NYダウもS&P500も米国を代表する株価指数です。これら指数に連動するインデックスファンドは多数組成されています。低コストで良質な選択肢があり、特別な理由がない限り(ETFでなくて)投資信託でことが足ります。
ではNYダウとS&P500ではどちらがおすすめでしょうか。
更新情報
参照しているデータを最新版に更新しています。
NYダウ
正式には「ダウ・ジョーンズ工業株価平均」と呼ばれます。米国を代表する株価指数です。ニューヨーク証券取引所、NASDAQに上場している銘柄から選出された、30銘柄の株価を単純に足して除数で割るという、修正単純平均でウエイトを算出します。
NYダウ指数はつみたてNISAの指定インデックスではありません。そのため、いわゆるアクティブファンド枠でしか適格申請できません。現在はeMAXIS NYダウとiFree NYダウがつみたてNISA適格です。
S&P500
NYダウに並んで米国を代表する株価指数です。ニューヨーク証券取引所、NASDAQに上場している銘柄から選んだ500銘柄の株価を、時価総額比率で加重平均し、指数化したものです。NYダウより近代的な計算方法です。
S&P500種指数はつみたてNISAの指定インデックスです。現在、つみたてNISA適格のS&P500インデックスファンドは8本あります。
S&P500にはNYダウが丸ごと入っています
- S&P500にはNYダウの30銘柄がすべて含まれています。
- SPYとDIAの比率だと、NYダウの30銘柄はS&P500の全資産の25%を占めます。
リターン比較
S&P500種指数に投資するSPYと、NYダウ指数に投資するDIA(どちらもState Street Global Advisers社のETF)の、配当金を再投資したトータルリターンを比較します。円換算しています。
赤のラインがDIAトータルリターン、緑のラインがSPYトータルリターンです。青のラインはリターン差で、DIAトータルリターンーSPYトータルリターンです。比較期間は2022年8月31日までです。
2000年から
DIAの圧勝に見えますが、リターン差を広げられたのは特定の期間だけのようです。
2010年から
比較開始日を変えただけで受ける印象が大きく変わる良いサンプルですね。この比較期間だとSPYの方が断然魅力的に見えます。
2020年から
緑のラインをDIAトータルリターン、赤のラインをSPYトータルリターンに入れ替えました。
コロナショックによる株価暴落からの回復は、SPYの方が速いです。ここだけを切り出すと、SPYの方が魅力的に思えます。
iFree NYダウとiFree S&P500の比較
実際の商品でもリターン比較しておきます。次はiFree S&P500の設定直後を避けた2017年9月15日から2022年9月22日までの、iFree NYダウとの比較です。
緑のラインがiFree NYダウです。青のラインはiFree S&P500ーiFree NYダウです。コロナショックによる株価暴落前は互角か、iFree NYダウの方が有利でしたが、コロナショック後はしばらくiFree S&P500の圧勝でした。
これはバブリーな金融相場による、GAFAMに強く依存した株価上昇の結果で、長続きするものではないのかも知れないと思っていました。
それは青のラインに表れていて、2022年は横ばいなのでいい勝負です。よって、現状NYダウとS&P500に大きな差はありません。
人気はS&P500の圧勝
次は純資産総額が多いNYダウインデックスと、S&P500インデックスで人気を二分している商品の、資金流出入額の累計の推移です。2017年年初からを切り出しています。
これはもうパワハラですね。飛び抜けている2本はスリム米国株式(S&P500)とSBI・V・S&P500です。
人気の差は圧倒的です。
結論:迷うならS&P500をおすすめします
NYダウとS&P500のどちらのパフォーマンスが良いかは時代によると思われます。NYダウは30銘柄にしか投資しないので、500銘柄に投資するS&P500より当たり外れが大きい気がします。
現在はNYダウよりS&P500の方が圧倒的な人気を獲得していますが、それでもNYダウが好きなら、選択すれば良いでしょう。2000年からの20年間の比較結果で、NYダウも十分素晴らしいパフォーマンスだったことが分かっています。
が、どっちがいいか迷っているなら、S&P500をおすすめします。投資対象銘柄が多く、ウエイトが時価総額比であることから、米国株式のより平均的な成長からリターンを得られるからです。