近年その圧倒的なパフォーマンスが評価され、NASDAQ100指数連動商品が人気です。そのもてはやされぶりには危険な香りもしますが、歴史が繰り返されるのは投資の世界でも同じようです。
株価の未来を正確に予測するのは不可能ですが、ローコストで質の高い投資手段が提供される現在は、とても恵まれていると思います。
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NASDAQ100指数とは
NASDAQ100指数は、米国のナスダック市場に上場している時価総額の大きい非金融業100社の株式で構成される株価指数です。指数の計算方法は、調整済時価総額加重平均方式です。定期的な採用銘柄の入替えは毎年12月に行なわれますが、それ以外に、臨時に入替えが行なわれることがあります。
NASDAQ100指数はつみたてNISAの指定インデックスではありません。そのため「指定インデックス投資信託」以外の、いわゆるアクティブファンド枠で適格申請するためには、設定から5年経過する必要があります。iFree NEXT NASDAQ100だとあと2年我慢です。
NASDAQ100とS&P500の投資対象の違い
S&P500にはNASDAQ100がほぼ丸ごと入っています。つまり、S&P500に投資すると、ほぼNASDAQ100にも投資していることになります。
S&P500に投資するということは、NASDAQ100のほとんどに投資した上でさらに、62%程度の異なる銘柄に投資することを意味します。
おすすめの選択肢
利便性、効率の高さから、ETFよりインデックスファンドがおすすめです。現状ではiFree NEXT NASDAQ100かeMAXIS NASDAQ100の二択となります。
iFree NEXT NASDAQ100
トータルコスト、運用実績、人気を考えると、eMAXIS NASDAQ100と並んで最有力候補です。
eMAXIS NASDAQ100
トータルコスト、人気はiFree NEXT NASDAQ100と互角ですが、組成内容はeMAXIS NASDAQ100の方が好ましいです。
eMAXISシリーズでなくてスリムシリーズだったら良かったんですけどね。
商品名を目にしてもスルーするのが良い商品
次の2ファンドの商品名を目にすることがあっても、スルーするのが正解です。
NZAMベータNASDAQ100
NZAMベータNASDAQ100は第二期決算期間に隠れコストを大幅に削減できましたが、それでもまだライバルの方が低コストです。そしてライバルの人気は圧倒的です。NZAMベータNASDAQ100を選択するメリットは見い出せないです。
PayPay投信NASDAQ100
信託報酬は単独業界最安水準ですが、トータルコストは明らかに高いです。組成内容は申し分ないのですが、現状だとおすすめできません。PayPay投信NASDAQ100は運用を頑張らないといけないですね。
ETF
利便性ではインデックスファンドに大きく劣るものの、ETFのメリットを活かせる人もいます。
QQQ
QQQを自分で買うデメリットが気にならない場合、長期投資を前提とするならQQQの方が有利です。SBI証券と楽天証券はQQQの買付手数料を無料化したので、より買いやすくなりました。
NEXT FUNDS NASDAQ-100【1545】
以前はMAXISナスダック100【2631】にトータルコストで負けていましたが、信託報酬引き下げ後は1545の方がわずかながら安くなると推測されます。
国内ETF好きな人には良い選択肢です。
MAXISナスダック100【2631】
2631は良い選択肢ですが、ETFへのこだわりがないなら、iFree NEXT NASDAQ100かeMAXIS NASDAQ100をおすすめします。
MAXISナスダック100ヘッジあり【2632】
ETFのメリット・デメリットを分かった上で国内ETFが好き、そしてNASDAQ100指数に為替ヘッジをかけて投資したい人には、2632はとても魅力な選択肢に見えるのではないでしょうか。
QQQと1545または2631ではどちらが良いか
QQQと信託報酬引き下げ後の1545または2631だと、トータルコストはQQQの方が安いと思いますが、配当金利率、配当金への課税、QQQの売買に伴うデメリットまで含めて考えると、国内ETFで良いのではないか、という気もします。
NASDAQ100とS&P500ではどちらが高パフォーマンスか
S&P500とのパフォーマンス比較はいいやって方は、ここまで飛ばして下さい。
次はスリム米国株式(S&P500)とiFree NEXT NASDAQ100のリターン比較です。iFree NEXT NASDAQ100の運用が安定した、2018年10月1日から2022年3月11日までです。
青のラインはiFree NEXT NASDAQ100ースリム米国株式(S&P500)です。2019年11月頃まではスリム米国株式(S&P500)の方がリターンが高い期間が多かったのですが、その後iFree NEXT NASDAQ100がハイテクの強さを見せつけます。
次は2019年10月からの比較です。
株価暴落開始前の伸び、暴落からの回復の速さが半端ないです。手堅くS&P500に投資していた人の心もグラつかせる程のパフォーマンスです。
でも、2020年9月以降、青のラインの傾きはゆるやかになりました。NASDAQ100の圧勝ではないです。そして直近ではS&P500に負けています。それでもこの比較期間では、素晴らしいパフォーマンスであることは確かです。
ではもっと昔からの比較ではどうなるでしょうか。QQQトータルリターンとVOOトータルリターンを比較します。
QQQトータルリターンとVOOトータルリターンの比較
次は2011年年初から2022年2月28日までの、QQQトータルリターンとVOOトータルリターンの比較です。
2014年以降はNASDAQ100の圧勝です。比較期間が長くなると、NASDAQ100はS&P500を圧倒するようです。こういう比較を見て、NASDAQ100を高く評価する人も少なくないようですね。
NASDAQ100の暗い過去
次はNASDAQ100指数(^NDX)とS&P500種指数をベンチマークにしているSPYトータルリターンの、1993年2月からの比較です。円換算しています。縦軸は対数です。
2003年以降はNASDAQ100の圧勝でした。が、2000年代のITバブル崩壊では最高値から80.5%も下落しました。2001年あたりでNASDAQ100に投資した人は、その後の暴落で打ちのめされたことでしょう。
そしてITバブル時のピークを超えるのに、15年近い年月を要しました。これは過去の極端な事例かも知れませんが、NASDAQ100に投資するなら覚えておいた方がいいでしょう。
結論:現状、iFree NEXT NASDAQ100とeMAXIS NASDAQ100の二択
この記事に登場した商品の純資産総額一覧です。純資産総額でソートしています。
手軽に投資できるインデックスファンドならiFree NEXT NASDAQ100とeMAXIS NASDAQ100の二択ですが、国内籍ETFも(そのメリットを活かせる人には)良い選択肢です。
NASDAQ100指数にレバレッジをかけるなら
NASDAQ100指数にレバレッジをかけた商品としては元祖レバナスことiFreeレバレッジNASDAQ100が有名ですが、選択肢は他にもあります。
でも現状ではiFreeレバレッジNASDAQ100がおすすめです。