NASDAQ100指数に2倍のレバレッジをかけるiFreeレバレッジNASDAQ100は、自然発生的に「レバナス」と呼ばれるようになりました。その人気にあやかろうと楽天レバレッジNASDAQ-100が登場しましたが、その公式な愛称は何と「レバナス」です。
話題の、NASDAQ100指数にレバレッジをかけたファンドはこれら2商品以外にもあります。でも中身(組成内容)はピンきりなので自分に向いているのかどうか良く調べてから投資するのがいいです。
投資信託
NASDAQ100指数は、つみたてNISAの指定インデックスではないこと、レバレッジをかけた商品は適格要件を満たさないと考えられることから、ここで取り上げた商品は永久につみたてNISA適格にはなれないはずです。
iFreeレバレッジNASDAQ100
税抜き信託報酬0.9%と高めですが、組成内容が良く運用も安定しています。あまり公開されることのない運用の詳細について、Q&A形式で答えているのは素晴らしいです。また圧倒的な人気を獲得済みです。
NASDAQ100指数に2倍のレバレッジを手軽にかけたいなら、現状ではiFreeレバレッジNASDAQ100一択です。
楽天レバレッジNASDAQ-100
iFreeレバレッジNASDAQ100の対抗馬です。税抜き信託報酬は0.7%ですが、連動債券の経費率(数値は非公開)を含めると大して安くないかも知れません。組成内容が複雑で、僕の印象は良くない(iFreeレバレッジNASDAQ100の方が好き)です。
特に理由がなければ、楽天レバレッジNASDAQ-100は様子見がいいでしょう。少なくとも、iFreeレバレッジNASDAQ100から急いで乗り換えるのはやめた方がいいと思います。
NASDAQ100 3倍ブル
iFreeレバレッジNASDAQ100と同じ大和アセットマネジメントが運用していますが、これはiFreeレバレッジNASDAQ100の3倍ブル型ではありません。NASDAQ100指数に3倍のレバレッジを手軽にかけたいという人には都合の良い商品ですが、組成内容は大きく違っています。特に(延長後で)信託期間がたったの6年しかなく、2026年10月に償還される点に注意が必要です。
NASDAQ100 3倍ベア
NASDAQ100 3倍ブルの兄弟です。レバレッジが逆方向であることを除くと、組成内容はNASDAQ100 3倍ブルにそっくりです。(延長後で)信託期間がたった6年しかないのも同じです。
ベア型ファンドは株価の下落局面以外で保有すると簡単に焼かれてしまいます。そのことを良く理解した上で、ギャンバルを楽しみたい人向けの商品です。
NASDAQ100トリプル(マルチアイ搭載)
通常時は3倍ブル型ですが、リスクオフの局面ではレバレッジの倍率を下げる運用を行います。NASDAQ100 3倍ブルの改良型と言えなくもないですが、うまく行くかどうかはファンドマネージャーの実力と運次第です。
また、信託期間が5年しかなく、2026年3月に償還されます。
最近マルチアイが初めて発動しました。ファンドマネージャーの判断が正しかったかどうか、今後の推移を見守っています。
ETF
TQQQ
QQQはNASDAQ100指数に連動する、レバレッジのかかっていない米国籍ETFです。それの3倍ブル型がTQQQです。(運用会社は違います。)
残念ながら楽天証券やSBI証券などの大手証券会社は扱っていません。日本の証券会社だと、現在ではIG証券でのCFD取引(一般口座)だけだと思います。買えないものとあきらめましょう。
QLD
QLDはTQQQの2倍ブル型ETFです。QLDも楽天証券やSBI証券などの大手証券会社は扱っていません。日本の証券会社だと、現在ではIG証券でのCFD取引(一般口座)だけだと思います。買えないものとあきらめましょう。
iFreeETF NASDAQ100インバース【2842】
2022年2月2日に税抜き信託報酬0.75%で設定された国内籍ETFです。円で為替ヘッジされます。マイナス1倍のレバレッジとしてここで取り上げました。
目論見書を見た印象は、すごくいいです。NASDAQ100指数をショートしたい人にとって、この国内籍ETFの使い勝手はたまらないのではないでしょうか。強気の信託報酬は競合する商品がないことを踏まえたものですね。リスクを取って設定したのだから先行者利益を得たいのは当然です。大和アセットマネジメントは最近攻めてますね。
結論
話題のレバナスに投資したいという理由なら、iFreeレバレッジNASDAQ100がおすすめです。楽天レバレッジNASDAQ-100は様子見がいいでしょう。
商品によってはよりリスクが高いとか、信託期間が短いと言った課題があるので注意が必要です。
ベア型、インバース型は、相場の読みが外れると焼かれてしまうことを理解している人しか触ってはいけない商品です。
長期投資には不向きと言われています
一般的に、レバレッジをかけた商品は長期投資には不向きとされています。僕は商品としてのiFreeレバレッジNASDAQ100を高く評価していますが、資産形成を目的とした投資対象としては扱いが難しいとの立場です。その投資が将来的に報われるかどうかは、オール・カントリーやスリム米国株式(S&P500)やスリム先進国株式への投資よりも不透明だと思うからです。
金融庁は「レバレッジ型・インバース型ETF等への投資にあたってご注意ください」とする文書を公開しています。次はその冒頭からの引用です。
- レバレッジ型・インバース型ETF等は、主に短期売買により利益を得ることを目的とした商品です。
- 投資経験があまりない個人投資家の方が資産形成のためにこうしたETF等を投資対象とする際には、取引の仕組みや内容を十分理解し、取引に伴うリスク・コストを十分に認識することが重要です。
射幸心が高まるとこのような警告を避けたくなるかも知れませんが、圧倒的に高い利益を狙うためには絶望的に高いリスクを負わなければならないことを理解しましょうね。