年金・iDeCo

【実体験】僕は確定拠出年金(iDeCo)の金融機関を2回変更しています

確定拠出年金(iDeCo)には実に馬鹿げた制約があります。金融機関あたりの取扱商品数の上限を35本としているのです。どうして上限が設けられたかと言うと、商品数が多すぎると利用者が選べないからという意味不明な理由からです。

その上限35本の商品を選ぶのは金融機関です。そのため、金融機関によっては高コストな、現在では競争力のない商品が扱われていたりもします。

投資したい商品が変わることは普通にありますし、より魅力的な商品が登場したのでそちらに切り替えたいと思うのは珍しくありません。iDeCo口座は同時にはひとつしか持てないので、現在の金融機関でお目当ての商品を扱っていない場合は、我慢するか、金融機関を変更するかの二択になります。

iDeCo口座がある金融機関を変更することを「iDeCo口座を移管する」とも言います。僕はわけあってそれを2回も経験しているので、口座移管時に起きることやデメリットも良く知っています。

この記事を読むと、iDeCo口座を移管することに関する漠然とした不安が解消されると思います。

iDeCo口座の移管の基礎知識

手数料

iDeCo口座の移管には、移管手数料がかかります。国民年金基金連合会が2,829円を徴収します。また、現在の金融機関が定める手数料が必要です。4,400円程度です。

税金

iDeCo口座の移管では課税されません。口座にある資産は一旦現金化されて(投資信託なら売却されて、定期預金なら解約されて)、新しい口座に移動しますが、税金は発生しません。

買い直し

特定口座間で投資信託を移管する場合、受益者権数がそのまま移動します。その際、売買は発生しません。ところがiDeCo口座の移管では、移管元の口座にある資産はすべて現金化されます。そして移管先では、その現金の何%でどの商品を買うかを移管前に指定するのです。

つまり、iDeCo口座の移管では商品が買い直されるのです。

SBI証券から楽天証券へ移管

僕がインデックス投資を始めた頃は知識も何もなく、iDeCo口座も良く考えずに(考えろと言われても無理)SBI証券を選択しました。理由を聞かれてもたまたまとしか言えません。そして選んだ商品がEXE-i 先進国株式でした。何となく先進国株式に投資したかったからです。

その後、EXE-i 先進国株式よりたわら先進国株式の方が低コストであることを知りました。

EXE-i 先進国株式とたわら先進国株式のコスト比較表

これら2商品のコスト差は0.134%ポイント程度あります。このコスト差が生み出すリターン差について検討した結果、iDeCo口座を移管してでも、たわら先進国株式に乗り換えた方が得だと判断しました。

また特定口座の使い勝手、楽天経済圏のメリットの多さ(楽天スーパーポイントで投信が買えるとか、楽天銀行との連携が圧倒的に便利だとか)から、管理を楽天証券で統一したいとも考えました。

以下、実際の移管手続きの様子です。

ステップ1

まず移管先の楽天証券に申し込みます。売却金(移管資産)、掛金共に全額をたわら先進国株式に投資するよう設定しました。

楽天証券ステップ1

これでステップ1は完了です。

楽天証券ステップ1完了

これを見ると2ヶ月もはかからないようですが、本当でしょうか。

ステップ2

届いた書類に記入して返送しました。

ステップ3

楽天証券は進捗をメールで通知してくれます。SBI証券はしてくれないですね。

楽天証券ステップ3まで完了

2018年1月30日にステップ3が完了です。ここから一番待たされるステップです。

2018年3月14日:JIS&T社から通知が到着

2月14日から国民年金連合会で審査中になっていましたが、それからちょうど1ヶ月経ってJIS&T社(楽天証券のiDeCoを扱っている会社)から口座番号とログインパスワードが郵送されてきました。

<JIS&T社から加入者口座番号等が届いたお客様>
JIS&T社より加入者口座番号・インターネットパスワードが届いてから、楽天証券でログインできるようになるまで1週間ほど時間を要します。ログイン可能になったタイミングで、本画面が「初期設定画面」に自動で切り替わり、お客様宛にメールと、メンバー画面のお知らせでご連絡いたします。

でもまだこの段階ではSBI証券のiDeCoの口座に変化はありません。時間がかかりますね。以下、日記形式です。

2018年3月20日:楽天証券側は準備完了です

楽天証券側は準備完了となり、SBI証券側から資金が移動してくるのを待つばかりとなりました。それが終わるまでは待機状態で、楽天証券側では何もできません。

SBI証券側はまだ何も変化がありません。普通に操作できます。ここからしばらく待たされるらしいのですが、早く楽天証券側に移動させて欲しいものです。手続きが遅い理由はSBI証券の問題ではなくて、日本年金機構が仕事ぶりが時代遅れだからです。これを嘆いている人は少なくありません。

