バランスファンド

投資のソムリエの運用コストと評価

投資のソムリエは、たわらノーロードシリーズで有名なアセットマネジメントOneが運用している、リスクコントロール型バランスファンド(アクティブファンド)です。8資産への投資と現金の配分比率を動的に変更することで、リスク(変動率)を低く抑えることを目標にしています。でもこの手の戦略の多くが、コロナショックによる株価暴落時に失敗しています。

投資のソムリエ

2012年10月26日に設定されたそこそこ歴史のある商品です。おそらく設定時から税抜き信託報酬1.4%だったと思われます。設定時の相場から見ても高いですね。

投資のソムリエは、リスクコントロール型バランスファンドで、変動率(リスク)を抑える運用を行うアクティブファンドです。運用しているのは(同種のファンドが好きな)アセットマネジメントOneです。

金融機関を選ばないと購入時に税抜き3%もの手数料を徴収されます。また、年2回分配を継続しています。金融機関の窓口で使われるセールストークが頭に浮かびますね。

目論見書にはこうあります。

当ファンドは、資産価格に影響を与える「変動要因」に着目し、それぞれの変動要因からファンドが受ける影響が均等になるように配分することで、各時点においてもっとも分散効果が期待できる資産配分比率および通貨配分比率を決定します。

引用:目論見書

8資産均等型と同じ資産に投資しますが、先進国債券は為替ヘッジありです。国内債券と先進国債券を安定資産、それら以外をリスク性資産として扱います。

投資対象資産の図

引用:目論見書

基本比率はこうなっています。リスクを年率4%程度に抑えるため、債券比率が高いです。

投資対象資産の基本比率の図

引用:目論見書

さらにファンドマネージャーが相場に応じて配分比率を変更します。

配分比率を変更する説明の図

運用コスト

次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。

運用報告書から計算したトータルコスト表

隠れコストは安いですが、信託報酬が支配的で、トータルコストは1.5%を超えています。リスクを低く抑えるバランスファンドに、それだけの高いコストを支払う価値があるかと言うと、まずないですね。

2021年にこんなボッタクリ感の強い商品が良く生き残っているものだと思ってしまいます。

リターン比較

投資のソムリエと比較するのに相応しい商品を選びました。なお、投資のソムリエの分配金は再投資していません。分配金を考慮するとわずかにリターンが改善されることに留意して下さい。

eMAXISバランス(8資産均等型)との比較

次は投資のソムリエの設定直後を避けた2012年11月12日から2021年10月15日までの、eMAXISバランス(8資産均等型)とのリターン比較です。縦軸は対数です。

2012年11月12日から2021年10月15日までの、投資のソムリエとeMAXISバランス(8資産均等型)のリターン比較グラフ

緑のラインが投資のソムリエです。債券比率が高いのでこうなってしまうのはしょうがないですね。でもリスクを抑える運用ですから、これは期待通りと言えるかも知れません。

コロナショック後の様子

リスクコントロール型ファンドの多くは、コロナショック時の対応が不適切でその後の回復状況が悲惨です。次は2018年年初からのeMAXISバランス(8資産均等型)とのリターン比較です。

2018年年初から2021年10月15日までの、投資のソムリエとeMAXISバランス(8資産均等型)のリターン比較グラフ

コロナショックによる株価暴落前は変動率は低く抑えられ、それでいてリターンも相応にありました。青のラインがヨコヨコで推移しているのがそれを示しています。コロナショックによる株価暴落時の下落率は極度に小さかったものの、その後ほとんど成長できていません。リスクコントロール型ファンドが露呈する典型的な弱点です。

次は2020年年初からの比較です。

投資のソムリエとeMAXISバランス(8資産均等型)のリターン比較グラフ、2020年年初から

リスクを抑えて欲しいとは言っても、こんなに成長できないものでしょうか。

楽天バランス(債券重視型)とのリターン比較

次は債券比率が70%もある、楽天バランス(債券重視型)との比較です。楽天バランス(債券重視型)の設定日直後を避けて2018年8月1日からの比較です。

楽天バランス(債券重視型)と投資のソムリエのリターン比較グラフ

緑のラインが投資のソムリエです。確かにコロナショック時の下落率の低さは素晴らしいですが、その後明らかに成長が止まっています。債券比率70%でもこれだけ成長できることを考えると、やはりコロナショック時の運用に問題があったと考えていいでしょう。

リスクコントロール世界資産分散ファンドとの比較

アセットマネジメントOneは投資のソムリエの姉妹品と言っても良い商品を運用しています。リスクコントロール世界資産分散ファンドです。投資対象資産は同じですが、リスクコントロールのやり方は違います。

次はリスクコントロール世界資産分散ファンドの設定直後を避けた、2018年6月11日からの比較です。

投資のソムリエとリスクコントロール世界資産分散ファンドのリターン比較グラフ

赤のラインが投資のソムリエです。リスクコントロール世界資産分散ファンドよりはずっといいですね。

びっくりするほど売れています

次は投資のソムリエの設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は6,225億円もあります。

投資のソムリエの設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

黄色に塗った期間は、投資のソムリエの残念さが明らかになっていたのに、それでも良く売れています。直近90日間の資金流入額は506億円ですが、オール・カントリーは659億円なので、その人気の高さが分かると思います。

僕の感想は、資金があっても投資信託に関する知識・コスト意識がないとこういう残念な、ボッタクリ感の強い商品を買わされるのかな、というものです。言い過ぎでしょうか。

評価:おすすめしません

投資のソムリエがこれだけ売れていることが不思議です。おそらく受益者には投資信託を自分で評価する能力などなく、勧められる(金融機関にとって利益の大きい)商品を買わされているのだと思います。

リスクコントロール型ファンドの良し悪しとは別に、自分が何にコストを支払っているのかを考えられるなら、投資のソムリエは選択しないと思うのです。この組成で、購入時手数料税抜き3%、信託報酬1.4%はボッタクリでしょう。

僕は選択肢が豊富にある普通のバランスファンドから、自分のリスク許容度にあったものを選ぶのが無難だと思います。その場合は期待リターンが予想できるからです。また、リスク資産に投資してそこからリターンを得るのがインデックス投資なので、変動率の高さには慣れるのが一番だとも思います。

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