世界同時株安と騒がれていますが、僕が自分のこととして気にするのはMSCIコクサイの基準価額だけです。その観点では、下がったと言っても2018年3月の水準よりもまだずっと上にいます。つまり、その頃は絶好の買い場だったわけですが、僕はそのチャンスを上手に活かせませんでした。
その反省を踏まえて、基準価額がどれだけ下がったらいくら追加投資するかを求める計算式を決めました。この計算式が出した「推奨追加投資額」にしたがい、感情を排除して機械的に追加投資します。マジです。
検証用データ
僕が手描きで作ったインチキなものではなくて、実際のデータがいいと思ったので、2001年から存在している日興インデックスファンド海外株式(ベンチマークはスリム先進国株式と同じでMSCIコクサイです)の基準価額データを使います。
丸で囲ったのが古い順に、ITバブル崩壊、リーマンショック、チャイナショックです。この3回の暴落において、次の2点を評価します。なおここでは、暴落時に全力で追加投資する資金の総額を2,000万円とします。
- 追加投資のスピードが速すぎて、底値近辺で十分投資できなくならないか。(早く弾切れになっていないか。)
- 追加投資のスピードが遅すぎて、底値近辺で十分投資できなくならないか。(撃つべき弾を残しすぎていないか。)
もちろん、暴落の規模と期間は事前に予測できないので、どんなパターンでもベストな結果が出せる都合の良い計算式は作れません。割り切りが必要です。
ITバブル崩壊
低迷している期間が長いですね。でも次回の暴落でこのように長期間低迷するとは限らないので、十分下落したらさっさと弾を撃ち尽くした方がいいでしょう。
灰色のラインが元本の推移です。暴落すると毎営業日しっかり追加投資するので急激に立ち上がっています。そして予定していた2,000万円に到達すると追加投資をやめて毎月初積み立てに戻ります。
このITバブル崩壊のパターンにはうまく対応できたと思います。
リーマンショック
リーマンショックのパターンに上手に対応するのは予知能力がない限り無理です。
まず25%程度を底にした暴落がありますが、その後にもっと大規模な、100年に1度と言われる暴落が控えていることが分かっていなければ、最初の程度の軽い暴落で余裕資金を全部投入してしまいます。
大規模な第2段の前に弾を撃ち尽くしています。このようになるのは避けられません。
でも、次の暴落は流石にリーマンショック級にはならないと思っています。100年に1度が10年ちょっとで2回起きるなら、教科書を大幅に書き換えねばなりませんし、リーマンショックから学んだ金融界における対策が効果なしだったことになります。もしそうなったらしょうがないですね。
チャイナショック
規模は小さめでした。次の暴落の底値はチャイナショックの底値に届かないかも知れない(これからなのでどうなるかは分かりません)です。届くなら、かなり大規模なものになりますね。
これも結構いい感じで追加投資できていると思います。
計算式
エクセルではこうです。
=(POWER(下落率-8,1.45)+12)*0.4
下落率は直近の高値からの下落率を整数にしたものです。たとえば10%下落していたら10になります。
次のグラフは横軸が下落率、縦軸が推奨追加投資額(万円)です。
べき乗を使って弓なりに曲げていますが、効果の程は不明です。たとえば直近の高値から30%暴落したら40万円追加投資します。翌営業日もその暴落率に応じて計算される推奨追加投資額だけ購入します。
このルールを10%以上下落している日に適用します。毎営業日です。きっと、ルールを決めて機械的に取り組まないと余計なことを考えたり、迷ったり、不安になったりして継続できないと思われます。その場合、暴落が過ぎ去ってからこう思うのです。どうしてあの時しっかり追加投資しなかったのだろうか。
この計算式、一発で決まったわけではありません。上記の暴落3パターンで何度か試して決めました。次の暴落時にうまく機能するかどうかはその時にならないと分かりません。でもこのルールにしたがって2,000万円程度投入したいと思っています。(そのうちの100万円近くはすでにこの下落で、ペースを上げて投入済みです。)
次の暴落はまだ始まっていないと思います
現在世界同時株安の真っ只中にいますが、これは米国株式の調整であってまだ次の暴落が始まったわけではないと思っています。また、そう願ってもいます。僕としては年末にWealthNaviを売却してしまいたいので、この調整がもうじき終わって株価が再度上昇に転じてくれた方がうれしいです。そして次の暴落は2019年以降に起きて欲しいのです。
それにこの程度の下落を「暴落」と呼ぶのは不適当だと思います。何%下落したら暴落と呼んで良いかの明確な基準はないようですが、せめて20%代に乗せてからにして欲しいです。
米国の各種統計の数値はまだ景気後退が始まる水準ではなく、最近の下落は「調整」だと認識している人は多いと思います。それが正解かどうかはあと数週間以内に分かるでしょう。
一番避けたいのは、望まないのは、20%程度下げた軽度の暴落が数ヶ月続いた後、30%超の第二波の暴落が来ることです。そのパターンだと、上記リーマンショックへの対応と同じで、第一波で弾切れしてしまいます。
なので、もし次の暴落がすでに始まっているのなら、一気に、一直線で底値まで突き進んで欲しいです。わがままですか?いえ、普通です。
2019年8月7日追記
暴落時の追加投資をシミュレーションした結果、計算式を修正しました。元の計算式はこうでした。
=(POWER(下落率-8,1.45)+12)*0.4
これのべき乗の係数を1.1にしました。
=(POWER(下落率-8,1.1)+12)*0.4
グラフにするとこうなります。
赤のラインが変更後です。
どちらの計算式でも、次の暴落の規模が小さくなければ(普通に大きければ)追加投資予算2,000万は楽勝で消化されるはずです。