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2020年のつみたてNISAで年初一括投資は不利でした

つみたてNISAは、制度設計の趣旨から考えると毎月とか毎日とかの積み立てでしか利用できないのがあるべき姿だと思うのですが、金融機関によっては実質年初一括投資が可能です。利用者から見れば、購入方法に自由度があった方が便利であることは間違いありませんから、制度設計の趣旨は置いといて、年間最大投資可能枠40万円をできるだけ柔軟に活用出来る方が好ましいでしょう。

積立投資 vs 一括投資

投資可能な余裕資金が手元にある時、今すぐ一括投資した方が、毎月だろうが毎日だろうがある期間をかけて投資するよりも有利とされるのは、単純な算数です。基準価額は時間が経てば経つほど上昇することを期待して投資するため、一括投資した場合の取得価額の方が、ある期間をかけて投資した結果得られる平均取得価額を下回る可能性の方が高いからです。

そのため、積立投資に意味はないとさえ言われることもありますが、僕は積立投資はインデックス投資家のベストプラクティスだと信じています。その上で、次の条件を満たせるなら、一括投資すればいいと考えています。

  • 一括投資するだけのまとまった余裕資金がある。
  • 一括投資直後に基準価額が暴落しても後悔しない自信がある。

つみたてNISAで年初一括投資

積み立てを毎月行う場合、毎月の積み立て額の上限は33,333円(40万円÷12ヵ月)ですが、ボーナス月設定が可能な主要ネット証券では、毎月100円積み立て+1月にボーナス設定398,800円で実質年初一括投資が可能です。

僕は、毎月同額を積立投資するのが最良だと信じていますが、つみたてNISAは非課税枠が40万円と大きくないので、40万円近くを年初に一括投資した直後に暴落しても後悔しない自信がある場合は、年初一括投資も悪くないと思っています。(僕自身は一般NISAしか利用していません。)

が、2020年のつみたてNISAの年初一括投資は不利でした。毎月積立投資の圧勝です。それを具体的な数値でお見せします。

シミュレーション方法

  • つみたてNISA適格商品で、2020年1月6日より前に設定されていたものの多くを対象にしています。
  • 積立投資は、毎月初に33,333円を積み立てるのを12ヶ月継続します。
  • 年初一括投資は、1月は398,900円、2月以降は100円を積み立てます。
  • 2020年12月末の評価額の利益率を比較します。

表の見方

  • 積立投資の利益率が高い順に並んでいます。左端にある順位は積立投資の利益率のものです。
  • 年初一括投資の方が有利だったものは行を緑にしています。6商品だけです。

利益率の差(積立投資ー年初一括投資、単位は%ポイント)の大きさにびっくりすると思います。

1位から40位まで

表が長いので分割しています。まず40位までです。

1位から40位までの一覧表

右端の列の、利益率の差の大きさにびっくりしませんか。

41位から80位まで

41位から80位までの一覧表

81位から120位まで

81位から120位までの一覧表

積立投資はプラスでも、年初一括投資はマイナスという商品もありますね。

121位から160位まで

121位から160位までの一覧表

161位以降

161位以降の一覧表

最下位の東京海上円資産インデックスバランス以外は、積立投資だとみなプラスでした。年初一括投資だとマイナスのものが結構あります。

グラフの説得力

会社員時代に、プレゼンではグラフを使えと何度も指導されました。人間は、年行も続く表から変化をイメージできないからです。

グラフの説得力は表の比ではありません。

積立投資と年初一括投資の利益率のグラフ

青のラインは積立投資の利益率です。オレンジのラインは年初一括投資の利益率です。商品によって違いますが、ほぼ、年初一括投資を選択した人の思惑は外れだった、それも十分大きな差で、というのが視覚的に分かります。

2020年のつみたてNISAは年初一括投資が不発な理由

次はスリム全世界株式(オール・カントリー)の基準価額の、2020年年初からの推移です。

スリム全世界株式(オール・カントリー)の基準価額の、2020年年初からの推移グラフ

株式は2019年冬から絶好調で、強気相場を謳歌していました。ところが2020年2月21日に始まった、コロナショックによる株価暴落で急落しました。そこから年末にかけて急速な回復を見せていますが、年初から年末でみると、利益率は10.5%です。

毎月積み立てだと、良く馬鹿にされる「ドルコスト平均法」の利点が働いて、年初一括投資より安く買うことができる(=平均取得価額を下げられる)ので、利益率が上がるわけです。年初一括投資だと取得価額は青の水平線ですが、毎月積み立てだと青の水平線より下の水準で買い付けることができ、その結果、平均取得価額を下げられたのです。

オール・カントリーだと、積立投資の利益率は17.3%です。

利益率の求め方

つみたてNISAの2020年分の非課税枠40万円については、今後基準価額がどうなろうと、積立投資と年初一括投資の優劣が逆転することはありません。それは、利益率が次の計算式で決まるからです。

利益率=(現在の基準価額ー平均取得価額)÷平均取得価額

そして、もう2020年分は投資が完了しているため平均取得価額は不変ですから、積立投資と年初一括投資の優劣も変わりません。

これは単純な算数で、利益率を高くするには平均取得価額を下げれば良いと言えます。平均取得価額を下げるには、安い時に買えばいいのですが、通常それはうまく行きません。未来の基準価額を正確に予測するのは不可能だからです。

2020年について言えば、2019年冬から継続していた(不思議な)強気相場がそのまま続く方に賭けるなら年初一括投資が有利、急落することもある方に賭けるなら積立投資が有利で、どっちがいいかは誰にも分かりませんでした。

つまり、その1年間の基準価額の推移を正確に予測できない以上、どちらを選んでも賭けになります。積立投資を普通とするなら、年初一括投資が賭けだと言えるかも知れませんが、統計的には一括投資の方が有利なので、そうとも言い切れないです。

結論:2020年のつみたてNISAは積立投資の圧勝で終わりました

2020年のつみたてNISAは積立投資の圧勝で終わりましたが、いつもそうなるとは限りません。もし、つみたてNISAは年初一括投資に限るとか、年初一括投資を強くおすすめする、という記述を見たら、それは正しくないので注意してください。誰にでも適用できる、万能な投資方法は存在しません。幅広く情報を集めて、自分に最適な投資方法を選択してください。

2021年の予想

これは僕の勝手な予想です。

2021年のつみたてNISAで年初一括投資を選択すると、がっかりしそうな気がしています。このまま強気相場が継続する方に賭けるのは、楽観的過ぎると思うのです。そっちに賭けるよりは、楽天カード決済で1%のポイントをもらいながら、普通に積立投資した方が報われるのではないでしょうか。あ、そのポイントは特定口座で同じ商品を積み立てるのに使うのがいいですよ。

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