米国株式

【徹底比較】楽天全米株式とスリム米国株式(S&P500)のどちらがおすすめですか?

米国株式に投資するのに、楽天全米株式とスリム米国株式(S&P500)のどちらが良いか迷っている人も少なくないと思います。信託報酬、トータルコストは異なりますが、そもそもベンチマークが違うので、コストと人気だけでは判断できません。

この難しい悩みを解消する比較結果をまるっとお見せします。

更新情報

参照しているデータを最新版に更新しています。

楽天全米株式

楽天全米株式はバンガード社のETFであるVTIを買うだけのインデックスファンドです。VTIのベンチマークはFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスです。楽天全米株式は米国でVTIを買い付け、配当金を米国での10%課税後に国内課税を適用しないで再投資します。そして毎営業日、楽天全米株式固有の運用コストを純資産総額から天引きします。

楽天全米株式の現在のトータルコスト(VTIの経費率を含みます)は、税込み0.209%です。低水準で運用も安定しており、人気も盤石で安心しておすすめできます。

なお、楽天全米株式は楽天全世界株式と違い(投資対象国が米国だけなので)三重課税問題はありません。

スリム米国株式(S&P500)

スリム米国株式のベンチマークはS&P500種指数で、現物株運用です。複数ある、S&P500種指数をベンチマークにしているETFとは無関係です。

スリム米国株式の現在のトータルコストは税込み0.1229%です。運用は安定していますし、人気は圧倒的です。

トータルコストはスリム米国株式(S&P500)の方が安いのですが、楽天全米株式とはベンチマークが違うので、コストだけでは優劣を判断できません。

投資対象

組入銘柄数は大きく違っています。

  • 楽天全米株式:3,870、米国株式市場の大型株から小型株までを網羅し、投資可能銘柄のほぼ100%をカバー。
  • スリム米国株式(S&P500):505、米国株式市場の大型株を対象とし投資可能銘柄の約80%をカバー。

楽天全世界株式の方が圧倒的に多くの銘柄に投資します。

VTIとVOOの組入銘柄比較

ETF.comからVTIとVOO(S&P500種指数に連動するETF)の組入銘柄一覧を取得して比較しました。

  • VTIはVOOの全銘柄に投資します。つまり、VTIの中にはVOOが丸ごと入っています。
  • VTIの投資対象の81.5%がVOOです。言い換えるとVTIは資産の18.5%をVOO以外の銘柄に投資します。

次はVTIの組入銘柄比率です。200位以降は比率が0.1%未満になるためグラフを描画できず消えています。

VTIの組入銘柄比率のグラフ

次はVOOの組入銘柄比率です。

VOOの組入銘柄比率グラフ

円グラフだとイメージしかつかめません。次は組入銘柄上位40位までを比較した表です。右端の列はVOOーVTIです。

組入銘柄上位40位までを比較した表

結構違いますね。

近年はGAFAMと呼ばれるGoogle、Amazon、Facebook、Apple、Microsoftの成長が著しく、S&P500の株価の伸びはそれら5銘柄の貢献度が突出していると言われます。では、それら5銘柄に話題のテスラを加えた上位6銘柄だけを見ます。(GoogleはAlphabet2銘柄に分かれています。)

GAFAM+テスラの比較表

VTIの方がより多くの銘柄に分散投資するため、当然の結果として上位6銘柄の比率もVOOより少なくなります。株式市場を牽引している「売れ筋」銘柄への投資比率が少いと聞いてがっかりですか?いやいや、そんな単純な話ではありません。

VTIとVOOのどちらがパフォーマンスが良くなるかは時期によって変わります。この組入銘柄数(=分散の度合い)の違いは、好みが分かれるところでしょう。

VTIとVOOのトータルリターン比較

どちらもバンガード社のETFで、現在の経費率は0.03%で同じです。配当金を再投資したトータルリターンを比較すると、ベンチマークの違いを把握できるはずです。

次はVOOの設定直後を避けた2010年10月1日から2021年7月30日までの比較です。

VTIとVOOのトータルリターン比較グラフ

赤のラインがVTIトータルリターン、緑のラインがVOOトータルリターンです。青のラインはリターン差で、VTIーVOOです。

どちらが有利かは経済状況、時期によって変わります。短い期間を切り出して比較しても有意義とは言えません。

楽天全米株式とスリム米国株式(S&P500)の比較

次は楽天全米株式とスリム米国株式(S&P500)のリターン比較です。スリム米国株式の設定直後を避けた、2018年7月20日から2021年8月13日までです。

楽天全米株式とスリム米国株式(S&P500)のリターン比較グラフ

赤のラインがスリム米国株式です。青のラインはスリム米国株式ー楽天全米株式です。スリム米国株式の方がパフォーマンスが高い状態が続いていましたが、コロナショックによる株価暴落後は互角から楽天全米株式の有利に変化しました。が、2021年2月以降はスリム米国株式が盛り返しています。

積み立てシミュレーション

次はスリム米国株式が設定された翌月から、毎月初に5万円積み立てたシミュレーションです。右端は2021年7月30日です。

積み立てシミュレーション結果のグラフ

灰色のラインは元本です。赤のラインがスリム米国株式(S&P500)です。グラフ上ではほとんど差を認識できませんが、スリム米国株式(S&P500)の利益率は45.5%、楽天全米株式は46.7%でした。

でも積立投資36ヶ月で税引き前利益率が45%を超えているというのは、凄いです。むしろ出来すぎですよね。(最近のバブリーな強気相場の影響が大きいです。)

人気は

次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は楽天全米株式が3,328億円、スリム米国株式が5,809億円です。

楽天全米株式とスリム米国株式(S&P500)の設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

赤のラインが楽天全米株式、緑のラインがスリム米国株式です。長らく一定の差が開いた状態が続きましたが、2020年になってからスリム米国株式が資金流入額を急激に増やしました。

どちらもラインの反り返り具合から、人気が加速していることが分かります。楽天全米株式の人気は盤石ですが、スリム米国株式の人気は楽天全米株式を上回っています。

それで結論としてはどちらがおすすめなの?

上から順に読んで、決まったらそこで終わりです。その先を読むと迷います。

  • VTIまたは楽天VTIという単語に心がときめくなら、楽天全米株式で決まりです。
  • 「業界最低水準の信託報酬を目指し続ける」という売り文句が強みのスリムシリーズが好きなら、スリム米国株式で決まりです。
  • どちらかのベンチマークに好き嫌いがあるなら、好きな方を選んで下さい。
  • ベンチマークに大差はないから、運用コストが安い方が良いという場合は、スリム米国株式をおすすめします。

迷いは解消されたでしょうか。

なお、iDeCoナビによるとiDeCoで楽天全米株式が買えるのは楽天証券と松井証券、スリム米国株式(S&P500)が買えるのはSBI証券のセレクトプラン、松井証券、マネックス証券です。

おすすめの関連記事

-米国株式

© 2021 河童のインデックス投資 Powered by STINGER