NISA

【全力解説】新NISAのメリットについて教えて下さい

一般NISAは新NISAとして5年延長されます。自分にはつみたてNISAが最良の選択肢だと思われているかも知れませんが、年間の投資可能予算と年齢(余命)によっては、一般NISA+新NISAの方が有利かも知れません。

少なくとも、誰にとってもつみたてNISAが最適解だとするのは間違っています。新NISAのメリットが分かると、きっと納得できます。

新NISA登場以前

一般NISAは2014年に始まりました。(現在の)非課税枠は120万円、非課税期間は5年です。

昔の話はいいやって方は、ここまで飛ばしてください。

一般NISAは2023年まで

一般NISAで非課税枠がもらえるのは2023年までです。僕は2019年から新たに一般NISAを始め、2023年までの5年間で120万×5年=600万円分のスリム先進国株式を購入するつもりでした。各年に120万円分購入したスリム先進国株式は(売却しなければ)5年間の非課税期間を経て特定口座に移動されます。2023年にもらった120万円の非課税期間が終了するのは2027年です。

富裕層優遇と批判された一般NISA

一般NISAの恒久化が「富裕層優遇」だと意見が指摘があり、延長を断念したという報道がありました。

14年に創設されたNISAは株式や投資信託の売却益などが非課税になるのが利点で、年120万円を上限に5年間まで投資できる。今年6月末時点で1161万口座が開設され、一定の支持を集めるが、利用者は裕福な高齢層が多く、短期売買に使われているとの指摘もある。

引用:SankeiBiz

報道内容からすると5年延長も不可能に思えました。

つみたてNISAは2037年まで

2018年に始まったつみたてNISAは2037年まで利用できます。これは40万円の非課税枠がもらえるのが2037年までという意味で、各年にもらった非課税枠は20年間継続できます。僕の場合はつみたてNISAでもスリム先進国株式を購入しますので、途中で売却しなければ20年間の非課税期間を経て特定口座に移動されます。

一般NISAとつみたてNISAのどちらが有利か

年間の投資可能予算が40万円程度なら、つみたてNISA一択です。が、投資可能予算が120万円ある場合は事情が変わります。

結論としては、10年以上ガチホできる自信があるなら、つみたてNISAが有利です。それより早く売却する可能性が高いなら、一般NISAの方が有利です。

では年間の投資可能予算が80万円の場合に、つみたてNISA40万円+特定口座40万円の合わせ技と、一般NISA80万円ではどちらが有利でしょうか。

結論としては、8年以上ガチホできる自信があるなら、つみたてNISA+特定口座の合わせ技の方が有利です。それより早く売却する可能性が高いなら、一般NISAの方が有利です。

つまり、投資可能予算とライフプランによっては、つみたてNISA一択ではないということです。

NISA制度の見直し

令和2年度税制改正大綱で提示された、NISA制度の見直し内容は衝撃的なものでした。以下、引用箇所は令和2年度税制改正大綱からのものです。

一般NISAは制度を見直した上で5年延長(新NISA)

一般NISAは制度を見直した上で5年延長されます。

非課税期間5年間の一般NISAについては、より多くの国民に積立・分散投資による安定的な資産形成を促す観点から、積み立てを行っている場合には別枠の非課税投資を可能とする2階建ての制度に見直したうえで、口座開設可能期間を5年延長する。投資対象商品については、1階部分はつみたてNISAと同様とし、2階部分は、現行の一般NISAから高レバレッジ投資信託など安定的な資産形成に不向きな一部の商品を除くこととする。

見直しの内容は2階建てという、頭おかしくない?レベルのものですが、重要なのは制度が5年延長されることです。

つみたてNISAは5年延長

つみたてNISAは単に5年延長されます。

非課税期間 20年間の現行のつみたてNISAについては5年延長...

