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株式に債券を混ぜるメリットを教えて下さい:先進国株式+先進国債券編

株式と債券を比率いくらで混ぜると良いと聞いたことはありませんか。株式と債券の逆相関性によりいいことがあると。でも僕が検証した範囲では、リターンをあまり下げないで、リスクを下げられるという魔法のような効果はあっても一時的でした。

それは先進国株式+先進国債券でも同じでしょうか。

シミュレーション方法

  • 先進国株式は日興インデックスファンド海外株式、先進国債券は日興インデックスファンド海外債券の基準価額データを参照します。
  • どちらも分配金を出した過去がありますが、この記事の目的では無視できると判断しました。
  • 先進国株式と先進国債券を指定した比率で購入します。年1回の頻度でリバランスを行います。
  • 比較期間は2001年11月1日から2021年4月23日までです。

先進国株式と先進国債券のリターン比較

次は先進国株式と先進国債券のリターン比較です。

先進国株式と先進国債券のリターン比較グラフ

赤のラインが先進国株式、緑のラインが先進国債券です。先進国債券は変動率が低いですが、2015年以降はほとんど成長できていません。

先進国株式と先進国債券を80:20で混ぜた場合

次は先進国株式と先進国債券を80:20で混ぜたものと、先進国株式の比較です。

先進国株式と先進国債券を80:20で混ぜたものと、先進国株式のリターン比較グラフ

赤のラインが先進国株式、緑のラインが先進国株式+先進国債券です。青のラインはリターン差で、先進国株式ー先進国株式+先進国債券です。

青のラインが右肩下がりの期間は、先進国債券を混ぜたことでリターンが改善されたことを意味します。が、それは株価暴落時、株価調整時の限られた期間でしか観測されません。

暴落時の下落率の高さを許容できるなら、先進国債券を混ぜるメリットを感じません。

次は月次で求めたリスク(変動率)を年率換算したものの比較です。

月次で求めたリスク(変動率)を年率換算したものの比較グラフ

値動きの小さい先進国債券を混ぜることで、変動率はいくらか下がります。

次はシャープレシオを比較したものです。

シャープレシオを比較したグラフ

先進国株式+先進国債券の方が、シャープレシオが高いです。でもそれと、より有利な投資対象であることは別物です。

先進国株式と先進国債券を70:30で混ぜた場合

次は先進国株式と先進国債券を70:30で混ぜたものと、先進国株式の比較です。

先進国株式と先進国債券を70:30で混ぜたものと、先進国株式のリターン比較グラフ

青のラインの傾向は同じですが、振れ幅が大きくなりました。

先進国株式と先進国債券を60:40で混ぜた場合

次は先進国株式と先進国債券を60:40で混ぜたものと、先進国株式の比較です。

先進国株式と先進国債券を60:40で混ぜたものと、先進国株式のリターン比較グラフ

青のラインの傾向は同じままで、さらに振れ幅が大きくなりました。

2019年年初からの比較

コロナショックによる株価暴落と、そこからの回復の様子を観察します。

先進国株式と先進国債券を80:20で混ぜた場合

先進国株式+先進国債券の方が暴落時の下落率は低いですが、すぐに追い抜かれてしまっています。

先進国株式と先進国債券を80:20で混ぜたものと、先進国株式のリターン比較グラフ、2019年年初から

先進国株式と先進国債券を70:30で混ぜた場合

先進国債券を混ぜるメリットを感じません。

先進国株式と先進国債券を70:30で混ぜたものと、先進国株式のリターン比較グラフ、2019年年初から

先進国株式と先進国債券を60:40で混ぜた場合

先進国株式だけだとコロナショック時の下落率が高いですが、それまでに大きなリターン差を付けているので、先進国債券を混ぜたものが有利であったのは一瞬でした。

先進国債券が為替ヘッジありの場合

先進国債券で参照するデータを、日興インデックスファンド海外債券(ヘッジあり)に変えてみました。次は先進国債券の為替ヘッジありなしの比較です。

先進国債券の為替ヘッジありなしのリターン比較グラフ

赤のラインがヘッジなし、緑のラインがヘッジありです。為替変動の大きさを実感しますね。

次は先進国株式と先進国債券(ヘッジあり)のリターン比較です。

先進国株式と先進国債券(ヘッジあり)のリターン比較グラフ

先進国株式と先進国債券(ヘッジあり)を60:40で混ぜた場合

次は先進国株式と先進国債券(ヘッジあり)を60:40で混ぜたものと、先進国株式の比較です。

先進国株式と先進国債券(ヘッジあり)を60:40で混ぜたものと、先進国株式のリターン比較グラフ

傾向はヘッジなしと同じですね。

次は先進国債券を混ぜたものどうしの比較です。

先進国債券を混ぜたものどうしのリターン比較グラフ

赤のラインが為替ヘッジなしを混ぜたもの、緑のラインが為替ヘッジありを混ぜたものです。為替ヘッジなしを混ぜたものの方がリターンが高いです。

結論

先進国株式に先進国債券を混ぜるメリットです。

  • リスク(変動率)が減ってシャープレシオが改善されます。
  • 暴落時の下落率が小さくなるので、(相対的に)精神的ダメージが小さくてすみます。

次はデメリットです。

  • リターンを改善できる効果はあってもその期間は限定的です。
  • 直近19年間の比較では、リターンは先進国株式に劣後しました。相場次第ですが、この傾向は長期では変わらない気がします。

実在する商品のデータを使ったシミュレーションからは、僕は先進国株式に先進国債券を混ぜるメリットを感じませんでした。確かにリスクが抑えられるので、暴落時の下落率の高さに慣れていない人にはいいかも知れませんが、そういう人は良質なバランスファンドを選択するのがいいでしょう。

そして、変動率(ボラティリティ)の高さを許容できるなら、先進国債券を混ぜてもリターンを劣後させるだけなので、意味がありません。もちろん、未来のことは分かりません。

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