投資信託の含み益はどれだけ大きくても、売却して現金化しなければ単なる口座上の数値でしかありません。数日後には含み益の大半がなくなっているかも知れないのです。
含み益がある時に売却して現金化する、つまり利益確定はいつすればいいのでしょうか。またいわゆるリタイア後の出口戦略はどうすればいいのでしょうか。人気投信ブロガーがどう考えているか、調べました。
おことわり
ブログ記事を引用する形でブロガーのみなさんの「出口戦略についての考え方」をご紹介していますが、現在は違う考えに変わっている、参照した記事が古い、解釈が違うなどあるかも知れません。不都合などありましたらご連絡お願いします。訂正・削除などご要望にお応えします。
嫌われる言葉「利益確定」
インデックス投資において、一般的に「利益確定」という言葉は嫌われます。それは短期売買だったり、タイミングを見計らった売買を想起するからでしょう。でも、インデックス投資の目的が資産形成なら、いつかは売却して現金化する必要があります。誰かに相続するのではなくて、自分で使うのであれば。
人気投信ブロガーのみなさんの見解
登場順に他意はありません。また、「人気」は僕の主観です。
「インデックス投資日記@川崎」のkenzさん
老後資金は必要な分だけ売却していけば良いとの考えです。
インデックスファンドを時期をずらして毎月購入しているのと同様、ファンドの売却時も一括ではなく、必要な分、時期をずらして売却(解約)するつもりです。
すこしづつリスク資産を切り崩していくため、絶妙な高値で売り抜けることはできませんが、逆に極端な下落時に全売却することもなくなります。(中略)
年齢が上がり、退職したり年収が減るなどでリスク許容度が低下するにつれて、リスク資産と無リスク資産の比率を40:60、30:70、20:80などのように無リスク資産比率を上げていく心づもりです。
またkenzさんは早期退職に伴い、リスク資産と無リスク資産の目標比率を5:5から4:6へ変更されたそうです。
資産全体のリスク資産:無リスク資産の目標比率は今までは5:5としていました。
現在は、早期退職制度を利用し退職しているため退職金が入ってきたので現金比率が増えています。
ただ、今後については不明なためにリスク許容度が低下したことから、目標とするリスク資産:無リスク資産比率は4:6とリスク資産比率を減らしました。
「いつか子供に伝えたいお金の話」の虫取り小僧さん
インデックス投資は一生続けていくとのことなので、必要な分だけ売却するのだと思われます。
「リスク資産と無リスク資産のリバランスのために一部売却する可能性はありますが、インデックス投資自体は一生続けていくつもりです。運用で資産を増やすというよりは、自分の金融資産の置き場として半分は世界中に分散しておきたい、という話です。全部を円資産で持っているのは居心地悪いので。定年後に資産を取り崩すときも、リスク資産と無リスク資産の割合は1:1を保ったままでいきます。70歳の爺さんになっても、自分のお金の半分はリスク資産で持ち続けます!」
引用:ダイヤモンドオンライン
積み立てもコツコツ、取り崩しもコツコツだそうです。
私の場合は、自分で決めたリスク資産と無リスク資産の比率を一定に保つようにコントロールしながら取り崩そうかなぁ、と妄想しています。
そのとき必要な金額を、その時点で(リスク資産と無リスク資産の)膨らんでいるほうから解約していく方法です(当然、あまりにも目標比率が崩れたら別途リバランスはします)。
「投資しているリスク資産の期待リターンはプラスである」という前提を持っているので、コツコツ積み立てたものをある日突然一括で解約するようなことは(今のところ)考えていません。
積み立てもコツコツ、取り崩しもコツコツ、です。
「吊られた男の投信ブログ (インデックス投資)」の吊ら男さん
収入がなくなったら売却で資産を取り崩しても、インデックス投資は一生やめないとの考えです。
人生の最後までインデックス投資を続けて、私が死亡すればその財産を相続するのが私のプランです。つまり、私が生きている間にインデックス投資からExitするつもりはありません。
人生の最後まで続くインデックス投資の中では、給与などのインカムがあるうちは資産を積み上げ、インカムが減少すれば資産の積立額が減り、インカムがそれ以上に減れば資産を取り崩していく、というのものです。
資産を取り崩している最中に暴落が来たらどうするの?という良くある疑問には、次の記事で回答されています。
「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)」の水瀬ケンイチさん
水瀬ケンイチさんは、リタイア後は他の方よりはリスクを取られない模様です。
