ニッセイグローバルリートは新興国のREITにも投資します。日本を除く先進国+新興国です。この指数はマイナーで、つみたてNISAの指定インデックスではありません。そのため、8資産均等型などで先進国REITに投資する場合も、この指数を採用するとつみたてNISA適格になれません。
が、指数がマイナーであっても受益者の期待に応えられる商品なら、存在価値は十分あります。
ニッセイグローバルリート
2013年12月10日に税抜き信託報酬0.45%で設定されました。単独で最安水準でした。その後1回引き下げられていますが、それは最安水準には届かないものでした。
次は信託報酬の引き下げ履歴です。
ローコスト先進国リートインデックスの多くが連動するベンチマークは、S&P先進国REIT指数(除く日本)です。ところがニッセイグローバルリートのベンチマークはS&Pグローバルリート指数(除く日本)で、新興国のREITにも投資します。どちらも日本のREITには投資しません。
そのため、ニッセイグローバルリートは他の「先進国リートインデックス」と同列に比較できません。
購入時手数料、解約時信託財産留保額共にゼロです。また、ニッセイグローバルリートが採用した指数「S&Pグローバルリート指数(除く日本)」はつみたてNISAの指定インデックスではなく、株式に投資しないため、どうやってもつみたてNISA適格要件を満たせません。
ニッセイアセットマネジメントは、S&P先進国REIT指数(除く日本)に連動する「DCニッセイ先進国リート」も運用していますが、こちらは確定拠出年金専用です。
国別投資割合
次はS&Pグローバルリート指数(除く日本)とS&P先進国REIT指数(除く日本)の、国別投資割合を比較したものです。
上位8位まではほぼ同じです。この様子だと、新興国への投資割合はとても少いですね。
運用コスト
次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。スリム先進国リートと比較しています。
三井住友DC外国リートは隠れコストが高めです。決算期によって変動しますが、設定来ずっと高めで推移しています。でも連動する指数が異なり、コストがかさみそうな新興国に投資するため、単純な比較はできません。
リターン比較
比較対象は全て「先進国リートインデックス」で、連動する指数が異なる点に注意してください。
eMAXIS先進国リートとの比較
次はニッセイグローバルリートの設定直後を避けた、2014年1月4日から2021年3月12日までの、eMAXIS先進国リートとの比較です。
青のラインはリターン差で、eMAXIS先進国リートーニッセイグローバルリートです。この比較期間だとeMAXIS先進国リートの方が高パフォーマンスですが、常時差が開いてきたわけではありません。
Funds-i 外国REITとの比較
次は2014年1月4日から2021年3月12日までの、Funds-i 外国REITとの比較です。
青のラインはFunds-i 外国REITーニッセイグローバルリートです。Funds-i 外国REITはeMAXIS先進国リートよりもリターンが高いので、より差が大きいです。でも、新興国のREITにも投資したいというのであれば、悪くない選択だと思います。
DCニッセイ先進国リートとの比較
DCニッセイ先進国リートは確定拠出年金専用で、2018年12月19日に設定されました。税抜き信託報酬は0.27%で、ニッセイグローバルリートと同率です。
次はDCニッセイ先進国リートの設定直後を避けた、2019年1月10日から2021年3月12日までの、ニッセイグローバルリートとの比較です。
青のラインはDCニッセイ先進国リートーニッセイグローバルリートです。やはり先進国リートインデックスの方がわずかながら高パフォーマンスですね。
売れ行きは
次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は85億円です。
安定した資金流入が続いています。
次はスリム先進国リートもプロットしたものです。
緑のラインがスリム先進国リートです。スリムシリーズの人気の高さを感じます。
評価:指数にこだわらないならスリム先進国リートがいいです
新興国のREITにも投資する、S&Pグローバルリート指数(除く日本)にこだわるなら、ニッセイグローバルリート一択です。そうでないなら、スリム先進国リートがいいです。
ニッセイグローバルリートの新興国への投資割合はとても小さいようですし、過去のリターン実績を見てもS&P先進国REIT指数(除く日本)で十分な気がします。ニッセイグローバルリートには十分な純資産総額がありますが、長期投資を考えると、マイナーな指数に連動する商品であることには留意した方がいいでしょう。