iFree NEXTシリーズに新商品が追加されました。iFree NEXT NASDAQ次世代50です。iFree NEXT NASDAQ100が連動するのはNASDAQ100指数ですが、iFree NEXT NASDAQ次世代50が連動するのはNASDAQ Q-50指数です。
iFree NEXT NASDAQ次世代50はiFree NEXT NASDAQ100より高パフォーマンスが期待できるでしょうか。
更新情報
参照しているデータを最新版に更新しています。
iFree NEXT NASDAQ次世代50
2021年1月13日に税抜き信託報酬0.45%で設定されました。iFree NEXT NASDAQ100と同率です。
近年のNASDAQ100の高いパフォーマンスが評価され、iFree NEXT NASDAQ100の人気は急上昇しました。そうなると同じ指数に連動する商品が組成されるのが、この業界の習わしで、NZAMベータNASDAQ100、インデックスファンドNASDAQ100に続いて、eMAXIS NASDAQ100も登場しました。そんな中、一歩先を行く大和アセットマネジメントは、iFree NEXT NASDAQ次世代50で攻めてきました。
連動する指数はニッチなNASDAQ Q-50ですが、信託報酬はNASDAQ100と同率、信託期間無期限で好印象です。できれば、QQQN(米国籍ETF)を買うとしてもその比率を抑えて、現物株比率を高くして欲しいですね。
iFree NEXT NASDAQ次世代50はもちろん、つみたてNISA適格ではありません。
NASDAQ Q-50指数
NASDAQ Q-50指数は、NASDAQ100指数への昇格が期待される候補生50人で構成されます。
NASDAQ Q-50指数は、将来的にNASDAQ-100指数への組み入れが見込まれる企業のパフォーマンスを追跡するために設計された時価総額加重型の株価指数です。NASDAQ Q-50指数は、時価総額でランク付けされた50社の株式で構成されており、コンピュータ・ハードウェアおよびソフトウェア、電気通信、小売/卸売業、バイオテクノロジー などの業種グループの企業を反映します。銀行や投資会社を含む金融会社の有価証券は NASDAQ-100指数に含まれないため当該指数にも含まれません。NASDAQ Q-50指数は2007年10月10日に150を基準値としてスタートしました。
あのNASDAQ100への組み入れが見込める50社の株式を、時価総額加重平均で指数化したものと聞くと、自然と期待しちゃいますね。
ただ、本当に成績の良い候補生はNASDAQ100指数に昇格してしまうことを考えると、複雑な気持ちになります。
運用コスト
第一期運用報告書が公開される2022年3月頃までは、公式な運用コスト(トータルコスト)は計算できません。
QQQN
QQQN(VictoryShares Nasdaq Next 50 ETF)はNASDAQ Q-50指数に連動します。2020年9月に設定されました。NASDAQ Q-50指数に連動するETFで、これより古いものはないそうです。
次は2020年9月11日から2021年12月30日までの、QQQNトータルリターンと、NASDAQ100指数に連動するQQQトータルリターンの比較です。
青のラインはリターン差で、QQQNーQQQです。2021年2月まではQQQNの方が高パフォーマンスでしたが、その後差が縮まり、現在ではQQQに劣後しています。
NASDAQ100指数とNASDAQ Q-50指数の比較
Yahoo! Finaceでダウンロードできる、^NDXはNASDAQ100指数、^NXTQはNASDAQ Q-50指数の推移です。配当金込みと思われます。これらを円換算したものを比較します。
2020年9月11日からの比較
次はQQQNとQQQの比較と同じ期間のものです。期待通りの結果です。
ところが過去に遡ると、意外なことが分かりました。
2013年3月からの比較
NASDAQ Q-50指数は2007年10月にスタートしましたが、^NXTQのデータは2013年3月以降のものしかありません。次は2013年3月6日からの、^NDXとの比較です。
赤のラインの^NDX(NASDAQ100)の圧勝です。青のラインは^NDXー^NXTQです。2017年頃まではまあ互角でしたが、その後大きく差を広げています。NASDAQ Q-50指数への期待が一気にしぼんでしまったかも知れません。
リターン比較
QQQNトータルリターンとの比較
次はiFree NEXT NASDAQ次世代50とQQQNトータルリターンの比較です。2021年2月22日から12月30日までです。
月次報告書によると、iFree NEXT NASDAQ次世代50は現在QQQNに9.5%投資しています。現物株運用と呼べるか呼べないかギリギリのところでしょうか。
QQQNトータルリターンの運用コストを増量してみたところ、iFree NEXT NASDAQ次世代50のトータルコストはiFree NEXT NASDAQ100よりわずかに高そうです。
iFree NEXT NASDAQ100との比較
次はiFree NEXT NASDAQ次世代50の設定直後を避けた、2021年2月1日から2022年1月21日までの、iFree NEXT NASDAQ100との比較です。
緑のラインがiFree NEXT NASDAQ次世代50です。青のラインはiFree NEXT NASDAQ100ーiFree NEXT NASDAQ次世代50です。この比較期間だと、iFree NEXT NASDAQ次世代50はiFree NEXT NASDAQ100に負けています。この様子だとiFree NEXT NASDAQ次世代50には投資しにくいですね。
人気は頭打ちです
次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は25.62億円です。
設定直後から買われますが、パフォーマンスがiFree NEXT NASDAQ100に負けていることが分かった時期から頭打ちになりました。良くあるパターンです。iFree NEXT NASDAQ次世代50に飛びついた受益者は現在、ちょっとまずかったかなと、思っているかも知れません。
評価:NASDAQ Q-50指数に魅力を感じる人には良い選択肢
僕はNASDAQ100指数で十分かなという感想を持ちましたが、NASDAQ Q-50指数に魅力を感じる人もいることでしょう。iFree NEXT NASDAQ次世代50の(組成内容の)印象は悪くないし、iFree NEXT NASDAQ100同様の安定した低コストな運用を期待するなら(十分できると思います)、良い選択肢になるでしょう。
何より、iFree NEXT NASDAQ次世代50はインデックスファンドとしてニッチな指数に手軽に投資できること、良心的な組成内容らしいことを高く評価します。でもQQQNへの投資比率は上げないようにして欲しいです。
なお2013年以降のパフォーマンス比較ではNASDAQ100指数に負けているので、NASDAQ Q-50指数の評価は割れるような気がします。すべては今後のパフォーマンス次第でしょう。
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