MIRAIndexエコは独自に開発された指数に連動する、テーマ型インデックスファンドです。EVにも投資しますが、現状のパフォーマンスはEVに特化したファンドに大きく負けています。
それでもS&P500種指数を大きくアウトパフォームしていますが、不人気で苦戦しています。エコよりもパフォーマンスが圧倒的なEVが好まれた結果かも知れません。
なおこの記事では、商品名先頭のSMTは略します。
MIRAIndexエコ
2019年10月29日に税抜き信託報酬0.7%で設定されました。MIRAIndexシリーズの4本目です。
- FactSet Global Environmental Opportunities Indexに連動するインデックスファンドです。
- 金融機関によっては購入時手数料(上限税抜き3%)が必要です。
- 解約時信託財産留保額はゼロです。
- 信託期間は無期限です。
- 現物株運用で、現在、48銘柄に投資しています。
- 運用会社は三井住友トラストアセットマネジメントです。
- 複数の条件を満たさないので、つみたてNISA適格ではありません。
FactSet Global Environmental Opportunities Index
テーマ型ファンドの場合、投資対象をどう選択するかがキモになります。次はFactSet Global Environmental Opportunities Indexの特徴です。
- 三井住友トラストアセットマネジメントがFactSet UK Limitedと共同開発したスマートベータ指数です。
- 世界の環境関連企業の中から総資産に占める売上総利益の割合(売上総利益÷総資産)の原則上位50銘柄で構成される指数です。
- 環境関連企業とは、売上の50%超が環境関連事業から得ている企業を言い、環境のテーマとして「代替・再生可能エネルギー」「省エネルギー」「資源有効活用」「廃棄物処理」「水資源保全」の5つを設定しています。
- 構成銘柄の入替えは年1回、ウェイトのリバランスは年2回行います。
- 構成銘柄のウェイトは浮動株調整後の時価総額基準とし、リバランス時の1銘柄のウェイトは最大5%とします。
出典:目論見書
ファンドの分類としてはインデックス型ですが、連動するのはスマートベータ指数であり、いくらかアクティブファンドの要素があります。ここは受益者によって好みの分かれるところでしょう。
次はMIRAIndexエコの組み入れ上位10銘柄です。全体の約50%を占めます。
1位はあのテスラです。EVメーカーだからエコなんですね。
目論見書によると、投資対象の約62%が米国企業です。
運用コスト
次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。MIRAIndexロボと比較しています。
MIRAIndexエコの第一期決算期間は5ヶ月しかなかったことも影響しているとは思いますが、隠れコストが高いです。
次は隠れコストの明細です。高さが目立つ項目を赤字にしています。
売買委託手数料も有価証券取引税も保管費用も高いです。
トータルコストは1.38%と高いです。が、エコという尖ったテーマに投資して、満足なパフォーマンスが得られるなら許容できる水準でしょう。そうは言っても、できればMIRAIndexシリーズの他の商品程度に抑えて欲しいものです。
リターン比較
スリム米国株式(S&P500)との比較
テーマ型ファンドに投資するのですから、S&P500種指数には負けたくないところでしょう。次はMIRAIndexエコの設定直後を避けた2019年11月15日から、2021年2月12日までの、スリム米国株式(S&P500)との比較です。
赤のラインがMIRAIndexエコです。青のラインはリターン差で、MIRAIndexエコースリム米国株式です。
この比較期間だとMIRAIndexエコの圧勝です。受益者は現在のパフォーマンスに満足していることでしょう。
iTrustエコイノベーションとの比較
iTrustエコイノベーションは、EV/エコ・ロボなどの環境テーマを投資対象にしたテーマ型ファンドです。
- 税抜き信託報酬1.33%のアクティブファンドです。
- 運用会社はピクテ投信投資顧問です。
- 信託期間は無期限です。
次は2019年11月15日から2021年2月12日までの、iTrustエコイノベーションとの比較です。
赤のラインがMIRAIndexエコです。互角です。
iFreeActive EVとの比較
MIRAIndexエコはEVも投資対象にしています。ではEVへの投資に特化しているiFreeActive EVとどちらが高パフォーマンスでしょうか。
次は2019年11月15日から2021年2月12日までの、iFreeActive EVとの比較です。
緑のラインがMIRAIndexエコです。この比較期間だとiFreeActive EVの圧勝です。テーマが近いとは言え、この比較はフェアじゃないですね。
不人気です
次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は4.89億円しかありません。なお、グラフからは初期投資の2億円を除外してあります。
2020年12月以降急速に売れ始めていますが、資金流入額が少ないです。
次はiFreeActive EVもプロットしたものです。
緑のラインがiFreeActive EVです。商品名が「エコ」では、EVにも投資しているとは言え、魅力的に感じないのかも知れません。また、パフォーマンスの高いものが売れる傾向が強いので、こういう結果になるのはある意味自然とも言えます。
評価:環境関連企業の未来に賭けるなら良い選択かも
環境関連企業の未来に賭けるなら、MIRAIndexエコは良い選択肢かも知れません。でも投資対象が重なっている、EVをテーマにしたファンドの圧倒的なパフォーマンスを見ると、心が揺れると思われます。
MIRAIndexエコは隠れコストが高いです。パフォーマンスが高いので受益者は気にしていないと思いますが、改善して欲しいところです。
S&P500種指数とのパフォーマンス比較から考えると、もっと売れていいと思うのですが、MIRAIndexシリーズはみな不人気です。高い人気を獲得するのは簡単ではないです。