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【債券研究】為替ヘッジコストは高いですがそれでも僕は払います

僕は資産形成期の投資対象は株式100%のインデックスファンドが良いと考える「債券不要論者」です。資産形成期には株式100%のボラティリティー(変動率)の高さを許容する代わりに、高い期待リターンが生み出す複利効果を活かすのが良いという考え方です。

が、いずれ資産形成期は終わり、資産を取り崩しながら生活する時が来ます。不老不死ではないからです。その時にはポートフォリオのリスクを下げるため、株式100%から債券への大胆なシフトを考えています。債券を利用した出口戦略です。

その条件のひとつに為替ヘッジをあげていますが、為替ヘッジにはコストがかかります。決して安くはありません。いや、高いですが、それでも僕は払います。

更新情報

参照しているデータを最新版に更新しました。

iシェアーズ米国債7-10年 ETF

iシェアーズ米国債7-10年 ETFは次の記事に登場しました。

このETFには為替ヘッジなしとありの2種類が存在します。次はiシェアーズ米国債7-10年 ETFの為替ヘッジあり、なしのリターン比較です。2017年10月16日から2020年9月18日までです。

iシェアーズ米国債7-10年 ETFの為替ヘッジあり、なしのリターン比較グラフ

赤のラインがヘッジなし、緑のラインがヘッジありです。ヘッジありの方が値動きの幅が狭いです。

為替の影響

次はiシェアーズ米国債7-10年 ETF(ヘッジなし)とドル円のTTM(仲値)の推移の比較です。

iシェアーズ米国債7-10年 ETF(ヘッジあり)とドル円のTTM(仲値)の推移の比較グラフ

赤のラインがiシェアーズ米国債7-10年 ETF(ヘッジなし)、緑のラインがドル円の推移です。この期間におけるドル円の変動率は6%を超えています。結構大きいですね。

次はドル円のTTM(仲値)の過去10年間の推移です。

ドル円のTTM(仲値)の過去10年間の推移グラフ

最小75円から最大125円まで変動しています。インデックス投資の出口戦略として米国債券を利用した場合、大きな為替変動リスクにさらされます。米国債券の値動きが小さくても為替変動実績は半端ないからです。

為替ヘッジの効果

iシェアーズ米国債7-10年 ETFのヘッジなしとありの違いはまさに為替ヘッジの有無だけのように思えます。公開されている資料によると実際に売買している債券にも差があるようですが、基本的には為替ヘッジの有無だけではないでしょうか。

次はヘッジなしのデータにドル円の変化を乗じた合成結果と、ヘッジありの比較です。合成結果はコストゼロで為替ヘッジしたのと等価です。

ヘッジなしのデータにドル円の変化を乗じた合成結果と、ヘッジありの比較グラフ

赤のラインが本物のヘッジあり、緑のラインが合成結果です。理屈の上では為替ヘッジがロスなく行われれば、緑のラインは赤のラインと重なるはずです。が、為替ヘッジにはコストがかかるのでヘッジありはリターンが劣化すると考えられます。

実際はもっと複雑かも知れませんが、この記事では合成結果と本物の差を「広義の為替ヘッジコスト」とします。

次はリターン差をプロットしたものです。

リターン差をプロットしたグラフ

リターン差を示す青のラインは、変動していますが見事な右肩上がりです。この青のラインの傾きが為替ヘッジコストを示しているはずです。次は上から合成結果のコストを年率0.16、0.20、0.24%ポイント増量したものとの比較です。

次は上から合成結果のコストを年率0.16、0.20、0.24%ポイント増量したものとの比較グラフ

年率2.0%ポイントの増量が適量のようです。よってこの比較期間における為替ヘッジコストの平均は2.0%とします。

信託報酬の感覚からするとずいぶん高いですね。為替ヘッジコストって、本当にそんなに高いものでしょうか。

米ドル円のヘッジコスト

米ドル円のヘッジコストを決める主要因はドルの短期金利と円の短期金利の差です。次は大和アセットマネジメントのマーケットレターからの引用です。

米ドル円のヘッジコストの推移グラフ

引用:為替ヘッジコストについて

ヘッジコストも変動が大きいことが分かります。2%は当たり前、高い時は3%を超えていますね。リターン差から推測した年率2.0%ポイントは妥当な水準ではないでしょうか。

上場インデックスファンド米国債券 ETF

上場インデックスファンド米国債券 ETFは次の記事に登場しました。

同じ比較をしてみました。

上場インデックスファンド米国債券 ETFの合成結果とヘッジありのリターン比較グラフ

青のラインは不思議なくらい暴れが少ないですね。

次は合成結果のコストを年率2.0%ポイント増量したものとの比較です。

合成結果のコストを年率2.0%ポイント増量したものとヘッジありのリターン比較グラフ

いい感じになりました。

米国債券ETFに期待すること

僕がインデックス投資の出口戦略として、米国債券ETFに期待するのは次の2つです。

  • 資産を取り崩す時(必要なだけ売却する時)の取引価格が購入時と大して変わらない。上がっていることは求めない。(キャピタルゲインはいりません。)
  • 年間の配当金合計が税引き後で年率1%以上。

保守的でしょ。でもこれでいいんです。

この出口戦略を発動するのは株高で政策金利が上がっている時です。FRBが景気の過熱を抑えるために金融引き締めをしている最中です。スリム先進国株式の含み益が十分あり、もういいだろうと思えた時に雑念を捨てて(際限のない欲を抑えて)スリム先進国株式を売却して対象の米国債券ETFを買います。

僕の目的には為替ヘッジが必須ですが、そのコストは安くありません。正直高いです。それでも僕は払う価値があると思っています。他に、これより有利な出口戦略を知らないためです。

先進国債券でもいいですが

先進国債券インデックスファンドも有力な候補ですが、これは通貨が単一ではないため同じ検討ができません。でも似たような水準のコストがかかると思った方がいいでしょう。

次の1サイクルが終わるまでに

現在、世界経済はコロナショックによる株価暴落からの回復途上にあります。僕は次の暴落までの1サイクルが終わる前に、出口戦略を発動するつもりでいます。よって、過去の例にならうなら考える時間はたっぷりあります。(暴落の周期が10年程度である保証はないのが難しいところです。)

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