米国株式

iシェアーズ米国株式インデックスの運用コストと評価

投資信託の難しいところは、同じ指数に投資するものであっても、人気を獲得できるかどうかは実際に販売してみないと分からないことです。現在、スリム米国株式(S&P500)とSBIバンガードS&P500が大人気ですが、同じ指数に投資する商品は過去にもありました。でもそれらは人気の獲得ができなかったのです。

iシェアーズ米国株式インデックスもそんな商品のひとつです。

iシェアーズ米国株式インデックス

2013年9月3日に税抜き信託報酬0.57%で設定されました。当時の名称はi-mizuho米国株式インデックスでした。IVV(S&P500種指数に連動するブラックロック社のETF)を買うだけのインデックスファンドです。

次は信託報酬引き下げ履歴です。引き下げと同時に名称をiシェアーズ米国株式インデックスに変更しました。

信託報酬引き下げ履歴

税抜き信託報酬を0.375%に引き下げた時には、iFree S&P500が税抜き信託報酬0.225%でありました。また、公平な表現をするなら、税抜き信託報酬は0.415%(IVVの経費率0.04%を含みます)となります。

iシェアーズ米国株式インデックスはつみたてNISA適格ではありません。要件は満たしているはずですが、なぜか適格申請をしていないようです。

運用コスト

次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。スリム米国株式(S&P500)と比較しています。

運用報告書から計算したトータルコスト表

iシェアーズ米国株式インデックスの隠れコストは低廉ですが、信託報酬+IVVの経費率が高いので、トータルコストは競争力のない水準です。

IVVトータルリターンとのリターン比較

次はIVVトータルリターンとの比較です。iシェアーズ米国株式インデックスが税抜き信託報酬を0.375%に引き下げた、2018年2月3日から2020年11月30日までです。

IVVトータルリターンとiシェアーズ米国株式インデックスのリターン比較グラフ

青のラインはリターン差で、IVVトータルリターンーiシェアーズ米国株式インデックスです。ラインの傾きはiシェアーズ米国株式インデックスの運用コストの大きさを示しています。

周期的に出現するトゲは、配当金の扱いがIVVトータルリターンとiシェアーズ米国株式インデックスで違うために生じたものです。無視してください。

運用報告書からトータルコストからIVVの経費率を除くと0.4438%です。次はIVVトータルリターンの運用コストを年率0.44%ポイント増量したものとの比較です。

IVVトータルリターンの運用コストを年率0.44%ポイント増量したものとの比較グラフ

青のラインはほぼフラットになりました。

スリム米国株式(S&P500)とのリターン比較

次はスリム米国株式の運用が安定した、2018年11月12日から、2020年11月30日までのスリム米国株式とのリターン比較です。

スリム米国株式(S&P500)とiシェアーズ米国株式インデックスのリターン比較グラフ

青のラインはスリム米国株式ーiシェアーズ米国株式インデックスです。運用報告書から計算したトータルコスト差が0.34%ポイント程度あるので、期待通りの結果と言えます。

まだ買われています

次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は50億円です。

設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

明らかに低コストでつみたてNISAで買える商品が複数あるにも関わらず、まだ買われていることに僕は驚いてしまいます。でもこれが現実です。

買われていると言っても、スリム米国株式(S&P500)の純資産総額は2,000億円を超えているので、資金流入には圧倒的な差があります。それでも、iシェアーズ米国株式インデックスを買っている人はどんな属性の人たちなのかと思ってしまうのです。

評価:もっと良い選択肢があります

スリム米国株式の方がトータルコストが安く、人気(純資産総額)に圧倒的な差があることから、iシェアーズ米国株式インデックスを選択するのは経済的合理性がありません。S&P500種指数に投資する場合、SBIバンガードS&P500も候補になりますが、現状ではスリム米国株式の方が有利だと判断しています。将来的にはSBIバンガードS&P500は良い選択肢になると予想していますが、もうiシェアーズ米国株式インデックスに盛り返すチャンスはないと思います。

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