年金・iDeCo

僕の妻がiDeCoでどれだけ得するつもりか知りたいですか?

ブログでも書籍でもそうですが、iDeCoについての説明は不十分または不適切なものが散見されます。注意しないと泣く可能性の高い落とし穴を説明しなかったり、逆に強調し過ぎて回避不可能に思えたりします。

iDeCoは使いにくいことは確かですが、制約を上手に回避できればとんでもなく有利な制度です。その制約のひとつが、2022年5月から緩和されます。

また、iDeCo嫌いの人が声高に強調する特別法人税の復活はありえないと考えています。実際、2020年3月31日まで凍結だったのが、再度3年間延長されました。

僕の妻はiDeCoで(特定口座よりも)どれだけ得するか、見積もりました。

更新情報

iDeCoの制度改善内容を反映させています。

妻のiDeCo

長い人生の中では、後になってみて間違いだったと気付く選択をしてしまうことも少なくありません。僕は個人事業主になった時に、妻にiDeCoではなくて国民年金基金に加入するように言いました。

国民年金基金は良い選択肢ではありませんでした。最悪なのは、一度加入すると完全に脱退できない地獄仕様であることです。最小限の口数に減らすことはできますが、妻の場合それで20,930円です。国民年金基金と確定拠出年金は合計で月額68,000円までなので、僕より遅れて始めたiDeCoの毎月の拠出額は47,000円に制限されます。

スリム先進国株式

我が家はiDeCoもスリム先進国株式に切り替えたくなり、わざわざ口座を松井証券に移管しました。

そうして楽天証券のたわら先進国株式から松井証券のスリム先進国株式に乗り換えたわけですが、良い判断だったと思っています。

積み立てシミュレーション

妻の実際とは少し違いますが、それに近い設定でシミュレーションします。松井証券のiDeCo口座でスリム先進国株式を毎月47,000円、62歳と2ヶ月まで買い続けたとします。(60歳を超えても拠出できるのは、26ヶ月間任意加入するため。)拠出期間は10年3ヶ月です。運用可能期間は最大23年です。

スリム先進国株式の未来の基準価額データはないので、期待リターン年率5%で数学的に発生させたもので代用します。

期待リターン年率5%で数学的に発生させたものとスリム先進国株式のリターンのグラフ

緑のラインはスリム先進国株式の実際のデータです。期待リターン年利5%で23年間だと複利効果により利益率は220%にもなります。

拠出期間10年3ヶ月、その後70歳になるまでガチホした場合

75歳の誕生日前までに解約(売却)すればいいのですが、その時に暴落していると悲しいので、余裕を持って(余命のこともあるし)70歳の誕生日あたりで解約することを考えます。もしその時に暴落していたら、最長5年間、株価の回復を待つ猶予があります。

拠出期間10年3ヶ月、その後70歳になるまでガチホした場合のシミュレーション結果

元本は578万円です。70歳で解約すると税引き前利益率は96.9%です。

特定口座よりも得なのか

退職所得控除は、iDeCoの拠出期間20年以内は年額40万円です。拠出期間は10年3ヶ月なので、繰り上げて11年×40万円=440万円となります。

次の課税所得の計算式より、

課税所得=(資産額ー退職所得控除額)÷2

課税所得はそれなりの金額になってしまいます。次の表は64歳から70歳の誕生日あたりに売却した際に、評価額や税額がどうなるかをまとめたものです。

64歳から70歳の誕生日あたりに売却した際に、評価額や税額がどうなるかをまとめた表

実効税率は、利益に対する税額の割合です。11%程度です。特定口座だと現在20.315%ですから、それよりはずっと低いです。

iDeCoの場合、評価額全体(から控除した半分)が課税対象になるので、この場合、実効税率は利益が増えれば増えるほど軽減されます。(でも所得税は超過累進課税なので単純ではありません。)この場合は、できるだけ長くガチホしてから売却するのが手取り額も増えてお得ですが、暴落して評価額がどーんと下がると気分最悪なので、もうこれだけ含み益が大きくなったらいいかなというあたりで売却するのが良いでしょう。

妻の場合、余命も考えて70歳あたりで1,000万円近くを、税引き後利益率86%で手にできれば素晴らしい投資成果と言えるでしょう。

iDeCoでより得する条件

まず可能な限りiDeCoの意地悪仕様に引っかからないようにするのがポイントです。退職所得控除額が大きく変わります。

そしてできるだけ早く、可能なら20歳からiDeCoを利用すべきです。その際の拠出金額は最低額の5,000円でも構いません。何故ならそれは拠出年数を稼ぐのが主目的だからです。

年金制度として設計されたiDeCoの退職所得控除額の計算方法はまさに退職金の考え方です。

  • 20年以内は年額40万円
  • 20年超は年額70万円

実際の拠出額は関係ありません。拠出年数だけで決まります。もし20歳からiDeCoを開始して65歳まで拠出可能だとすると、退職所得控除額はこうります。

40万円✕20年+70万円✕25年=2,550万円

よって、iDeCoの資産を一括で売却する時の評価額が2,550万円以下なら非課税になります。そうできる権利を獲得できるのです。

そしてこれを邪魔する制約のひとつが改善されます。働き方に関わらず、iDeCoを持ち運べるようになるのです。

また、全員対象で受取可能年齢が5歳引き上げらます。それにより意地悪仕様を避けやすくなりました。

特に若い人に知って欲しい

インデックスファンドは超ローコスト化が進みましたし、マニアを除いて米国籍ETFに手を出さなくても良いぐらい、投資対象資産も増えてきました。つみたてNISAやiDeCoの制度の拡充・改善も期待されます。実際、iDeCoは大きな改善の実施が確定しました。

総じて、現在は次のことができるほとんどの人は(特に若い人は)非課税制度を利用したインデックス投資で、満足な老後資金を準備できるはずです。(不可抗力でできない人のためにあるのがセーフティネットです。それは「ばらまき」ではありません。)

  • 勤勉に働く。
  • 節約に励む。
  • 最低限の金融リテラシーを身につける。
  • 頑張って貯蓄する。
  • 非課税制度+インデックス投資を長期間継続する。

iDeCoは非課税制度ではなく、年金制度として設計されたので制約が多く使いづらいものの、活用できる人には大きなメリットがあります。

これらを実践できれば、きっと、老後2,000万円問題とは無縁の未来を手にできるでしょう。

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