されたポイントを再投資したら、買付手数料無料化後のSBI証券で買うVTIに勝てるのか調べました。

比較方法

次の条件で比較用データを生成します。

  • VTIの期待リターンを年率6%とします。
  • VTIの配当金実績から、米国での10%課税後の配当金の利率を年率1.72%とします。
  • 1ドルは109円固定とします。
  • 楽天全米株式の運用コスト(VTIの経費率を除きます)を0.20%とします。

このデータを使って、楽天証券で買う楽天全米株式と、SBI証券で買うVTIの税引き後評価額の差を調べます。毎月の予算は5万円です。

SBI証券でVTIを積立投資する場合の為替手数料は1ドルあたり4銭、買付手数料はゼロとします。

譲渡税の税率は20.315%です。なお、積立投資の約定日はどちらも毎月初、VTIは配当金が出た日に再投資可能ならその日に約定したことにしています。

また、VTIの税引き後評価額を円で手にするには、売付け手数料と為替手数料が必要です。これは売り方で大きく変わるため、いつものように、記事中では無視しています。

楽天カード決済で積立投資

月額5万円までですが、投資信託の積立投資を楽天カードで決済することで、1%の楽天スーパーポイントが付与されるサービスは、ありえないレベルの大盤振る舞いです。これで付与されるポイントを再投資すると、利益率が1%改善されます。

この記事のシミュレーションでは、楽天カード決済で付与されるポイントを先取りで積立投資します。つまり、次の2つの積立設定を行います。

  • 楽天全米株式を楽天カード決済で毎月5万円積み立てます。
  • 楽天全米株式を証券口座から毎月500円積み立てます。

年率0.048%のポイント還元率

楽天証券でハッピープログラムを選択している場合、どんなにローコストの投資信託であっても、毎月の保有額10万円ごとに楽天スーパーポイントが4ポイントもらえます。10万円未満の端数は捨てられますが、それを無視すると年率0.048%のポイント還元率です。

この記事のシミュレーションでは、楽天全米株式の保有資産額に応じて付与されるポイントを、付与される月に先取りで積立投資します。実際には毎月変化するポイント分ぴったりには再投資できませんが、シミュレーションではそれを正しく行っています。

再投資しない場合

これは元記事のおさらいです。理屈を理解されている方は飛ばしてください。

再投資しない場合、10年間で0.45%の差が生まれました。

再投資しない場合のグラフ

青のラインは税引き後評価額の差です。税引き後評価額の求め方はこうです。

  • 楽天全米株式は、含み益に譲渡税が課税された残りです。
  • VTIは、含み益(=保有株数✕株価ー元本)に譲渡税を課税した残り+ドルで口座に残っている端数です。

青のラインが左端で大きく暴れるのは、(計算式と)分母が小さいためで、正常です。安定した後は、最初はプラスですが、傾向は右肩下がりで、わずか数年でVTIに負けます。

ここで見ているのは、次の2つの差です。

  • 楽天全米株式は毎月初5万円をきっちりリスク資産に投じることで、その全額がキャピタルゲインの恩恵を受けます。
  • VTIは取引価格の整数倍でしか買えないので、端数が翌月に繰り延べされます。その端数はキャピタルゲインの恩恵を受けません。これが機会損失です。

また、青のラインにある氷柱(つらら)のようなものは、配当金が出たタイミングで再投資できたことで生じたものです。想定通りです。

楽天カード決済で付与されるポイントのみ再投資

次は楽天カード決済で付与されるポイントだけを再投資した場合です。

楽天カード決済で付与されるポイントのみ再投資する場合のグラフ

青のラインが上方向にシフトしました。比較期間10年ではVTIに負けなくなりました。

年率0.048%のポイントのみ再投資

次は保有資産額に応じて付与されるポイントのみ再投資した場合です。

年率0.048%のポイントのみ再投資する場合のグラフ

青のラインの傾きが緩やかになりました。

保有資産額に応じて付与されるポイントは、理屈の上では、きちんと再投資すると、信託報酬を引き下げたのに近い効果が得られます。青のラインの傾きを決めているのは、楽天全米株式の運用コストですが、理屈通りに運用コストを削減したのと同等の効果が得られました。また、長期保有による課税の繰延効果も実感できます。

2つの合せ技

次は楽天カード決済で付与されるポイントと、保有資産額に応じて付与されるポイントの両方を再投資した場合です。

楽天カード決済で付与されるポイントと、保有資産額に応じて付与されるポイントの両方を再投資した場合のグラフ

凄いですね。

比較期間を30年に拡大しました。

比較期間を30年に拡大したグラフ

VTIに負けないことが分かりました。

結論:VTIに負けません

楽天全米株式の、保有資産全体にかかる運用コストは重いです。SBI証券で購入時手数料が無料化されたVTIを買う場合と比較すると、その重さが実感できます。が、現在楽天グループが提供している大盤振る舞いのサービスを活用すると、VTIに負けないことが分かりました。

楽天証券

この記事で扱ったテーマについて、快く思われない方がいるかも知れません。サービスの永続性が保証されていない、その度合を考えると確かに要注意な比較です。今から20年後、競争に生き残った証券会社なら、VTIの購入時手数料が無料である(再度有料化されていない)可能性は十分高いと思いますが、楽天グループの大盤振る舞いの2大サービスが生き残っているかは大いに怪しいですからね。

でも同時に、この記事で行ったシミュレーションは、あの2大出血サービスで付与されるポイントを原資にして行う、再投資の効果が非常に高いことを証明しました。改めて、廃止される前に最大限活用すべきだと言えます。

おまけ

次は楽天証券から届いた、1月7日約定分の通知からの引用です。

1月7日約定分の通知からの引用

どれもeMAXIS Slim先進国株式です。

  • 1つ目は楽天カード決済です。
  • 2つ目は楽天カード決済でもらえる500ポイント+年率0.048%のポイント分の再投資です。積立設定してあります。現在900円ですが、保有資産額が増えたら増額します。
  • 3つ目は一般NISAです。毎月10万円の積立設定をしています。基準価額が下落したら、スポット購入を行います。

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