インデックス投資

iシェアーズ先進国リートの運用コストと評価

iシェアーズ先進国リートは不人気で売れていません。シリーズに知名度がなく、信託報酬が最安水準でもないと選択してもらうことが困難になります。それでも販売力があれば売れることがありますが、iシェアーズ先進国リートにはそれもないようです。

iシェアーズ先進国リート

2013年9月26日に、税抜き信託報酬0.59%で設定されました。当時の最安水準はFunds-i 外国REITの0.55%でしたので、微妙な設定でした。その後、1回引き下げられていますが、それも最安水準には届かない消極的なものでした。

設定当時はi-mizuho先進国リートしたが、その後iシェアーズ先進国リートに改名されました。

次はiシェアーズ先進国リートの信託報酬引き下げ履歴です。

信託報酬引き下げ履歴表

ベンチマークはS&P先進国REIT指数(除く日本)です。購入時手数料、解約時信託財産留保額共にゼロです。

先進国リートインデックスは株式に投資しないため、つみたてNISA適格要件を満たせません。そのため、iシェアーズ先進国リートはつみたてNISA適格ではありません。

運用コスト

次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。スリム先進国リートと比較しています。

運用報告書から計算したトータルコスト表

iシェアーズ先進国リートは隠れコストが異様に高いです。トータルコストはアクティブファンド並の1.12%です。

次は隠れコストの明細です。

隠れコストの明細表

保管費用、監査費用、その他が高いです。決算期によって変動が大きいですが、他の先進国リートインデックスに比べて明らかに高いです。

リターン比較

先進国リートのリターン比較には、株式インデックスには見られない、理解できない現象が観測されます。そのことに注意しないで単純にある期間での騰落率を比較すると、間違った判断をしてしまいます。

スリム先進国リートとの比較

次はスリム先進国リートの設定直後を避けた、2019年11月15日から2021年3月5日までの、iシェアーズ先進国リートとの比較です。

iシェアーズ先進国リートとスリム先進国リートのリターン比較グラフ

赤のラインがスリム先進国リートです。青のラインはリターン差で、スリム先進国リートーiシェアーズ先進国リートです。コロナショックによる株価暴落時にできた段差(スリム先進国リートよりも大きく下落した)は分かるとして、11月の上振れはおかしいですね。

eMAXIS先進国リートとの比較

次はiシェアーズ先進国リートの設定直後を避けた、2013年10月10日から2021年3月5日までの、eMAXIS先進国リートとの比較です。

iシェアーズ先進国リートとeMAXIS先進国リートのリターン比較グラフ

青のラインはeMAXIS先進国リートーiシェアーズ先進国リートです。大きな段差を除くと青のラインの傾向は右肩上がりです。eMAXIS先進国リートの方が低コストなので期待通りの結果に見えます。

が、グラフのスケールを拡大すると、必ずしも期待通りでないことが分かります。

iシェアーズ先進国リートとeMAXIS先進国リートのリターン比較グラフ、スケールを拡大

2019年頃からリターン差がありません。これは運用報告書から計算したトータルコストと符合しません。

Funds-i 外国REITとの比較

次は2013年10月10日から2021年3月5日までの、Funds-i 外国REITとの比較です。

iシェアーズ先進国リートとFunds-i 外国REITのリターン比較グラフ

青のラインはFunds-i 外国REITーiシェアーズ先進国リートです。Funds-i 外国REITは運用報告書から計算したトータルコストよりもリターンが高いことが分かっており、この比較結果は期待通りです。

売れ行きは

次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は4.85億円しかありません。これはこのブログでレビューしている先進国リートインデックスで最少です。

設定来の資金流出入額の累計の推移

まだ資金流入がありますが、これから売れるようになるとは思えません。繰上償還のリスクが高いと思います。

繰上償還のリスクを甘く見てはいけません

運用会社のブラックロックは、iシェアーズシリーズの前身であるi-mizuhoシリーズ10本を繰上償還しています。

繰上償還されたi-mizuhoシリーズ10本

引用:プレスリリース

iシェアーズ先進国リートの為替ヘッジあり版も含まれています。繰上償還は決して珍しいものではありません。そのリスクを甘く見てはいけません。

買う価値ありません

iシェアーズ先進国リートは高コストかつ不人気で、シリーズの知名度も低く、安心して長期投資できる対象とは思えません。同じベンチマークに連動する、よりローコストな選択肢がたくさんあるので、iシェアーズ先進国リートを買う価値はありません。

おすすめの関連記事

-インデックス投資

© 2021 河童のインデックス投資 Powered by STINGER