農林中金全共連アセットマネジメントは、農中<パートナーズ>シリーズで知られていますが、それらは農林中央金庫専売商品です。一方、NZAMシリーズは一般販売商品で、農林中央金庫では扱っていません。
NZAMベータNASDAQ100は、やる気のある信託報酬で参入して来ました。先行しているiFree NEXT NASDAQ100に並ぶ人気を獲得できるでしょうか。
更新情報
2021年年初からのリターン比較を追加しました。
NZAMベータNASDAQ100
2020年3月12日に税抜き信託報酬0.40%で設定されました。先行するiFree NEXT NASDAQ100が0.45%なので、それを下回る最安水準です。やる気を感じます。
- 商品名に「ベータ」とありますが、目論見書を見る限り普通のインデックスファンドです。
- NZAMベータNYダウ30は一般販売商品で、SBI証券、楽天証券、松井証券、マネックス証券、auカブコム証券が扱っています。
- つみたてNISA適格ではありません。(NASDAQ100指数が指定インデックスではないため、設定から5年以上経過しないとそもそも適格申請できません。)
現在、NASDAQ100指数の人気が急上昇していますし、まだライバルが少ない状態なので、チャンスは十分にあります。
運用コスト
まだ運用報告書が公開されていないため、公式な運用コストは不明です。でも、ごまかしの効かない基準価額データから、他の商品と比較して高いのか安いのかは推測可能です。
リターン比較
QQQトータルリターンとの比較
NZAMベータNASDAQ100は現物株運用で、QQQなどのNASDAQ100指数に連動するETFは買っていません。が、QQQのトータルリターンと比較することで、運用コストがどれぐらいか推測することができます。
次はコロナショックによる株価暴落が底を打った後の3月24日から12月30日までの、QQQトータルリターンとNZAMベータNASDAQ100の比較です。
青のラインはリターン差で、QQQトータルリターンーNZAMベータNASDAQ100です。青のラインの傾きはNZAMベータNASDAQ100の運用コストの大きさを示しているのですが、異様に大きいです。
次はQQQトータルリターンの運用コストを年率2.2%ポイント増量したものとの比較です。
前半はまだ増量し足りないですが、後半は適量のようです。次は2020年9月1日から12月30日までの比較です。
次はQQQトータルリターンの運用コストを年率2.2%ポイント増量したものとの比較です。
青のラインはほぼフラットになりましたので、QQQトータルリターンとNZAMベータNASDAQ100の運用コスト差は2.2%ポイント程度ある(設定直後はもう少し高かった)と思われます。
それって、NZAMベータNASDAQ100はあり得ないほど高コストということです。本当でしょうか。
iFree NEXT NASDAQ100との比較
次は運用が安定しているiFree NEXT NASDAQ100との比較です。3月24日から12月30日までです。
青のラインはiFree NEXT NASDAQ100ーNZAMベータNASDAQ100です。傾きが大きいです。
次はiFree NEXT NASDAQ100の運用コストを年率1.8%ポイント増量したものとの比較です。
運用コスト差は一様ではないのですが、これはとんでもなく大きな差です。普通に考えると、NZAMベータNASDAQ100のトータルコストは2.2%を超えます。
2021年年初からの比較
次は2021年年初から3月26日までの、iFree NEXT NASDAQ100との比較です。
青のラインはほぼフラットになりました。次は2020年10月1日からの比較です。
どうやらNZAMベータNASDAQ100は最近運用コストの改善が進んでいるようですね。是非隠れコストiFree NEXT NASDAQ100程度に削減して、税抜き信託報酬が0.05%ポイント安いだけの差が出るようにして欲しいものです。
人気の獲得に苦戦中
次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は12.99億円です。設定日の純資産総額が3億円ありましたが、これは運用側による初期投資だと思われます。
頭打ち傾向です。また、NASDAQ100指数連動商品としては資金流入額が少ないです。
先輩であり目標に違いないiFree NEXT NASDAQ100もプロットすると、現状の厳しさが良く分かります。iFree NEXT NASDAQ100の純資産総額は155億円です。
赤のラインのNZAMベータNASDAQ100が浮いているのは、初期投資の3億円によるものです。緑のラインのiFree NEXT NASDAQ100は、NASDAQ100指数が注目される前から運用を開始し、現在ブームに乗って絶好調です。先行者利益と言えますが、それを支えているのは低コストと安定した運用だと思っています。
評価:まだ様子見がいいです
2020年中のNZAMベータNASDAQ100は高コストでした。2021年からは急速に改善が進んでいるようで、これは評価します。でも、運用実績と人気を考えると、iFree NEXT NASDAQ100ではなくてNZAMベータNASDAQ100を選択するのはまだ早いと思います。
NZAMベータNASDAQ100に手を出すのは、運用コストが安定してiFree NEXT NASDAQ100と同等以下になってからでいいでしょう。