スリムシリーズはeMAXISシリーズと同じマザーファンドを利用する、超ローコスト版と言えます。つみたてんとうシリーズは、主に金融機関の窓口を好む顧客層をターゲットにし、異なる信託報酬体系で設定された、つみたてNISA適格商品のみで構成されています。
つみたて日本株式(TOPIX)は、スリム国内株式(TOPIX)の別販路版です。
つみたて日本株式(TOPIX)
2017年8月16日に税抜き信託報酬0.18%で設定されました。つみたて日本株式(日経平均)と同率です。
マザーファンドはスリム国内株式(TOPIX)と同じで、運用の安定性は実証済みです。スリム国内株式(TOPIX)と違うのは、信託報酬と販路(=顧客層)です。
つみたて日本株式(TOPIX)は、もちろん、つみたてNISA適格です。
運用コスト
次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。スリム国内株式(TOPIX)と比較しています。
マザーファンドが同じであること、もともと国内株式インデックスの隠れコストは極小であることから、隠れコストは同水準でした。そのためトータルコスト差=信託報酬差となります。
スリム国内株式(TOPIX)とのリターン比較
次はつみたて日本株式(TOPIX)の設定直後を避けた2017年9月1日から2021年4月30日までの、スリム国内株式(TOPIX)とのリターン比較です。
青のラインはリターン差で、スリム国内株式(TOPIX)ーつみたて日本株式(TOPIX)です。スリム国内株式(TOPIX)の方がトータルコストが安いので、青のラインは右肩上がりで推移しています。期待通りです。
売れ行きは
次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は95億円です。
この商品の受益者ですら、短期売買の対象にしてしまうのでしょうか。不思議です。
TOPIX連動インデックスよりも、日経平均連動インデックスの方が短期売買のおもちゃにされる傾向があるのですが、つみたてんとうシリーズは逆です。次はつみたて日本株式(日経平均)もプロットしたものです。
緑のラインがつみたて日本株式(日経平均)です。資金流入が安定しています。
評価:ネット証券以外で買うなら良い選択肢です
つみたて日本株式(TOPIX)は、ネット証券の利用者には価値のない商品です。が、ネット証券よりも、証券会社や銀行の窓口で対面で買う方が良いという顧客層は、一定数存在すると思われます。それはつみたてんとうシリーズの純資産総額の合計が1,200億円を超えていることが証明しています。
そのような顧客層がTOPIXに投資するなら、コストと運用の安定性から、つみたて日本株式(TOPIX)は良い選択肢になります。純資産総額も、安心できる目安と言われる100億円が見えてきました。