(つみたてNISA)の勘定設定期間を令和 24 年 12 月 31 日まで5年延長する。

これにより、つみたてNISAが登場した2018年からつみたてNISAに投資している人は、最大1,000万円の非課税枠を利用できることになります。非課税期間は20年のままで変わりません。

一般NISA+新NISAで非課税期間を10年に

新NISAで追加された2階建て構造と、レバレッジ型ファンドは対象外にするという制約を除けば、一般NISAが5年延長されたと考えていいです。一般NISAがつみたてNISAと大きく異なることのひとつに、ロールオーバーがあります。つみたてNISAは非課税期間が20年で、ロールオーバーはできません。一般NISAは非課税期間は5年ですが、ロールオーバーができます。一般NISAから新NISA(の2階部分)へのロールオーバーもできます。

これにより、2019年から一般NISAを利用し始めた人は、非課税枠120万円×非課税期間10年を利用可能になるのです。これはインパクト大きいですよね。

非課税期間延長のメリットが分かるシミュレーション

次は、スリム先進国株式の期待リターンを年率5%として、毎月初10万円✕12ヶ月投資後に4年間ガチホしたシミュレーションです。灰色のラインは元本です。

スリム先進国株式の期待リターンを年率5%として、毎月初10万円✕12ヶ月投資後に4年間ガチホしたシミュレーション結果のグラフ

制度改正前だと、2019年に付与された非課税枠120万円の非課税期間は5年ですから、元本120万円が150万円程度に増えた時点で特定口座に払い出されます。よって、非課税口座であることで得する金額は、譲渡税分の62,055円です。

次は新NISAにロールオーバーすることで、非課税期間が10年に延長された場合のシミュレーションです。

非課税期間が10年に延長された場合のシミュレーション結果のグラフ

非課税口座であることで得する金額は、譲渡税分の149,296円です。

つみたてNISAと一般NISA+新NISAのどちらが有利か

一般NISAから新NISAの2階部分へロールオーバーが可能なので、これを利用すると、一般NISAの非課税期間を10年にすることが可能です。では、現在余裕資金が120万円ある場合に、次のどちらが有利でしょうか。

  • 一般NISA+新NISAで非課税枠120万円✕非課税期間10年、その後特定口座で10年
  • つみたてNISAで非課税枠40万円✕3年✕非課税期間20年

これをシミュレーションで確認しています。

結論としては、15年以上ガチホできる自信があるなら、つみたてNISAが有利です。それより早く売却する可能性が高いなら、一般NISA+新NISAの方が有利です。

若いけど余裕資金が少ないなら、つみたてNISA一択です。若くないけど余裕資金があるなら、一般NISA+新NISAによる、非課税枠120万円✕非課税期間10年は魅力的な選択肢になります。余命の関係で15年以上ガチホできる自信がない場合、または、ライフプラン上15年以内に売却したい場合、特にそうだと思います。最適解は家庭ごとに変わります。

一般NISAから新NISAの2階部分にロールオーバーする際の1階への制約

新NISAは2階建て構造になっています。2階部分は非課税枠102万円で、一般NISAからは時価が102万円を超えていてもまるごとロールオーバーできます。1階部分は非課税枠20万円で、つみたてNISA適格商品だけを買うことができます。

一般NISAから新NISAの2階部分にロールオーバーした上で、さらに1階部分の非課税枠20万円がまるごと使えたら良かったのですが、そこまでおいしい設計ではありませんでした。

ロールオーバーする金額が102万円を超えていると、1階部分の非課税枠20万円を寝食する(減額される)という大きな制約があります。1年目に投じた120万円を4年間ガチホして、ロールオーバーされる時の時価に依存するわけですが、大きな暴落を喰らっていなければ1階部分は使えない可能性が高いです。

