バランスファンド

のむラップ・ファンド(積極型)の運用コストと評価

つみたてNISAは、俗に「地雷」と呼ばれるクソ投信が排除されていますが、つみたてNISA適格商品であっても、買う価値のないものが存在します。つみたてNISA適格なら安心というわけではないのです。

のむラップ・ファンド(積極型)

2010年3月15日に設定されました。5資産に投資するバランスファンドですが、投資対象資産の比率をファンドマネージャーが決定するアクティブファンドです。遅れて設定されたバリエーションを含めて、全部で5タイプありますが、最も債券比率が低いのが(積極型)です。

税込み信託報酬は債券比率が下がるほど高くなる、時代遅れな組成に良くある設定で、1.188%から1.518%までです。のむラップ・ファンド(積極型)は1.518%ですね。とんでもなく高額です。

のむラップ・ファンドで(指定インデックス投資信託以外で)つみたてNISA適格なのは(積極型)だけです。設定されてから5年以上経過している残り2本も適格要件は満たしているはずですが、(積極型)だけを適格申請した理由は不明です。

なお、購入時手数料税抜1.0%が設定されており、金融機関を選ばないと徴収されてしまいます。また、解約時信託財産留保額0.3%が設定されています。

組成内容

のむラップ・ファンドは次の5資産に投資します。連動する指数は一般的なものです。

  • 国内株式(TOPIX)
  • 先進国株式(MSCIコクサイ)
  • 先進国リート(S&P先進国REIT)
  • 国内債券(NOMURA-BPI総合)
  • 先進国債券(FTSE世界国債インデックス)

比率が固定の5資産バランスファンドなら、信託報酬は0.2%から0.3%が相場ですね。

のむラップ・ファンドは、これら投資対象資産への投資割合を変えることで、5タイプ組成しています。ここまではまあ良くありますが、のむラップ・ファンドはその投資割合をファンドマネージャーが適宜変更するアクティブファンドです。タイプごとに、各資産の投資割合の幅(下限と上限)が決められています。

次はのむラップ・ファンド(積極型)の現在の組成内容です。

のむラップ・ファンド(積極型)の現在の組成内容のグラフ

債券比率は約22%です。

運用コスト

次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。

隠れコストは低水準ですが、信託報酬がべらぼうに高いので、トータルコストは1.5%を超えています。組成内容を考えると、ボッタクリですね。

分配金出しています

残念ながら、のむラップ・ファンドは決算ごとに分配金を出しています。投資信託が分配金を出すのはある意味当然で、受益者の資産形成のためにあえて分配を抑制してくれるのが「素晴らしい」わけですが、現在ではその、素晴らしいのが標準になっています。よって、分配金を出すのむラップ・ファンド(積極型)は残念な商品と言えますが、信託報酬がバカ高い時点でもう分配金のことなんてどうでもいいですね。

リターン比較

組成内容が異なるバランスファンドの比較には注意が必要ですが、のむラップ・ファンド(積極型)のバカ高いコストは負担する価値がないことが分かると思います。

赤のラインは比較対象、緑のラインはのむラップ・ファンド(積極型)、青のラインはリターン差で比較対象ーのむラップ・ファンド(積極型)です。グラフの右端は2020年12月25日です。

楽天バランス(株式重視型)とのリターン比較

次は楽天バランス(株式重視型)の設定直後を避けた2018年8月10日からの比較です。

のむラップ・ファンド(積極型)と楽天バランス(株式重視型)のリターン比較グラフ

コロナショックによる株価暴落前は互角、株価暴落後は楽天バランス(株式重視型)の圧勝です。

スリムバランス(8資産均等型)とのリターン比較

次はスリムバランス(8資産均等型)の設定直後を避けた2017年6月1日からの比較です。

のむラップ・ファンド(積極型)とスリムバランス(8資産均等型)のリターン比較グラフ

株価暴落前は差があるものの互角、株価暴落後はのむラップ・ファンド(積極型)の方が高パフォーマンスです。

たわらバランス(積極型)とのリターン比較

次はたわらバランス(積極型)の設定直後を避けた2017年12月1日からの比較です。

のむラップ・ファンド(積極型)とたわらバランス(積極型)のリターン比較グラフ

たわらバランス(積極型)はインデックスファンドです。バランスファンドの期待リターンと負うリスクは組成内容次第ですが、のむラップ・ファンド(積極型)のバカ高いコストにそれだけの価値があると思えません。

Smart-i 8資産バランス成長型とのリターン比較

次はSmart-i 8資産バランス成長型の設定直後を避けた2018年4月16日からの比較です。

のむラップ・ファンド(積極型)とSmart-i 8資産バランス成長型のリターン比較グラフ

Smart-i 8資産バランス成長型もインデックスファンドです。のむラップ・ファンド(積極型)の方が高パフォーマンスですが、一方的に差が開いているわけではありません。

残念ながら売れています

次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は377億円です。

設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

こんな高コストなアクティブバランスファンドがこれだけ売れている事実に残念な気持ちになります。

次はのむラップ・ファンド5タイプの純資産総額一覧です。

のむラップ・ファンド5タイプの純資産総額一覧表

やや積極型とやや保守型は2016年11月に設定され、扱っている金融機関も少ないのですが、明らかに他の3本より売れていません。いや、他の3本が売れていると言った方がいいかも知れません。普通型は999億円も売れています。金融機関の窓口で提示された選択肢から「じゃあ普通型で」というやり取りが行われているのかと、想像してしまいました。

のむラップ・ファンド全体で1,881億円です。これをボロい商売と言ったら不適切でしょうか。昔ならともかく、現在はよりローコストで質の良い選択肢がたくさんあるので、のむラップ・ファンドを避けられるだけのコスト意識を身につけて欲しいものです。

評価:買う価値ありません

一般的な指数に連動する資産クラスを組み合わせ、その投資割合をアクティブに変更するバランスファンドに、税込み1.5%を超えるコストを払う価値はありません。僕の個人的な基準からすると、ボッタクリです。

バランスファンドはピンキリですが、今どき信託報酬が0.5%を超えていたら避ける、そんな商品を勧めてくる金融機関からは逃げるだけの知識を備えて欲しいものです。

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