2018年4月4日:SBI証券の資産が待機資金に変化

SBI証券の資産が「待機資金」に変わりました。株価下落により含み益が減っている時に待機資金になってしまいましたが、これは運なのでしょうがないです。

SBI証券の資産が待機資金に変化

しばらくすると待機資金が消えて、楽天証券側に現れると思います。それにどれだけかかるのかは分かりません。待つしかないです。

僕の楽天証券側はたわら先進国株式ではなくて定期預金にしてあります。たわら先進国株式を買うタイミングを図りたいと思ったのです。現在株価が乱高下していますので、下落時に待機資金になったうえ、株価が上がったタイミングでたわら先進国株式になるとイヤだからです。楽天証券に資金移動された時点で株価の乱高下が終わっていて普通の経済成長を反映しているならすぐにたわら先進国株式にスイッチします。そうでなくてまだ乱高下が続いているようなら、あるいは待っていれば安くなるタイミングが来そうなら、それを待つつもりです。

果たして上手にたわら先進国株式に変身できるでしょうか。

2018年4月14日:楽天証券で拠出されました

SBI証券の待機資金はそのままで、楽天証券で設定どおりの拠出が行われました。引き落とし口座は古いままです。拠出金で買う対象は定期預金です。

SBI証券の待機資金が楽天証券に移るのを待っているところですが、日数がかかりますね。日本年金機構は一度解体して民営化した方がいいんじゃないかな。

2018年4月19日:引き落とし口座が楽天銀行になりました

確定拠出年金の引き落とし口座を楽天銀行に変更する手続きを申請していましたが、本日手続きが完了しました。これで来月分からは楽天銀行より引き落とされます。それまでは三菱UFJ銀行から引き落としていましたが、楽天証券と組み合わせて利用する上では楽天銀行の方が便利です。これは楽天の狙い通りで楽天経済圏に囲い込まれているとも言えますが、より良いサービスを提供できるところだけが生き残るのですから自然な結果だと思います。

2018年4月19日:SBI証券にログインできなくなりました

正しくはSBIベネフィットシステムですが、本日やっとログインできなくなりました。昨日はできてました。いよいよ資金がSBI証券から楽天証券に移動するのだと思います。それにしても処理が遅いです。

2018年4月20日:ついに資金が楽天証券に入りました

楽天証券の画面に資金が現れました。これで移管が完了しました。1月18日頃に手続きを開始したので何と3ヶ月もかかりました。長かったです。

資金が入りました

しばらく定期預金のままにしておき、株価下落時にたわら先進国株式に変更します。そんなにうまく行くか?それは分かりませんが、では、このまま株価は下落せずに上昇一途でしょうか。僕は近い内にチャンスだと思える時がやってくると考えています。その時を楽しみにしています。

手続き上の問題でたわら先進国株式を買われてしまいました

当初移管手続きを申し込んだ時に、楽天証券でたわら先進国株式を買うように指示しました。が、その後タイミングをはかって買いたいと思い、楽天証券側の設定を変えて定期預金に入るようにしました。が、それは通用せず、楽天証券でたわら先進国株式を買われてしまいました。予定外でしたがまあいいです。

楽天証券から松井証券へ移管

その後、たわら先進国株式とスリム先進国株式の間には無視できないコスト差があることが分かりました。

たわら先進国株式とスリム先進国株式の信託報酬表

スリム先進国株式は信託報酬の引き下げに意欲的(と言っても最安水準と同率までの引き下げですが)でしたが、たわら先進国株式はそうではありませんでした。たわら先進国株式だっていずれ引き下げるかも知れないわけですが、それを待っているよりも乗り換えた方が得策だと思いました。

iDeCo口座の移管には手数料と手間と時間がかかりますが、まだ10数年以上運用することを考えると、スリム先進国株式に乗り換えるべきだと判断したのです。

当時、iDeCoでスリム先進国株式が選べるのはマネックス証券と松井証券だけでした。どちらもiDeCoの運営会社はJIS&T社で楽天証券と同じです。いろいろ調べましたが、どちらにするかは好みの問題だと思いました。それでWebでの情報公開の程度の印象から松井証券を選択しました。

2018年7月4日

松井証券の口座は持っていなかったので、口座開設から始めました。オンラインで申し込んでいた口座開設が完了し、ログイン情報が郵送されてきました。で、iDeCoの資料請求を、次の条件で行いました。