もし不幸にして基準価額が大きく下落して、評価額が122万円未満なら、1階部分の非課税枠が使えます。

1階部分の非課税枠で利用できる金額=ロールオーバーする金額ー102万円

評価額が102万円以下なら、1階部分の非課税枠20万円がフルに利用できます。

一般NISA+新NISAを先に利用する

我が家の少額非課税制度利用計画

僕と妻は2019年から一般NISAを利用しています。2018年までの利用分は処分しているので、ここには出てきません。2020年以降、少額投資非課税制度を次の計画で利用します。

我が家の少額非課税制度利用計画表

一般NISAの1、2、3、4、5は120万円の非課税枠に投資した資金を示しています。2024年から2階建ての新NISAが始まりますが、一般NISAは2階部分に時価でロールオーバーできます。が、ロールオーバーする金額が102万円を超えると1階部分を侵食し、122万円を超えると1階部分の空きはゼロになるため、追加投資はできません。我が家の場合、一般NISAで120万円で買ったeMAXIS Slim先進国株式が5年後にロールオーバーする時に122万円未満である可能性は低いので、新NISAの1階部分に空きができるとは考えにくいです。(もちろん、ロールオーバー前に大きな暴落を喰らえば1階部分の最大20万円の非課税枠を喜んで利用します。)

2029年から「つみたてNISA口座」に変更します。制度上他の口座は非課税枠の新規付与が終了していますからね。で、我が家の場合、おそらく新NISAの1階部分はつみたてNISA相当ではないので、そこから簿価で20万円をロールオーバーすることはできません。新NISAの1階部分に、つみたてNISA相当として投資していた人は、その20万円の非課税枠をロールオーバーによって非課税期間25年にできますが、これは我が家には適用されません。(気が変になりそうですか?)

そのため、2029年からはつみたてNISAを普通に利用することになります。この利用方法だと、つみたてNISAの非課税枠を14本もらえると言っていいです。

表の右側が2042年で終わっていますが、つみたてNISAの非課税期間は20年です。が、残念ながら寿命に限りがあるため、僕はこの表で十分です。妻はもう少し右側を延ばしてもいいですね。

付与される非課税枠の合計は

2019年以降で考えると、次の非課税枠が付与されます。2042年まで生きてれば、ですが。

  • 一般NISA120万円✕5本=600万円。
  • つみたてNISAの40万円✕14本=560万円。

合計1,160万円です。妻も同じ利用をすると、世帯では倍の2,320万円になります。非課税枠だけで十分大きな額ですね。でも寿命の制約により、非課税期間は使い切れません。

新NISA最大のメリットは

新NISA制度で僕が最も評価しているのは、2019年から始めた一般NISAを、新NISAの2階部分にロールオーバーできる点です。これで120万円の非課税枠の非課税期間を10年にできます。このメリットは大きいです。

ロールオーバーの回数は制限されていないようで、2014年から一般NISAを利用していた人は2回ロールオーバーして非課税期間を15年にするのも可能です。

つみたてNISAの非課税期間20年は長い

前から分かっていたことですが、つみたてNISAの非課税期間20年は長いです。問題は、人はその間に20歳も年をとるということです。上記計画だと、2042年に非課税枠40万円をもらっても、その後20年生きるのは無理です。

入金力は劣るけど若い人にとっては、つみたてNISAの少しずつ長く投資する仕組みが良いです。でも、入金力はあるけど歳とっている人にとっては、120万円の非課税枠で非課税期間10年が向いているでしょう。少なくとも、僕と妻はそうです。ゆえに、新NISA制度は大歓迎です。(でも複雑な2階建て構造にする必要はなかったと思います。)

まとめ:寿命のことも考えて計画的に

40万円の非課税枠をもらってから非課税期間20年というのは長いです。来年からでも長いですが、今から20年後にもらう分のことを考えると、余命が気になるかも知れません。次のどちらが自分に合っているか、寿命のことも考えて判断するのが良いです。

  • 非課税枠40万円✕非課税期間20年
  • 非課税枠120万円✕非課税期間10年

最適解は人それぞれです。他人の意見を鵜呑みにせず、自分にあった計画を立てるべきです。

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