MIRAIndexバイオ・メディカルは独自に開発された指数に連動する、テーマ型インデックスファンドです。現在のパフォーマンスはiFree NEXT NASDAQバイオテクノロジーと互角で、運用コストを考えると物足りないです。
またMIRAIndexバイオ・メディカルは不人気で売れていません。
なおこの記事では、商品名先頭のSMTは略します。
更新情報
第3期運用報告書の内容を反映させました。また、参照しているデータを最新版に更新しています。
MIRAIndexバイオ・メディカル
2019年3月26日に税抜き信託報酬0.7%で設定されました。MIRAIndexシリーズの2本目です。
- FactSet Global Biopharm & MedTech Indexに連動するインデックスファンドです。
- 金融機関によっては購入時手数料(上限税抜き3%)が必要です。
- 解約時信託財産留保額はゼロです。
- 信託期間は無期限です。
- 現物株運用で、現在、47銘柄に投資しています。
- 運用会社は三井住友トラストアセットマネジメントです。
- 複数の条件を満たさないので、つみたてNISA適格ではありません。
FactSet Global Biopharm & MedTech Index
テーマ型ファンドの場合、投資対象をどう選択するかがキモになります。次はFactSet Global Biopharm & MedTech Indexの特徴です。
- 三井住友トラストアセットマネジメントがFactSet UK Limitedと共同開発したスマートベータ指数です。
- 世界のバイオ・メディカル関連企業の中から総資産に占める売上総利益の割合(売上総利益÷総資産)の原則上位50銘柄で構成される指数です。
- バイオ・メディカル関連企業とは、売上の50%超がバイオ・メディカル(主としてバイオテクノロジー、医薬品、医療機器)関連事業から得ている企業を言います。
- 構成銘柄の入替えは年1回、ウェイトのリバランスは年2回行います。
- 構成銘柄のウェイトは浮動株調整後の時価総額基準とし、リバランス時の1銘柄のウェイトは最大5%とします。
出典:目論見書
ファンドの分類としてはインデックス型ですが、連動するのはスマートベータ指数であり、いくらかアクティブファンドの要素があります。ここは受益者によって好みの分かれるところでしょう。
次はMIRAIndexバイオ・メディカルの組み入れ上位10銘柄です。全体の約48%を占めます。
月次報告書によると、投資対象の約57%が米国企業です。
運用コスト
次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。MIRAIndexロボと比較しています。
MIRAIndexバイオ・メディカル、MIRAIndexロボともに前決算期より隠れコストが大幅に削減されました。次は前決算期のものです。
次は隠れコストの明細です。第1期と第2期を比較しています。
隠れコストで支配的なのは保管費用です。これが大幅に削減されました。
トータルコストは0.99%と高いですが、バイオ・メディカルという尖ったテーマに投資して、期待通りのパフォーマンスが得られるなら気にならない水準でしょう。
リターン比較
スリム米国株式(S&P500)との比較
テーマ型ファンドに投資するのですから、S&P500種指数には負けたくないところでしょう。次はMIRAIndexバイオ・メディカルの設定直後を避けた2019年4月10日から、2021年5月28日までの、スリム米国株式(S&P500)との比較です。
赤のラインがMIRAIndexバイオ・メディカルです。青のラインはリターン差で、MIRAIndexバイオ・メディカルースリム米国株式です。
コロナショックによる株価暴落前はS&P500に劣後していましたが、株価暴落後は圧倒的ではないもののS&P500をアウトパフォームしていました。が、2021年2月に失速し、S&P500といい勝負になっています。
iFreeActiveメディカルデバイスとの比較
次は2019年4月10日から2021年5月28日までの、iFreeActiveメディカルデバイスとの比較です。
緑のラインがMIRAIndexバイオ・メディカルです。青のラインはiFreeActiveメディカルデバイスーMIRAIndexバイオ・メディカルです。
コロナショック前はiFreeActiveメディカルデバイスの方が高パフォーマンスでしたが、コロナショック後は互角です。
なお、この2商品は対象テーマが微妙に違うことに注意して下さい。
iFree NEXT NASDAQバイオテクノロジーとの比較
次は2019年4月10日から2021年5月28日までの、iFree NEXT NASDAQバイオテクノロジーとの比較です。
赤のラインがMIRAIndexバイオ・メディカルです。2021年2月までは互角(優劣付け難い)でしたが、3月以降はがMIRAIndexバイオ・メディカルの方が高パフォーマンスです。
不人気です
次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は4.29億円しかありません。なお、グラフからは初期投資の2億円を除外してあります。
資金流入は続いていますが、金額が少ないです。
テーマ型ファンドは、圧倒的なパフォーマンスを発揮すると急激に売れ始める傾向が強いです。MIRAIndexバイオ・メディカルの現在のパフォーマンスでは注目されるところまで行かないのかも知れません。S&P500と大差ないのでは、無理もないでしょう。
でも本来は、そのテーマの未来の成長に賭けて、長期で買い持ちを継続するべきものです。MIRAIndexバイオ・メディカルもそれを目指して組成されたと思うのですが、現実問題として人気を獲得するのは難しいです。
評価:バイオ・メディカルの未来に賭けるなら良い選択かも
バイオ・メディカルの未来に、FactSet Global Biopharm & MedTech Indexが将来大きなリターンをもたらしてくれることに賭けるなら、MIRAIndexバイオ・メディカルは良い選択かも知れません。トータルコストも許容範囲でしょう。
でも現在のパフォーマンスはS&P500と互角で、運用コストの割には物足りない気がします。
また、不人気で売れていないのが気になりますが、長い目で見てあげたいです。