  • 他の金融機関からの移管。
  • 現在掛け金を拠出中。
  • 掛け金は定期預金へ。
  • 移管する資産も定期預金へ。

楽天証券のiDeCoにあるたわら先進国株式をいったん定期預金に入れるのは、スリム先進国株式を買うタイミングを自分で決めたいからです。掛け金を定期預金に入れるのも同じ理由です。制約の多いiDeCoですが、スイッチングが非課税で自由にできるメリットはiDeCo特有のものです。これは活用すべきです。

iDeCo口座をSBI証券から楽天証券に移管した際は、手続き上のミスで自分の好きなタイミングでたわら先進国株式を買うことができませんでした。今回は大丈夫です。

2018年7月9日

松井証券からiDeCoを移管するための書類が届きました。ネットで入力済みの項目は印刷されているため、年金基礎番号と名前を記入するぐらいのものでした。で、記入後すぐに投函しました。

2018年8月23日

しばらく前に口座開設の案内とログイン用IDとパスワードを連絡するはがきが届いていましたが、気付くと楽天証券のiDeCo画面から資産状況の表示が消えていました。思ったよりも早いです。SBI証券から楽天証券への移管の時よりも短い期間で処理されている印象です。

ここからJIS&Tの画面に僕の資産が表示されるまでしばらく待たされるはずです。それまでは何もできません。

2018年9月11日

JIS&Tの画面に僕の資産が表示されました。設定どおり、現在は定期預金になっています。移管前のたわら先進国株式の基準価額はメモしてあるので、その水準よりも下がったらスリム先進国株式にスイッチングします。その程度の下落は大して待たないでも起こると思います。

スリム先進国株式にスイッチした感想

僕は運良く移管前よりもMSCIコクサイの株価が下落したタイミングで、スリム先進国株式にスイッチできました。が、運が悪いと株価がどんどん上昇してしまい、我慢できなくなって移管前よりもずいぶん高い基準価額でスイッチすることになります。

今の僕の考えは「タイミングをはかる売買はやめた方がいい」です。iDeCo口座の移管時には売買できない期間がどうしても発生するため、その間の基準価額の変動を気にして良からぬことを考えてしまいそうですが、僕は実際考えましたが、これはおすすめできないですね。

何もできない期間

移管作業の終盤で、

  • 移管元の画面から資産が消えて操作不能になる。
  • 移管先の画面にまだ資産が移動していない。

という何もできない期間が発生します。2回とも16日程度でした。が、僕の場合は毎月の掛け金の拠出は滞りなく行われました。(銀行の取引明細も確認しました。)ですから、僕は次が正しい理解だと思います。

  • 移管手続き中も拠出は継続して行われる。(つまり、節税効果は減らない。)
  • 拠出されるので指定している商品の購入もされるはず。

保証はできませんが、移管に2~3ヶ月かかるとしてもその間積み立てされないわけではないですし、本当に何もできない、資産が口座間を移動中なのは16日程度だったので心配しなくていいと思います。

iDeCo口座の移管は難しくないけど、デメリットが気になる

iDeCo口座の移管は難しくないです。手間も大したことはありません。手数料は7,200円ぐらいでしょう。なお、SBI証券のオリジナルプランとセレクトプラン間の移管では、手数料は発生しません。

が、移管に伴い操作がまったくできない間に、基準価額が大きく変動するのは普通にあります。できれば、ほぼ変わらない基準価額で乗り換えられるといいのですが、運任せです。だからと言って、定期預金を経由させて損しない基準価額で乗り換えようとしても、うまくいく保証はありません。

それでも我慢しないで移管した方がいい

iDeCo口座での運用年数を考えると、本当は違う商品に投資したいんだけど口座移管がめんどくさいんだよなあと思って、本命でない商品を我慢してホールドするより、思い切って口座を移管し、本命の商品に乗り換えた方がいいと思います。その際に基準価額の変動で少し損するかも知れませんが、それは長期投資を前提で考えれば、きっと小さなことでしょう。そしてiDeCoは自然と長期投資を求めます。

最初から自分にあった金融機関を選択する

iDeCo口座を移管しないで済むなら、それに越したことはありません。同一口座内での商品の乗り換えは、スイッチングによって簡単に行えます。そのため、最初から自分が投資したいと思うであろう商品が揃っている金融機関でiDeCo口座を開設するのが良いです。

現状では、スリムシリーズを完全制覇している松井証券がおすすめです。

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