米国株式

株価暴落でもS&P500インデックスファンドが買われています

インデックス投資家であっても、株価暴落で含み益から含み損に転落すると、ビビって売却してしまったり、積立設定を解除してしまう人は一定数いるようです。それは総口数の推移、または資金流出入額の変化に表れます。これは、ある程度は避けられないと思われます。

その一方で、総口数の増加ペースを増やしている商品も存在します。S&P500種指数に投資する、S&P500インデックスファンドはその傾向が顕著です。不人気だったのに暴落したら買われるの?という、逆に心配になる現象も観測されています。

登場するグラフについて

各商品につきグラフは2つです。1つ目は設定来の総口数の推移です。人気の動向を見るのに適しています。2つ目は、2020年年初からの、営業日毎の資金流出入額の推移です。営業日ごとの、買い注文ー売り注文の結果がエグいぐらいに把握できます。

スリム米国株式(S&P500)

税込み信託報酬0.0968%、純資産総額は691億円です。S&P500インデックスファンドとしては後発ですが、人気の獲得に成功しました。

スリム米国株式(S&P500)の総口数の推移グラフ

株価暴落が始まる前から増加ペースが上昇し、ラインが反り返っていましたが、株価暴落開始後、明らかに加速しています。

スリム米国株式(S&P500)の営業日毎の資金流出入額の推移グラフ

受益者の行動は、営業日毎の資金流出入額にはっきり表れています。暴落しても行動を変えるなと主張する投資ブロガーが多数いますが、このグラフは、受益者が行動を変えた結果そのものです。

SBIバンガードS&P500

税込み信託報酬0.0935%、純資産総額は233億円です。設定日前に事前募集をしていたので、グラフの左端が浮いています。

SBIバンガードS&P500の総口数の推移グラフ

S&P500インデックスファンドとして最後発ながら、事前募集段階から高い人気を獲得し(税抜信託報酬0.088%が衝撃的でした)、その後さらに加速させています。

が、株価暴落開始後に急増してはいません。

SBIバンガードS&P500の営業日毎の資金流出入額の推移グラフ

iFree S&P500

税込み信託報酬0.2475%、純資産総額は90億円です。意欲的な信託報酬で2017年8月に設定されたものの、十分な人気を獲得できませんでした。

iFree S&P500の総口数の推移グラフ

純資産総額が10億円に満たない商品が掃いて捨てるほどある中で、90億円もあるなら十分売れているという判断もできるかも知れません。でも、S&P500インデックスファンドという人気ジャンルでは、残念ながら負け組です。

それでも、株価暴落開始後に買われています。

iFree S&P500の営業日毎の資金流出入額の推移グラフ

買い注文より売り注文の方が多く、資金流出になった日もありますが、それでも暴落後に「買い」が増えたことは確かです。これが、既存の受益者だけの行動の結果なのか、新規受益者を獲得した結果なのかは分かりません。

明らかに信託報酬が安い選択肢が2つもあるのに、まだiFree S&P500を買うのですか?という疑問を持つ人もいることでしょう。でもこの世界はそういうものです。極めて非論理的なのです。

iシェアーズ米国株式

税込み信託報酬0.4125%、純資産総額は34億円です。

iシェアーズ米国株式の総口数の推移グラフ

総口数は頭打ちになっていたのに、株価暴落開始後に急増しています。販社から営業をかけられたのでしょうか。

iシェアーズ米国株式の営業日毎の資金流出入額の推移グラフ

不自然さを感じるのは僕だけではないでしょう。

ステート・ストリート米国株式

税込み信託報酬0.495%、純資産総額は32.3億円です。株価暴落開始後、急増しています。いや、これは不自然でしょ。

ステート・ストリート米国株式の総口数の推移グラフ

株価暴落開始後に、NYダウインデックスファンドが異様な買われ方をしたのに似ています。

ステート・ストリート米国株式の営業日毎の資金流出入額の推移グラフ

僕には受益者の自発的な行動の結果とは思えないです。

農中<パートナーズ>つみたてNISA米国株式

税込み信託報酬0.495%、純資産総額は20.2億円です。農林中央金庫でしか買えませんので、受益者は特定のグループに属する人のはずです。

農中<パートナーズ>つみたてNISA米国株式の総口数の推移グラフ

ラインの形状はスリムバランス(8資産均等型)のようです。着実に総口数を増やしているのが分かります。株価暴落を無視しているかのようです。

これは逆の意味で不思議です。農林中央金庫から買っているのですから、営業から買い煽りを受けてもおかしくないと思うんですけどね。

農中<パートナーズ>つみたてNISA米国株式の営業日毎の資金流出入額の推移グラフ

農中<パートナーズ>米国株式S&P500

農中<パートナーズ>米国株式S&P500は、農中<パートナーズ>つみたてNISA米国株式の姉妹品ですが、この業界の闇を端的に表しています。

  • マザーファンドは同じです。
  • 販社が農林中央金庫だけなのも同じです。
  • 税抜き1.5%を上限として販売会社は購入時手数料を設定できます。(つみたてNISAの認定を受けるにはノーロードでないといけません。)
  • 税抜き信託報酬が0.1%ポイント高い、税込み0.605%です。

同じマザーファンドを利用したベビーファンドを新たに作り、販路と信託報酬を変えた商品を揃えることは珍しくありません。三菱UFJ国際投信のスリムシリーズ、つみたてんとうシリーズはその代表例です。でも、僕にはこの商品設定は理解できません。

明らかに不人気で、純資産総額は2.71億円しかありません。でも、株価暴落開始後に急増しています。

農中<パートナーズ>米国株式S&P500の総口数の推移グラフ

これはどう考えても不自然でしょう。

農中<パートナーズ>米国株式S&P500の営業日毎の資金流出入額の推移グラフ

この世界の闇は深いようです。

これが現実です

グラフで見た変化は、受益者が有償の愛である現金を投じた結果です。そのため、重みがあります。暴落したから買い増しするとしても、チャンスだと思って新たに投資するとしても、経済的合理性を考えればスリム米国株式かSBIバンガードS&P500の二択になると、僕は思います。でも現実はそうではありません。

おそらく、受益者の行動に販売側の働きかけが作用していると思います。違うでしょうか。

おすすめの関連記事

-米国株式

© 2020 個人事業主が節税してインデックス投資 Powered by STINGER