退職後の人生を区切り、前半は運用しながら定率取り崩し、後半は運用をしないで定額取り崩し
→良いアドバイスだと思います。
前半は運用しつつ定率解約で資産の減少を抑え、後半は運用をやめて安全資金を定額で安定的に取り崩していく。前半の運用成績に左右されるとはいえ、判断力が衰える後半では運用しないというのは、なるほどなと思いました。
皆さん微妙に違います。正解がないからでしょう。
私自身はリタイア後は現金および日本債券の比率を7割程度まで高めようと考えています。
また、出口戦略についてこう書かれています。
インデックス投資本を一冊だけ選ぶとしたら、これ以外に考えられない「お金は寝かせて増やしなさい」の中でも解説されています。
「ますい画伯とインデックス投資?」のますい画伯さん
ますい画伯さんは、シンプルに必要分だけ取り崩す考えのようです。
必要になったときに必要な分だけ、アセットアロケーションを見ながら取り崩すだけだとシンプルに考えてます。
「絶対に儲かる投資法」でないのはわかっているので、損をしていても同じです。
ますい画伯さんのブログには「サテライト」が出てきます。
自分も、持てるだけ持って、必要が生じた時に、必要な分だけ徐々に取り崩せばいいと考えます。
ですが、サテライトは別で、動きたいときに柔軟に動きます。
「サテライト」とは意図的にリスクをとって大きなリターンを狙う投資先を指すようです。
ますい画伯さんのブログには揺れる方針や気持ちがリアルに綴られていて、より身近に感じます。
「NightWalker's Investment Blog」のNightWalkerさん
、NightWalkerさんは出口戦略については柔軟な考え方のようですが、定口解約を好まれていますね。
今は放置の我がポートフォリオもいずれは取り崩すことになります。おそらく、私の出口戦略の考え方も変化していくでしょう。そんな私の今現在の取崩しプランは、
- #3と#5の併用。投資信託は→一定の期間できれいさっぱり現金化。ETFだけ遺す。
- 使いたいときには現金化してあるところから使い、リスク資産は運用キープ・・・だが出たとこ勝負。
こんな感じです。私の場合、投資対象の変遷があったので、あれこれ悩むわけですが、今からだったら、こんな感じが美しそうです。
- 資産形成期:ひたすらeMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)を積み立てる。
- 資産活用期:定口10〜20年くらいで現金化する。
- 現金化したからと言って、全部使うわけではない。残りが遺産。
みなさんいろいろですね。
「40代でアーリーリタイアしたおっさんがたわら先進国株でベンツを買うブログ」のたわら男爵さん
たわら男爵さんは、出口戦略に否定的です。
インデックス投信ブロガーの中で、出口戦略に言及する人がいます。
運用期間の最後でリーマンショック級の大暴落が来たらどうする?
と心配しているわけですが、はっきり言いましょう。今からそんな心配をするのはナンセンスです。
(中略)
というわけで、今から出口戦略などと言っている人は、指数の期待リターンの可能性を疑っているに等しいことを自覚すべきです。
指数の期待リターンを疑う人がインデックス投資をすると、ホールドできずに途中で手放すことになり、最終的に不幸になります。もっとも、運が悪い人も確かに存在します。
そういう場合は潔く諦めるしかありません。引用:出口戦略はナンセンス
確かにそういう考え方もありますね。
「こつこつとスマートに暮らそう」のひめだかさん
ひめだかさんは定率解約を好まれています。
結論としては、期待リターンより若干低い割合の解約でもそこそこの現金化が可能ではないかというものでした。
あくまでこの考えは皮算用そのものですので、うまくいくとは限りません。
ただ、もしものときに頑張ってたくわえてきたインデックスファンドです。
それを老後を待たずに利用しなければならないときには、極力元本を減らさず現金化するにはどうしたらいいのかについて少し考えておいたら将来の役に立つのではないかと感じました。
若いうちから出口戦略を考えておきたい、との考えです。
「東北投信」のみらいさん
出口戦略について検証記事を書かれています。定額、定口、定率が網羅されています。
ご本人に確認したところ、みらいさんは「定率」を好まれているようですが、確定ではないそうです。
つみたてNISAの出口戦略は簡単だよって記事も書かれています。
僕もそう思います。
僕の出口戦略
僕は現在スリム先進国株式に集中投資していますが、資産を取り崩しながら生活するようになったら、リスク資産の大半を債券にシフトするつもりです。言わば、そこで利益確定するようなものです。そのために、債券について勉強中です。