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NZAMベータNASDAQ100の運用コストと評価

農林中金全共連アセットマネジメントは、農中<パートナーズ>シリーズで知られていますが、それらは農林中央金庫専売商品です。一方、NZAMシリーズは一般販売商品で、農林中央金庫では扱っていません。

NZAMベータNASDAQ100は、やる気のある信託報酬で参入して来ました。先行しているiFree NEXT NASDAQ100に並ぶ人気を獲得できるでしょうか。

更新情報

第一期運用報告書の内容を反映させています。予想通り高コストでした。

NZAMベータNASDAQ100

2020年3月12日に税抜き信託報酬0.40%で設定されました。先行するiFree NEXT NASDAQ100が0.45%なので、それを下回る最安水準です。やる気を感じます。

  • 商品名に「ベータ」とありますが、目論見書を見る限り普通のインデックスファンドです。
  • NZAMベータNYダウ30は一般販売商品で、SBI証券、楽天証券、松井証券、マネックス証券、auカブコム証券が扱っています。
  • つみたてNISA適格ではありません。(NASDAQ100指数が指定インデックスではないため、設定から5年以上経過しないとそもそも適格申請できません。)

現在、NASDAQ100指数の人気が急上昇していますし、まだライバルが少ない状態なので、チャンスは十分にあります。

運用コスト

次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。iFree NEXT NASDAQ100と比較しています。

運用報告書から計算したトータルコスト表

予想通り隠れコストが高く、トータルコスト1.6724%とはiFree NEXT NASDAQ100の2.9倍近くします。

次は隠れコストの明細です。

隠れコストの明細表

保管費用が驚くほど高額です。でもこれ、投資信託の第一期では珍しくありません。

リターン比較

QQQトータルリターンとの比較

NZAMベータNASDAQ100は現物株運用で、QQQなどのNASDAQ100指数に連動するETFは買っていません。が、QQQのトータルリターンと比較することで、運用コストがどれぐらいか推測することができます。

次はコロナショックによる株価暴落が底を打った後の3月24日から12月30日までの、QQQトータルリターンとNZAMベータNASDAQ100の比較です。

QQQトータルリターンとNZAMベータNASDAQ100の比較グラフ

青のラインはリターン差で、QQQトータルリターンーNZAMベータNASDAQ100です。青のラインの傾きはNZAMベータNASDAQ100の運用コストの大きさを示しているのですが、異様に大きいです。

次はQQQトータルリターンの運用コストを年率2.2%ポイント増量したものとの比較です。

QQQトータルリターンの運用コストを年率2.2%ポイント増量したものとの比較グラフ

前半はまだ増量し足りないですが、後半は適量のようです。次は2020年9月1日から12月30日までの比較です。

QQQトータルリターンとNZAMベータNASDAQ100の比較グラフ、2020年9月1日から12月30日まで

次はQQQトータルリターンの運用コストを年率2.2%ポイント増量したものとの比較です。

QQQトータルリターンの運用コストを年率2.2%ポイント増量したものとの比較グラフ、その2

青のラインはほぼフラットになりましたので、QQQトータルリターンとNZAMベータNASDAQ100の運用コスト差は2.2%ポイント程度ある(設定直後はもう少し高かった)と思われます。

それって、NZAMベータNASDAQ100はあり得ないほど高コストということです。運用報告書から計算したトータルコストは1.6724%だったので、そこまでではありませんでした。

iFree NEXT NASDAQ100との比較

次は運用が安定しているiFree NEXT NASDAQ100との比較です。3月24日から12月30日までです。

iFree NEXT NASDAQ100とNZAMベータNASDAQ100のリターン比較グラフ

青のラインはiFree NEXT NASDAQ100ーNZAMベータNASDAQ100です。傾きが大きいです。

次はiFree NEXT NASDAQ100の運用コストを年率1.8%ポイント増量したものとの比較です。

iFree NEXT NASDAQ100の運用コストを年率1.8%ポイント増量したものとの比較グラフ

運用コスト差は一様ではないのですが、これはとんでもなく大きな差です。普通に考えると、NZAMベータNASDAQ100のトータルコストは2.2%を超えますが、運用報告書の数値を信じるならそこまで高くはありませんでした。

2021年2月からの比較

次は2021年2月1日から4月9日までの、iFree NEXT NASDAQ100との比較です。

2021年2月1日から4月9日までの、iFree NEXT NASDAQ100とのリターン比較グラフ

青のラインはほぼフラットになりました。次は2020年10月1日からの比較です。

iFree NEXT NASDAQ100とNZAMベータNASDAQ100のリターン比較グラフ、2020年10月1日から

どうやらNZAMベータNASDAQ100は最近運用コストの改善が進んでいるようですね。是非隠れコストをiFree NEXT NASDAQ100程度に削減して、税抜き信託報酬が0.05%ポイント安いだけの差が出るようにして欲しいものです。

積み立てシミュレーション

ではNZAMベータNASDAQ100が設定された翌月から、毎月初に5万円を積み立てていた場合、iFree NEXT NASDAQ100と比べてどうだったでしょうか。2021年3月末の税引き前評価額を比較します。

NZAMベータNASDAQ100とiFree NEXT NASDAQ100の積み立てシミュレーション結果のグラフ

元本60万円に対し、評価額に5,585円の差が生まれました。利益率差は0.93%ポイントでした。なお、一括投資だった場合の利益率差は2.6%ポイントです。

人気の獲得に苦戦中

次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は16億円です。設定日の純資産総額が3億円ありましたが、これは運用側による初期投資だと思われます。

設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

頭打ち傾向です。また、NASDAQ100指数連動商品としては資金流入額が少ないです。

先輩であり目標に違いないiFree NEXT NASDAQ100もプロットすると、現状の厳しさが良く分かります。iFree NEXT NASDAQ100の純資産総額は246億円です。

iFree NEXT NASDAQ100もプロットしたグラフ

緑のラインのiFree NEXT NASDAQ100は、NASDAQ100指数が注目される前から運用を開始し、現在ブームに乗って絶好調です。先行者利益と言えますが、それを支えているのは低コストと安定した運用だと思っています。

評価:まだ様子見がいいです

2020年中のNZAMベータNASDAQ100は高コストでした。それは第一期運用報告書の数値にも表れています。2021年からは急速に改善が進んでいるようで、これは評価します。でも、運用実績と人気を考えると、iFree NEXT NASDAQ100ではなくてNZAMベータNASDAQ100を選択するのはまだ早いと思います。

NZAMベータNASDAQ100に手を出すのは、運用コストが安定してiFree NEXT NASDAQ100と同等以下になってからでいいでしょう。また、不人気で純資産総額が増えない商品は繰上償還リスクが高くなります。安定して50億円以上あれば良いのですが、そうなるためには人気が出て売れなければなりません。先行している低コストで人気の高い商品に対抗するのは、簡単なことではありません。

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